誰が草刈りをしてくれたのか不明だが、吾亦紅の自生している一角だけを刈り残してあった。道幅だけ奥まで刈り払ってあったから気がついたのか区域外だったのか知る由もないが、刈り取られなくて幸運だった。意図したにせよ金々でなくタマタマにせよ、こういうのはホッとする。
先日の橋の土台となる護岸の石積みをしていて、暑くなったから肌着を脱ごうとしていた時だった。アサギマダラが飛来して目の前1メートルばかりの草むらに止まった。
写真を撮ろうにも脱いだ服の中だし「もうー」と思ったがケータイを引き寄せた。くだんの蝶は逃げもせず羽根を広げて居てくれた。そして何枚か撮影することが出来た。新聞のニュース欄にも取り上げられているからシーズンには違いないが、近くに寄ってくれると「儲かった」気分になる。でも後羽根が痛んでいて、これから長旅をするなら辛いなあ、と同情を禁じえなかった。
思いのほか優しい小父さんであった。
橋の土台となる護岸もなんとか形になってきたが、石積みやツルハシを振るうのは午前だけでKOである。なんとも情けないが、橋にする枕木も近くで調達できる目途もたったし、今度は立派な橋が出来そうだ。
トロル小父としてはこれで橋の下に陣取り「誰だ、俺の橋を渡る奴は!」とのたまわれるのだ。それが嬉しい。そこで判ったのは、思いのほか意地悪なおじさんだった。