「ウイッキーさんの一口英会話」というコーナーが「ズームイン朝!」というテレビ番組でかつて人気を博した。ウイッキーという名前のスリランカ人のオジサンが街角で道ゆく人にいきなり英語で話しかけるというコーナーだった。
いつも演習問題として短いフレーズを用意してはいるものの、なんせ無差別に話しかけるものだからほとんどの人は英語で返答することができずに逃げ去るのだ。
もともと朝の英会話ショートレッスンがこのコーナーの趣旨だったのではないかと記憶するが、回数を重ねるに従って、話しかけられた通行人の「英語がわからない」というリアクションの面白さに注目が集まり、当初のコンセプトはどこかに吹き飛んでしまった。
だからたまにきっちりとした英語で返すヤツが現れたりすると、
「ケッ、自慢するなや」
とか、
「それがどうしたん?」
ということになって、英会話コンプレックスも手伝って話せるヤツに妙な敵愾心を抱いたりしたものだ。
なお、同様の番組は今も「からくりテレビ」なんかで見ることができる。
つまり路上で突然英語で話しかけられても、満足に答えられる人はほとんどいないというのが日本人の普通の反応なのだ。
水曜の産経新聞夕刊に「タイ政府が英語教育の見直しを検討」という記事が掲載されていた。
なんでもTOEFLの試験結果がタイはASEAN諸国で下から数えて第2位。最下位のカンボジアとわずか一点差。ベトナム、ミャンマーといった未だ開発途上にある国と比べると点差の開きが格段にあるという。
タイはいわずとしれたASEAN諸国の優等生。その経済力は域内ナンバーワンで東南アジアのリーダー的存在だ。経済成長率は毎年8%以上を維持。1997年の通貨危機の引き金になった通貨バーツも信頼を取り戻しつつある。
科学も経済もナンバーワン。しかしTOEFLは下からナンバーツー。
一方で観光立国を標榜するタイ国だけに、英語教育は深刻らしい。
事実、タイでは観光地や大きなショッピング街を離れると英語はまったく通じない。
仕方がないので私なんかは片言のタイ語と日本語で意思疎通を試みるが、下手な英語を駆使するよりも、どういうわけか日本語の方がよく通じたりする。
お互い困ったときもニコニコするのが得意な民族なので英語は不要というわけか。
で、一般にこの原因にはタイだけがASEAN諸国で植民地になった悲しい歴史を持たない国であることが挙げられることが多い。
他国に侵略されて、他国の言葉を強要された経験がないだけに、自国の言葉ですべて解決できるという歴史的な安心感があるからだろう。
しかし上には上があるもので、安心せよタイの人々よ。
タイと同じく植民地になった経験のない我が日本。
日本もなんとTOEFLの成績が下から第二位。
しかもタイを遥かに凌駕した「全アジアの中で下から第二位」なのだ。エッヘン!
誇れ、我が日本と朋友タイ国の人々よ。
英語の話せないことは、もしかしたら民族自立の証なのかも知れないのだ。
などと、言っている場合ではないことも、よーくわかっているが、どっちゃでもいい。
いつも演習問題として短いフレーズを用意してはいるものの、なんせ無差別に話しかけるものだからほとんどの人は英語で返答することができずに逃げ去るのだ。
もともと朝の英会話ショートレッスンがこのコーナーの趣旨だったのではないかと記憶するが、回数を重ねるに従って、話しかけられた通行人の「英語がわからない」というリアクションの面白さに注目が集まり、当初のコンセプトはどこかに吹き飛んでしまった。
だからたまにきっちりとした英語で返すヤツが現れたりすると、
「ケッ、自慢するなや」
とか、
「それがどうしたん?」
ということになって、英会話コンプレックスも手伝って話せるヤツに妙な敵愾心を抱いたりしたものだ。
なお、同様の番組は今も「からくりテレビ」なんかで見ることができる。
つまり路上で突然英語で話しかけられても、満足に答えられる人はほとんどいないというのが日本人の普通の反応なのだ。
水曜の産経新聞夕刊に「タイ政府が英語教育の見直しを検討」という記事が掲載されていた。
なんでもTOEFLの試験結果がタイはASEAN諸国で下から数えて第2位。最下位のカンボジアとわずか一点差。ベトナム、ミャンマーといった未だ開発途上にある国と比べると点差の開きが格段にあるという。
タイはいわずとしれたASEAN諸国の優等生。その経済力は域内ナンバーワンで東南アジアのリーダー的存在だ。経済成長率は毎年8%以上を維持。1997年の通貨危機の引き金になった通貨バーツも信頼を取り戻しつつある。
科学も経済もナンバーワン。しかしTOEFLは下からナンバーツー。
一方で観光立国を標榜するタイ国だけに、英語教育は深刻らしい。
事実、タイでは観光地や大きなショッピング街を離れると英語はまったく通じない。
仕方がないので私なんかは片言のタイ語と日本語で意思疎通を試みるが、下手な英語を駆使するよりも、どういうわけか日本語の方がよく通じたりする。
お互い困ったときもニコニコするのが得意な民族なので英語は不要というわけか。
で、一般にこの原因にはタイだけがASEAN諸国で植民地になった悲しい歴史を持たない国であることが挙げられることが多い。
他国に侵略されて、他国の言葉を強要された経験がないだけに、自国の言葉ですべて解決できるという歴史的な安心感があるからだろう。
しかし上には上があるもので、安心せよタイの人々よ。
タイと同じく植民地になった経験のない我が日本。
日本もなんとTOEFLの成績が下から第二位。
しかもタイを遥かに凌駕した「全アジアの中で下から第二位」なのだ。エッヘン!
誇れ、我が日本と朋友タイ国の人々よ。
英語の話せないことは、もしかしたら民族自立の証なのかも知れないのだ。
などと、言っている場合ではないことも、よーくわかっているが、どっちゃでもいい。