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とりがら時事放談『コラム新喜劇』

政治、経済、映画、寄席、旅に風俗、なんでもありの個人的オピニオン・サイト

海賊版DVD

2005年05月24日 21時22分46秒 | 社会
スターウォーズ・エピソード3が全米と「中国」で公開された。
1作目から28年。ついに完結。今作ではダースヴェーダーことアナキン・スカイウォーカーがダークサイドに転落する様が描かれているということで大騒ぎ。
公開当日は急病になって会社や学校を休んだ人たちが、病院へも行かずに映画館に列を作ったという「アホかいな」というようなお祭り状態であったようだ。

良い悪いは別にして今年最大の話題作が公開された当日、早くもインターネット上で本作のムービーデータが不正に公開された。
公開された映像には編集時に使用するカウンターナンバーが表示されていたということだから、映画館でこっそりカメラ撮影されたものではなく、製作段階で、スタッフかスタッフに紛れ込んだ何者かが不正にビデオデータを持ち出したものに違いない。
スターウォーズは前作からフィルムを使わずに日本製の映画用デジタルビデオカメラで撮影してるので、作成した作品も従来のものよりより盗難しやすかったのかも知れない。

今回の事態を重くみた米国映画協会と連邦捜査局は断固とした態度で、犯人を突き止めそれ相応の厳罰に処す構えを表明した。

ここまで映画の作り手と、その作り手の国が海賊版を警戒するにはそれなりの理由がある。
映像や音楽、ソフトウェアなどの著作物がその企業や国家にとっての大きな資産となっているからだ。
今年発売されたディズニーのアニメ「Mr.インクレディブル」のDVDは20USドル程度の価格ながら800万枚を売り上げた。つまり映像・音楽ソフトが万単位で売れる市場が出現しているのだ。
ところが、これらのメディアは複製しやすく「知的所有権?なに、それ?」というような、価値観がまるっきり異なる人々に対しては著作権などまったく機能することがない。
そのため米国は数百万ドル規模の経済的損害を受けていると、頻繁に発表しているのだ。
ちなみに日本もここ数十年、知的財産については敏感になっているが、どちらかというと特許や実用新案の世界であった。音楽や映像については意識が希薄だ。

今回のエピソード3を米国映画にとって世界市場第二位の日本をさておいて、中国でも米国と同日に公開に踏み切ったのは、海賊版が市中に広まり受ける損害を極力減らそうという努力の結果だという。

ところが昨日、上海の街中でエピソード3の海賊版DVDが売られているのが確認された。
売り子はリュックに物を入れ、歌舞伎町や東通り商店街のぽん引きよろしく客に声をかけ売り歩いていたという。
共産主義の国はえてして知的所有権に対する認識が低い。
2年前、ベトナムのサイゴンにある「国営百貨店」のオープンの日。一階の売り場をうろうろしていると、「DVDいかがっすか」と声をかけられた。
「安いよ。買って行きなよ」と言うものだから、DVDが山と積まれたワゴンを見ると、アメリカ映画や洋楽ポップのライブビデオなどが売られていた。
「いくら?」
と訊いたら、
「1枚20000ドン(170円)」。

海賊版DVDの殲滅の日は遠い。

噂ばなし

2005年05月23日 22時18分11秒 | 社会
国が発注する鋼製橋梁の入札に関わった建設および重工の大手47社が談合に手を染めていたことが判明した。
新聞やテレビといったマスコミは鬼の首を取ったように騒ぎはじめたが、例によって、その根本的なものは何一つ報道しない姿勢を貫いている。
それが証拠に公正取引委員会が前回摘発した水道メーターの不正入札の一件に関わった水道工事事業者の一つの社長を「反省します」「すいません」などのお詫びのひとつも言わさずにテレビ出演させし続けている。
その人の名前はMといい、お昼の相談番組や朝のワイドショーの司会を務めているのだ。

実のところ、日本経済は談合で成り立っている、という噂話がある。
以下は飽くまでも噂なので真剣に考えてもらっては困るのだが、考えないと益々ちんけな国に落ちぶれる危険性があるだけに怖いものもある。

大阪府と京都府と奈良県の境に数年前、国立国会図書館関西分館というのが完成した。
この三府件の府県境といえば、関西学術研究都市という、いかにもという地域なのだが、いずれの都心からも電車で一時間以上かかる辺境である。
このような辺境に国立図書館を構えることになったのは、京都出身のNという政治家が、身内の税金を払わずに済む人たちをたき付けて国に「この場所が都合がいい」と決定させたという「噂」がある。
国立図書館だから、当然入札で建築業者や設備業者が決められる。
ただ規模が規模だけに、これだけの工事を実施できる会社も限られてくるので、建築も設備も技術的にも資金的にも請け負うことができる会社が「まとめて」受注したという、これまた「噂」がある。
「まとめて」という言葉がキーポイントで、意味はなんとでもとれるだろう。
すべてまとめてがっぽり受注した、という意味にもとれるし、みんなの希望をまとめて仲良く受注したとも言うことができる。
設備などは前記後期の二つにわけられて、B社やI社、N社、D社という企業が頭で受注して、仲良く仲間の工場に発注し、民間企業からではとても得られない額の利益を不当に受けていたという「噂」がある。

大阪府堺市は職員の皆さんに共産党支持者が多いことと、ラスパイレス指数が日本一であることで知られている。
共産主義は「民主主義」と「平等」を心がけてるためか、職員が「不平」を言わないように、国家公務員よりもはるかに高い給与を平等に支払うように仕向けているようだ。
この公平思想は入札制度にも活かされていて、建築工事などは落札した業者が「平等」に損をしないように、落札価格と予定価格がピッタリと符合するように入札を実施している。
ホームページで確認できるのでビックリする人がいるだろう。
これは恐らく市の職員には「エスパー」がいて、落札してもらいたい業者にテレパシーを送るので、ピッタリの数字がでてくるのだ、という「噂」がある。

ともかく、どれもこれも「噂」なので、明確には言えないが、火のないところに煙は立たず。
要は役人の無能さ加減と、業者の不誠実さ加減が末期的になってきているということか。

そう言えば、大阪和泉市の市長逮捕も、市長を逮捕して汚職の濡れ衣と責任を押し付けないと、実行部隊の課長、係長クラスがすべてお縄にかかってしまうから、という「噂」がある。
ここまでくると、市長は尊師で職員は信者、市庁舎はサティアンだ、という「噂」もある。

長者番付の価値

2005年05月22日 20時41分12秒 | 社会
先週、毎年恒例の納税者番付が発表された。当然のことながらその中に私の名前は含まれていなかった。限りなく平均値に近い年収の人の名から抽選でいくばくかの賞金の貰える、というような制度(がっちり買いましょうのような制度)があれば、私もその仲間に入れてもらえるかも知れない。

今回の長者番付発表で注目を集めたのは、投資顧問会社勤務の46歳の男性サラリーマンだろう。
なんといってもサラリーマンが長者番付第一位に輝くのも初めてなら、推定年収百億円という金額も初めて。
きっと多くの人たちは「一体どんな悪いことをして稼いだのだろう」と思ったに違いない。
「金銭に対する執着心が欠けているんじゃないか、君」といつもタカラの「人生ゲーム」をプレー中にたの対戦相手から指摘される私でさえ、そう思ったのだから、日頃からパチンコ、マージャン、宝くじなど、自分が働かずして大金持ちになろうと試みている愚衆にとっては羨望する気持ちを通り越し、きっとウソをつくのが上手な小泉政権が創作した「ヤラセ」に違いないと感じたことだろうと思う。

それにしても100億円という年収を、一体何に使うのだろうか。一度質問してみたいものがある。
私の部下の一人は、その乏しい想像力で「そんな金があったら毎日寿司とかステーキとか食べて、夜はキャバクラ借り切って、その帰りに福原へ行きますわ。」と宣った。
平民のなんと悲しいことだろう。

しかし、ホントに100億円などという金を個人で使うのは難しいに違いない。
よく人気の野球選手が数十億円という大金で球団と契約を結んで話題になるようなことがある。このような高額の収入もなにに使用するのか、部下と同じく想像力に乏しい私には理解することができない。
このサラリーマンも年齢からするとオタク世代の走りのように見受けられ、もしかすると「うる星やつら」の面堂某のような生活を夢見ているのかも知れないが、そんなコミックを読んでラムちゃんだとか蘭ちゃんだとか弁天様などといっている脳天気な青白顔に、こんな怪物のようなトレーダーがいるわけもないだろう。

ともかく、一人でバブルしている人を取り上げ、持ち上げることだけは止めてもらいたい。
バブル時代に株や土地取引に踊って常識外の金額を稼いでだ連中が、世間からもてはやされた数年後にどうなったのか。よもや世間もマスコミも忘れてしまったとは言えないはず。
投資顧問会社の実態や、証券、銀行、保険会社などがいったい社会に対して何をしているのか。新聞テレビはそういうことをキチンと伝えたうえで、100億円の業績を伝えて欲しい。
トヨタを見よ、ホンダを見よ、キャノンを見よ、そして身近な町工場を見よ。
コツコツ働いて稼ぐ製造業は、数百、数千、数万人の生活を支えることができる。株転がしや金転がしにはそれはできない。

第一、ギャンブラーは職業ではないのだ。

時間厳守

2005年05月16日 21時06分51秒 | 社会
JR宝塚線の事故以来、その過密ダイヤが議論を呼んでいる。
「時間を守らせるために安全を無視して乗務員に無理を強いていたのではないか」
というのがその論点だ。

三年ほど前、JR京都線の新快速に乗って大阪から京都へ向かう途中に聴いた車内アナウンスが印象に残っている。
「この電車は高槻駅に20秒遅れで到着する見込みです。お急ぎのところ誠に申し訳ございませんが、高槻で普通電車への乗り継ぎのお客様は次の電車までお待ちいただきますようお願いいたします。」
各駅停車への乗り継ぎが難しいことを謝る車内アナウンスにも驚いたが、たった20秒の遅れに対してお詫びを入れる列車運行に対する律義さにも驚いた。
もちろんこのとき「危険だ」なんてことはまったく思わなかった。むしろ逆に「なんて正確な運行なのだろう。日本の鉄道は素晴らしい。」とさえ思ったのだった。

確かに関西圏のJRのダイヤは神業で、この過密ではあるが正確なダイヤ編成が在阪私鉄を経営的に大きくリードしている秘訣の一つだと思われる。
まず、乗り継ぎが素晴らしい。
問題になっている場所の話だが、神戸線を神戸方面からでも大阪方面からで乗っていくと、尼崎駅では必ずピッタリと宝塚線や東西線の電車に連絡しているのだ。
乗り換えは同じホームを向かい側へ行くだけなので、階段を上る必要もないし、駆け回る必要もない。
まるでエレベータを乗り換えるような感覚で列車の乗り継ぎができるのだ。
競合が激しくないはずの阪和線でも乗り継ぎは見事だ。
快速の停車する駅ではほとんど各停が待っていて、その駅から先への各駅へのアクセスを便利にしている。これは急行と各停の連絡の良くない南海電鉄とは対照的だ。

このように、ダイヤの組み立て方と正確さを売りにしてJRは乗客を獲得してきたという経緯がある。
ところが今回の事故で「正確なダイヤを守ること」が危険だなんて言われ出した。
私には「運転手の精神に問題があった」としか思えないのだが、そのあたりのところは誰も問題にしようとしない。
私のような素人でも、冷静に考えてみるとダイヤを守らないまたは守れない鉄道と、ダイヤを厳守する鉄道のどちらが安全かは一目瞭然だ。
ダイヤが遅れたり、狂ったりすると列車の運行システムに影響が出るはずで、決して安全に運行できているとは思えない。
それに引き換えダイヤの正確な鉄道は、衝突の心配も、運行上のトラブルも少なく、安全であるはずだ。
それは日本の鉄道と英国の鉄道を比較すればよくわかる。
でもなぜか今回は「時間厳守は危険」論になっている。

話は変わるが、トヨタ方式に代表される世界に名高い日本の生産方式も「ジャストインタイム」時間厳守の世界だ。
工場と工場は時間と生産数をシステムに組み込み、それらを結ぶ物流系統であるトラック運送網に絶対的な「時間厳守」を要求している。
それはまるでベルトコンベアのように正確でなければならないのだ。

今回の「時間厳守は危険」論は、もしかすると日本文化を否定する一種の「アレ」なのかも知れない。
時間を守る、守らない。いずれにしても用心が必要だ。

天邪鬼私見

2005年05月10日 12時27分26秒 | 社会
=はじめに=
当ブログ「とりがら時事放談」初の試みとして、時々コメントを寄せていただき、なおかつこのブログの顧問であり読者である京都の船長さんからの投稿を掲載いたします。

船長さんは「この原稿に関する自身の著作権は放棄します」と言っとりますが、原稿責任および著作権は管理人がもつということで、よろしくお願いします。

なお、自分で書くネタがなくなったので、仲間の原稿を載せるのではありません。(こう書いとかんと突っ込んでくる人がおりますので...)



=天邪鬼私見=

JR福知山線脱線事故を巡る報道が相変わらず喧しい。誠に痛ましい事故だが、巷間言われているようなJR批判だけでよいのであろうか。
例によって天邪鬼船長が、とても世間では発表できない論を展開する!(なんかF氏の文体に似てきたような・・・)

1.「置き石」の件。今でこそ「初期段階で責任回避の発言」とマスコミが非難しておるが、当時JRも「置き石が原因であった可能性が高い」と可能性についてしか言及しておらず、結果論である。
JR側から見れば、「何の発表もないのか!」とマスコミにつつかれ、やむなく発表したのである。
今日、調査が進んで直接原因は想定されていなかった転覆脱線であることが明らかになってきた。「まさか」だったのである。ごく初期の段階で「置き石」が原因であると考えるのは至極当然と思える。
2.ダイヤ厳守の件。これより安全が優先するのは議論の余地がない。しかし、我々乗客にとって「安全は当然」であったので、電車の遅延はそれがたとえ1~2分であってもコトと次第によってはJRに文句を言っていたハズだ。そういう乗客側に責任はないのか。
そのことは全く問題にされず、JRだけに責任追及するのはまさに片手落ちである。
3.犠牲者と遺族の件。同情を禁じえない。誠に気の毒である。
しかし、だからと言って報道番組で遺族の悲しみやら犠牲者の半生を延々と追いかけるのは如何なものか。
そういうのは過剰に放映すること自体に反対であるが、せめてやるなら報道番組(ニュース)ではなく、ワイドショーでやればよろしい。ここんところの報道は、ニュースもワイドショーもほとんどいっしょである。
第一、原因究明・再発防止と遺族の悲しみは「直接的には」何の関係もない。
4.日勤教育の件。まるで遅延運転をした全運転士が草むしりをしていたかのようだが、実は背後に労組問題(JR西には4つの労組がある)というやっかいかつ歴史的問題がある。草むしりなんていうのは一種の不当労働行為で、早い話が経営者側のイヤガラセ。今回の運転士は、経営者側からにらまれていない組合所属だったから、草むしりをさせられていた可能性は低い。
むしろ、乗客の安全を守る教育は絶対に必要で、今回バッシングを受けたことで労組が勢いづき、教育がおろそかになれば再発の危険性は増すのではないかと危惧される。
パイロットも運転士も、乗客の命を預かっているという点ではまったく同じなのだ←え~と、もちろん「船長」も同じ(^_^.)
5.最後にボウリングの件。その後、宴会やら韓国旅行やらといろいろ報道されておるが、そんなに問題視すべきことか?
ひとことで言えば「不謹慎」ということかと思うが、天王寺車掌区といえば今回の直接の所轄ではない。JR西ほどの大会社であればほとんど対岸の火事であろう。
幹事の立場に立てば、何日も前から準備して数十人の参加が予定されているリクリエーションだ。おいそれとキャンセルというわけにもいくまい。キャンセル料は誰が払う?休暇中の参加者にはどやって連絡する?
それに、年に何回やっているのかは知らんが車掌区の社員が顔を合わせる機会というのもそうはなかろう。やめろと言うのは簡単だが、ホンマにやめるのは結構大変だと思う。あんたが幹事やったらやめる?
やめたところで死者が生き返るわけでも救助作業がはかどるわけでもないのに。

ええ加減、連日の報道にも飽き飽きしてきましたな。会見時の記者の偉そうな発言にも「おまえは何モンじゃい?」と思いましたが。

PTSD

2005年05月09日 21時49分45秒 | 社会
たしか「サイゴンから来た妻と娘」の著者として有名な近藤紘一のバンコク特派員時代の著書に、次のような内容のレポートがあった。

ヴェトナム難民のあるグループがタイランド湾の小島にたどり着いた。ところが運の悪いことに海賊に襲われて男たちは殺され女たちは強姦された。
この情報を受取り現場へ駆けつけた著者は意外な光景を目撃する。
レイプされ、仲間の中から死人まで出したにも関わらず、助かった女達は海賊に襲われた恐怖なぞどこへやら。力強く、陽気に生きていたのだった。
著者はベトナム人の生命力の逞しさに感心していたように思うが、私も強烈なインパクトを受けたのか妙に印象にのこっている話だ。

4年前に発生した大阪教育大学付属池田小学校での児童殺傷事件について。被害を受けた児童に対して学校からPTSDを負わせた慰謝料として総額約1億円が支払われることになった。と、昨日報道された。
「犯人が学校に侵入し、児童を殺傷したのは学校の責任で、その償いは学校が負うべきだ」という思想がこの馬鹿げた賠償を生み出した。
断っておくが、犯人に傷つけられ、あるいは殺された子供たちに私は同情する。しかし「殺人事件」の責任を、その殺人事件が発生した場所に押し付けるのは明らかにおかしいと思うのだ。
学校という場所は、刑務所ではないのだから常にオープンであるべきで、やれ「警備員が必要」だとか、やれ「セキュリティシステムがどうのこうの」というような昨今の状況に関して、誰も異常なことだと考えないのか不思議である。
こういう世相のもとでPTSDを理由に慰謝料をせしめるとはいただけない。
急に被害児童とその父兄への同情心が失せてしまった。
慰謝料が欲しければ犯人か、その家族から貰って欲しい。
なぜ我々の税金(この学校は国立)から支払わなければならないのか私には理解できない。

そもそもPTSDという精神疾患についてはさまざまな意見がある。
最近特に言われるようになってきたのは「PTSDなんて病気はない」という考え方だ。
もともとPTSDはベトナム戦争帰還兵の精神状態を表現するのに使われ出した病名であることが知られている。が、実はこれ、米国の精神病の医者が金になると思いつき、創作した病名であることがわかってきた。
「強いストレスがトラウマとなり、不眠や幼児回帰、鬱などのPTSDの症状を引き起こしている」と言われると、さもホントのように思ってしまう。
テレビや小説、映画などがPTSDをネタにして、多くの物語を創作し、さも現実のように描いていることも影響しているだろう。

レイプされたベトナム難民の女性たちは力強く生きていた。
私の何人かの伯父や祖父は兵士として戦争に出征しているが、トラウマ、なんて聞いたことがない。
広島に実家のあった叔母の一人は原子爆弾の被害に遭ったが、トラウマなんて言わなかった。

ともかくPTSDにかこつけて、国に金を集るのは止めていただきたい。

羽田沖と尼崎

2005年04月26日 23時00分41秒 | 社会
1982年2月9日。日本航空DC8型機が羽田空港へ着陸する寸前に墜落した。操縦していた機長が飛行中にエンジンを逆噴射させたのが原因だった。
「機長!なにするんですか!」
と副操縦士が叫び声を発したとが新聞テレビで盛んに報道されて印象に残っている。
結局日航の機長は精神疾患を患っていて、それが高じて操縦中に信じられない衝動的な行動をとったいう結論に達した。
死者24名。100名以上の重軽傷者を出した。

昨日、JR宝塚線の大阪方面行きの快速電車が尼崎駅へアプローチしていくカーブの入り口で脱線転覆した。しかも死傷者が500名を越える大惨事となった。いったい何人の犠牲者が出ているのか、今現在も電車内に閉じこめられて救出されない人たちがいるだけにまったく分からない。

報道によると、脱線した電車は伊丹駅を1分30秒遅れで発車したということだが、その遅れの原因の一つが伊丹駅に停車するときオーバーランをしたというのだ。
伊丹駅のホームで止まりきれず7メートル行き過ぎて停止した。(実際は40メートルであったらしい)
運転していたのはキャリア11ヶ月の若葉マークの運転手。
この23歳の運転手は過去になんどか職務上の問題を起こし、処分されている経歴を持っていることが明らかになっている。
車掌勤務であったころ、勤務中に居眠りしているところを乗客に指摘され処分を受けたり、数カ月前にも大きなオーバーランを起こしてしまい処分されている。
今回も脱線を起こす直前の指令センターからの呼びかけにまったく応じなかったという。

これらの報道を整理すると、精神疾患を抱えていた運転手だったのではないかと思われてきたのだ。
そこで思い出したのが20年前の日航機事故というわけだ。

心身症。
当時はそう呼んでいた。

この事故をきっかけにパイロットのメンタルケアが重視されだした。
飛行機はパイロットが乗客の生命を握るリスクの高い乗り物だからだ。
鉄道にはそこまで意識が回らなかったのか、それとも回っていたが、見つけることが難しかったのか分からない。
制限速度70km/hのカーブに100km/h以上で突っ込んだのだから、やはり運転手に何かあったのだろう。
ともかく今回の事故での死者は現在74名。列車の中には生命反応のない十数名の乗客とみられる人たちが確認されている。

すくなくとも20年前の航空機事故は鉄道事業には活かされていなかったのが残念だ。

ベストセラーを疑え!

2005年04月25日 21時06分34秒 | 社会
毎週新聞に発表される「店頭販売の書籍ベストセラー」を疑え、などというのは、今さら何?というところだろう。しかし読書人口が減っているとワイワイ騒ぐ活字で飯食うマスコミおよび出版社に私は一言いいたい。

首都圏や大阪などの大都市の主な書店のベストテンが毎週末にいくつかの新聞紙上で発表されている。
だいたい人気作家の作品や芥川賞や直木賞、ミステリー大賞なんて文学賞を受賞したての作品がリストアップされていて、ブームに乗ったハウツー本やビジネス本がそれに続く。

このコラムでも紹介した「問題な日本語」もいくつかの書店では第一位を獲得していて、巷に溢れる日本語ブーム(なぜこれを国語ブームと言えないのか、私は不満を感じている)を代表する一冊になっている。
新書も変わらず好調のようで、その代表本である「バカの壁」も初版が発行されてからかなり経つのに未だにベストテンに登場している。

読書人口が減ったとはいえ、やはり日本文化の基礎は活字文化。
世界で最も長い自国文学の歴史を持つ国の一つとしてそう簡単に書籍から遠ざかることはできないだろう。

しかし、このベストテン。いやベストセラー。納得できない書籍が必ず数冊ランクインしているのだ。
もちろん買う人が多いからランクインしているのだろうけど、買う人イコール読む人なんてとても断言することなどできないのだ。
この納得できない本はどういうものかというと、新興宗教やカルトに関係している「トンデモ本」だ。
この新興宗教の指導者が執筆した生活指南書、生き方本の類いは、数ヶ月に一冊の割合で新刊が発行されている。
人気絶頂の売れっ子作家でも数ヶ月に一冊なんてとても書けないに決まっている。
絵本や「もしも世界が100人の村だったら」のような、活字が大きくて使用している紙質が厚いものなら短期間で出版できるかも知れない。しかしそれとて企画から出版まで半年はかかるはずだ。

はっきり言って、教団内のゴーストライターが教祖の名前で大量執筆した内輪の満足本など、書籍の「ベストテン」にも「ベストセラー」にも書き加えて欲しくない。
この種の本の内容はどういうものか、申し訳ないが読んだこともないし、読みたいとも思わないのでまったく知らない。
胡散臭い連中が教団の売名のために自ら書いて自ら買っている自慰のようなトンデモ書籍を、一般人の目に触れる本当の書籍ランクに入れないでもらいたくない。

活字媒体に触れる人を増やしたいのなら、活字媒体の信頼度を上げるためにも特定書店で大量買い込みされるような組織買いの対象書籍は売れ筋書籍のリストから除外せよ。

弁当持ち込み

2005年04月04日 20時54分09秒 | 社会
始まったばかりの愛知万博で、入場者からの不満が爆発。何もしないことで有名な小泉の純ちゃんも、これはさすがにひどすぎると、ステートメントを発表した。
「弁当ぐらい持ち込めるようにしなさい」と。

愛知万博は9.11同時多発テロ後、初めて開催される国際博ということで、警備は厳重、いつ発生するかもしれないテロルに対して万全(主催者いわく)な体制をとっている。
このテロルを警戒して、会場内に会場外から入場者が食べ物と飲み物を持ち込むことが禁止された。
博覧会の委員さんたちの頭には食べ物や飲み物はテロ行為に結びつく危険性のあるものと思えるらしい。私はてっきりど会場内に出店した飲食店から高いマージンを徴収しているので、それをより効率的に受け取るための方策なのかなと想像していたが、違ったようだ。

それにしても、なぜ観客が持参する弁当がテロの小道具になるのか判断しにくい。
爆発したり、細菌をばらまいたりする弁当なんかがあるのだろうか。
「食中毒を起こされては困るから」
というのも理由の一つ。
「それなら飲食店の食事は食中毒になる心配はないというのか」と、お尋ねしたくなるのも人情だ。
確かに博覧会の開催期間はほとんどが暑い夏期にあたる。7月から9月までは最高温度は摂氏30度を超えるだろう。
だからといって、弁当がすぐ腐るというのは愚かな考え方ではないだろうか。
もしかすると、博覧会に来る観客はバカばかりだから、腐る弁当しか考えつかない、とお高い感性と知性の持ち主である委員会の方々は考えているのかもしれない。

博覧会の入場料は大人一人4600円。中高生は2500円。小学生は1500円。
あまりに高いので、公式ホームページでも、なかなか料金表示がなかなか見つからないようになっている。
いくら博覧会といったところでアトラクションやエンタテイメントのレベルからすると、きっとTDLやUSJには勝てないだろう。
その常設最強のTDLやUSJでも弁当持ち込みは可能と聞いている。(筆者はTDLには行ったことがなく、USJには頻繁に行くものの、いつも仕事なので客として入ったことがないので、よく知らない)
にも関わらず、博覧会へ家族と出かけて、入場料に何万円も支払って、さらにバカ高い場内のレストランで金を使えというのは酷ではないか。
だいたい、今回の博覧会は「愛・地球博」。
愛する家族のや恋人の作った弁当は、人の心にも、環境にもピッタリではないか。これぞ博覧会のコンセプトに符合する。

飲料水は、ガソリンなどを持ち込まれたら困るので、認められることはなかったが、弁当に限っては石頭の博覧会の委員会も認めざるをえなかった。
しかし、一国の首相がわざわざ指示しなければならないような問題か。はなはな疑問である。

ロシアの人質

2004年09月02日 22時29分52秒 | 社会
ロシアでまたまた「テロリスト」による人質事件が発生。
どういうわけかテレビではあまり報道されていないようですが現地の学校では300人の人質がとられ、未だ解決の糸口さえ見えません。
犯人の「テロリスト」はチェチェン独立を主張する犯罪者集団らしい、ということで先週の連続航空機爆破、昨日朝の地下鉄駅爆破と関連しているようで。
ところでこの「テロリスト」という言葉。人質になっている人や世間一般に対して誠に言いにくいのですが、彼らは本当にテ
ロリストなんでしょうか?
確かに年端もいかぬ無関係な子供の命を盾に「チェチェンからロシア軍は出て行け」と要求するのは大人げない。その姿は犯
罪者そのもの。世界中から避難されても仕方がない。
しかし、チェチェンとロシアの関係の歴史は詳しく知らないので、触れることはよした方がいいでしょうが、もし、チェチェ
ンがロシアの武力を伴った強烈な弾圧に喘いできた歴史を持ち、それに反発する唯一の方法が爆弾テロや人質事件であるのであ
れば、それは果たして「テロ行為」と言ってもいいのかな?

ロシアがソビエト時代から、その周辺諸国で行ってきた悪逆非道は周知の事実。
敗戦日本人のシベリア抑留などほんの序の口。
1968年のプラハの春や1978年(間違えているかも)のアフガン侵攻、バルト三国への締めつけ、などなど。
帝政時代から他国を侵略、蹂躙して国土を広げ、他民族を膝まづかせてきたのがこの国のやり方。
今回の事件も簡単にとらえることのできないのが、この国の事情。だからメディアも大きく取り上げないのかな。で、待てよ。この国によく似た国が隣にあるぞ。

数年後にはチベットやウィグルが未来のチェチェンになるかも知れません。