トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

**今日の都々逸

2021-09-04 | 性向有毒の翁なれば
             策無し防疫 裸の大将
                   今際も方便 すかすかし ハアコリャコリャ

                 
                  

今日のトンボ「尾翅打ち枯らしてもドラマあり!」

2021-09-04 | 小父のお隣さん
 「浅からぬ因縁」と言うか「赤い糸で結ばれていた」と言うべきか、「因果は巡る」なのか恐らく同一個体を一連の重要場面でキャッチできるなどそうそうあるはずも無い。それがこの日は起こったのだった。棚田部でコナギの抜去中にしつこくシオカラトンボに追われている大型トンボがいたのだが眺めていると切羽詰まっての「産卵・産卵」の様子なのだ。何回か産卵体制に入り、その中の一瞬を小生は撮影出来たのだが、この時は「ギンヤンマ」と思っていた。しかし自宅で図鑑対照したら「ギンヤンマは連結産卵」とありクロスジギンヤンマと判明したのだった。

 何回かの産卵態勢の後、ついに追い払われ二匹でもつれながら上昇を始めたのだが「捕食されたか?」と思ったのも束の間、シオカラトンボがクロスジギンヤンマの首根っ子と連結していたのだ。もう、びっくり仰天玉手箱、こんな事も有るのだなあと見送ってしまった。故事に「大女に小男」は良いカップルの見本とも言われていたがトンボの世界にもあるなんて、初めて見たのだ。
 壮年期のクロスジギンヤンマなら体力的に勝っただろうが、写真をみての通り、翅は濁りボロボロの晩年期ではエネルギーで負けたのだろう。まあ、若者が熟女を求める事もあるし、あの慶応大学教授「林 髞氏」は人生二回結婚説を提唱していたくらいだから目くじら立てる程の事でも無いだろう。

 コナギの抜去を終え帰宅前にトンボ池の見回りをしようと立ち寄ったら蜘蛛の巣に大型種が絡まっている。コガネクモらしくトンボの脚と頭部に少しばかり糸を吐いていたから小生の接近で巣中央に戻ったようなのだ。「助ければ飢えさせる、喰わせれば殺すことになる」のハムレットの二者択一を迫られて「命を助ける」を選択して巣から外した。指先と小枝を使い絡められた糸を外して撮影した。初めて手にした一匹、意外なほど小さく見える。

 小生の小指にも赤い糸が結ばれ西方へ繋がっておるものの切り離しは出来ない糸だが、このトンボとはクモの糸で結ばれていたらしい。しかしながら浮世・現世と結ばれている糸は無く、そこのところが苦々しいのだが所詮、姥捨て山だからさもありなん、さもアリラン。失礼、アリランは韓国国民的名歌であったわい。
 さてさて、この時点でもクロスジギンヤンマなのかギンヤンマなのかは区別がつかなくて「♀だろうが小振りの体型、もしかしたら別種?」の淡い期待はあったものの結果は無残。淡い頭髪はふさふさには還らない期待と同じなのだった。ここには黒い糸も無く色落ちしクタッとなっているスフ糸が僅かに見えるだけである。まあ、「磯野波平氏」よりはましか…。ましだ!。

 それはそれとして家で写真をみていて気が付いた。棚田で産卵しシオカラトンボと結婚飛行で天国上昇を試みた個体が蜘蛛の巣に掛かった個体と同じ可能性が高い。それは翅の傷み方と痛んだ位置が似ていることに由る。
 まあ、大小同士がカップルになろうと蜘蛛の巣に絡められようと預かり知らぬ事として通せるけれど、そのダイナミックで稀有なドラマを垣間見る事は誰でも出来る事ではない。これって玉手箱と言うより「小さな行李」を選ん爺まった爺さんへのギフトだったのだろうか?。教訓としては「辛抱し続ければ吸い殻のひとつも足元に落ちている」という事かなぁ。