とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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ミャンマー制裁

2004年10月13日 23時40分59秒 | エトセトラ
昨日の産經新聞朝刊で「EUが民主化の遅れを促すためにミャンマーへの制裁の圧力を高める」という意味合いの記事が報じられていた。ミャンマーの軍事政権はけしからん、というわけだ。

ミャンマーという国は軍事政権が絶対的権力を行使して北朝鮮のような政治を行っている、という印象が日本人の間にもしみ込んでいて「ミャンマーは危険な国だ」という固定観念が植えつけられている。
しかし現実のミャンマーは将軍様の国のようなチンケな国ではない。むしろ温厚でまじめな人たちが暮らす美しい国なのである。
政府が情報を操作していることは確かだが、裕福な家やホテルには衛星放送のアンテナが立ち、CNNやBBCといった彼らにとっての敵性放送が自由に受信できる状態で、そこからインテリたちは自分達の国や海外の情報を知ることができるのだ。

EUがミャンマーを制裁したがるのは、ミャンマーが東南アジアに於ける最後の弱者であることが原因だろうと私は推測している。
タイやマレーシアはすでにEUも驚く経済力を持ち、ベトナムはその真面目さと優秀さで高度成長を続けている。シンガポールはもはや何もいうことがない。
インドネシアは経済力を貯えつつあるところで、民族問題にEUにつけ込まれ、弱体化の憂き目にあった。

それもこれも第二次世界大戦後、飯の種にしようとしていた豊かな大地である東南アジアに独立されたためジリ貧になったEU諸国の恨みがそこここにあるのが原因だ。

ミャンマーは自らの政治的停滞につけ込まれ苦しんでいる。
ミャンマー人は敬虔な仏教徒で穏やかで真面目な性格を有している。もし、ここが力をつけるとこの地域の力をEUが益々力を失うことになるので、いじめるのだ。
スーチー女史を讚える人が多いが、あの人は英国籍。父親が偉大なミャンマーの独立指導者というだけに過ぎない。
EUがミャンマーの政治的停滞につけ入るやりかたは1850年代、ミャンマー王室のもめ事につけ入って、そのまま侵略してしまった英国のやり方に似ている。

日本はどういうわけかEUと同じ歩調をとろうとする。
しかし、日本人は知るべきだ。ミャンマーの人たちが一番信用し、なおかつ期待しているのが日本人であることを。
ミャンマーへ行って中国からの援助で作られた橋や建物が作られていっているのを目にするが、それを見た私にミャンマー人は言うのだった。
「あれは日本人が中国に貸したお金で中国がミャンマーを援助しているんですね。だからミャンマー人は中国ではなく日本がミャンマーを援助してくれているのだと知っています。」

日本の外交はもっとしっかりしてもらいたいものだ。

--------- 初めての政治ネタでした ---------