小学生の頃、マクドナルドのハンバーガーのことを「猫肉バーガー」とよく噂したものだ。
この猫肉説は私の周囲(大阪)だけの話ではなく、全国的な都市伝説となっていたようだ。
今はその出所を是非とも知りたいと思っているところなのだが、ま、無理だろう。
テレビで「マクドナルドは100%ビーフ」なんてコマーシャルが流されるようになったのも、きっとその都市伝説が原因なのかもわからない。
猫肉バーガー説はともかく、マクドナルドに代表されるファーストフードの評判は千差万別だ。
「店が清潔」
「おいしい」
「早い」
「機能的で健康的」
「安い」
などなど。
しかし、これらの評価のうち、どれが本当でどれが本当でないのか。
私たち消費者はホントのところをまったく知らない。
草思社刊「おいしいハンバーガーのこわい話」はファーストフードの誕生とビジネススタイル、そして普段は目に見えていない深刻な問題点をさらけ出したノンフィクション。
かなり衝撃的な内容だ。
マクドナルドの創業にまつわる話は前半の最も興味をそそる部分だが、後半の巨大ファーストフードチェーンが世界に及ぼした影響は面白い、というよりも恐ろしく、そして腹立たしくもある。
そしてビジネス優先の経営方針がいかに消費者と生産者をバカにしたフィロソフィを含んでいるのか、めまいがしてきそうになってしまう。
超劣悪な環境で飼育される家畜。
なかでもチキンナゲットになるために生まれ、そして死んで行く鶏が、短期間で超肥満に育てられるため毎日のように「肥満性心臓麻痺」で死んでしまうというエピソードは思わず本を伏せたくなるほど衝撃的だ。
残酷な処刑方法で処理される家畜たち。
そして危険と隣り合わせのその職場で低賃金で働かされている労働者。
どれもこれも巨大チェーンが生み出した暗黒世界で、私たちはそのような裏面を知らずに低栄養価で高カロリーのハンバーガーやポテトに舌鼓を打っているわけだ。
そういば、今年私がシカゴへの短い出張から戻ってきて間もなくアメリカ南部の農園労働者がシカゴにあるマクドナルド本社にデモンストレーションをしたという報道を思い出した。
なんと、彼らの栽培するトマトの値段は百キロ以上でビッグマック一個分なのだという。
大好きなシンガーソングライターでピアノ弾きの谷村有美のライブへ行くとロビーでは日本ロナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティ基金の募集をしている。
実は彼女の旦那さんは日本マクドナルド会長の原田永幸氏なのだ。
しかし、本書を読むと、マクドナルドの社会福祉基金なんていうものは、ちゃんちゃらおかしいことに思えてしまい悲しい気分になってくるのだった。
~「おいしいハンバーガーのこわい話」エリック・シュローサー、チャールズ・ウィルソン著 宇丹貴代実訳 草思社刊~
この猫肉説は私の周囲(大阪)だけの話ではなく、全国的な都市伝説となっていたようだ。
今はその出所を是非とも知りたいと思っているところなのだが、ま、無理だろう。
テレビで「マクドナルドは100%ビーフ」なんてコマーシャルが流されるようになったのも、きっとその都市伝説が原因なのかもわからない。
猫肉バーガー説はともかく、マクドナルドに代表されるファーストフードの評判は千差万別だ。
「店が清潔」
「おいしい」
「早い」
「機能的で健康的」
「安い」
などなど。
しかし、これらの評価のうち、どれが本当でどれが本当でないのか。
私たち消費者はホントのところをまったく知らない。
草思社刊「おいしいハンバーガーのこわい話」はファーストフードの誕生とビジネススタイル、そして普段は目に見えていない深刻な問題点をさらけ出したノンフィクション。
かなり衝撃的な内容だ。
マクドナルドの創業にまつわる話は前半の最も興味をそそる部分だが、後半の巨大ファーストフードチェーンが世界に及ぼした影響は面白い、というよりも恐ろしく、そして腹立たしくもある。
そしてビジネス優先の経営方針がいかに消費者と生産者をバカにしたフィロソフィを含んでいるのか、めまいがしてきそうになってしまう。
超劣悪な環境で飼育される家畜。
なかでもチキンナゲットになるために生まれ、そして死んで行く鶏が、短期間で超肥満に育てられるため毎日のように「肥満性心臓麻痺」で死んでしまうというエピソードは思わず本を伏せたくなるほど衝撃的だ。
残酷な処刑方法で処理される家畜たち。
そして危険と隣り合わせのその職場で低賃金で働かされている労働者。
どれもこれも巨大チェーンが生み出した暗黒世界で、私たちはそのような裏面を知らずに低栄養価で高カロリーのハンバーガーやポテトに舌鼓を打っているわけだ。
そういば、今年私がシカゴへの短い出張から戻ってきて間もなくアメリカ南部の農園労働者がシカゴにあるマクドナルド本社にデモンストレーションをしたという報道を思い出した。
なんと、彼らの栽培するトマトの値段は百キロ以上でビッグマック一個分なのだという。
大好きなシンガーソングライターでピアノ弾きの谷村有美のライブへ行くとロビーでは日本ロナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティ基金の募集をしている。
実は彼女の旦那さんは日本マクドナルド会長の原田永幸氏なのだ。
しかし、本書を読むと、マクドナルドの社会福祉基金なんていうものは、ちゃんちゃらおかしいことに思えてしまい悲しい気分になってくるのだった。
~「おいしいハンバーガーのこわい話」エリック・シュローサー、チャールズ・ウィルソン著 宇丹貴代実訳 草思社刊~