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クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

カンブルラン+読売日響でブルックナー「交響曲第6番」、ブリテン「ピーター・グライムズ」から「4つの海の間奏曲」他を聴く / 「そういう人も必要だね」~作曲家・望月京さんのエッセイから

2018年01月15日 07時50分09秒 | 日記

15日(月)。わが家に来てから今日で1202日目を迎え、日本相撲協会が13日、国技館で臨時理事会を開き 若手行事にセクハラ行為をした式守伊之助に対し 3場所出場停止の懲戒処分を言い渡した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

        式守伊之助の呼び名を 色盛慰之助 に変えた方がよくね?  自宅謹慎らしいけど

 

          

 

土・日の料理はお休みですが、昨夕は息子のリクエストで海鮮丼をつくりました  ご飯の上に焼海苔を乗せて刺身を並べるだけなので とても料理とは言えませんが、まあ 固いこと言わないで  あとはアサリの味噌汁です

 

     

 

          

 

13日の日経夕刊・くらしナビ欄のコラム「プロムナード」に作曲家の望月京さんがエッセイを寄せていました 超訳すると

「日本語では『さっきょくか』と聞けば、適合する漢字を想像し『曲を作る人』か と誰もが即座に推定できる  しかし、フランス語では『作曲』に相当する言葉の語意は『構成』に過ぎない  『作曲』という言葉は『曲作り』以外の意味を持たないので、どことなく自由で感覚的な行為のイメージがあるが、『コンポジション』(構成)には、諸要素(音楽の場合には、音程、音域、リズム、音色など)の配合によって構成されたひとつのものという合意がある  20年近く昔、フランス西部の田舎の友人宅で新年を迎えた時のこと、近隣の牧場にミルクを買いに行ったら『何してる人?』と聞かれた。『作曲家』と答えて通じなかったのは想定内  『音楽を作っているんです』という私の補足に、酪農家のおじさんは数秒の沈黙ののち、『そうだね。そういう人も必要だね』と頷いた  作曲家なんて、いなくても皆生きていけるけど、大地に根差したお墨付きをもらったような気がして深く感動した。今年もここで地道に頑張ろう!とじんわり心に誓った

女性の現代音楽の作曲家で唯一名前を覚えているのは望月京(もちづき  みさと)さんです もう十数年前になりますが、彼女の作品が読売日響で演奏された(何かの賞の受賞記念だったかも)のを聴いたのですが、現代音楽にも関わらず、ユーモアさえ感じさせる面白い曲で とても印象に残りました  

上のエッセイにある酪農家のおじさんの「そうだね。そういう人も必要だね」というセリフはジンときますね それを聞いて感動し、決意を新たにする望月京さんにもジンときました

 

          

 

一昨日の午後6時からサントリーホールで読売日響第574回定期演奏会を聴きました プログラムは①ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」から「4つの海の間奏曲」、②ヴィトマン:クラリネット協奏曲「エコー=フラグメンテ」(日本初演)、③ブルックナー「交響曲第6番イ長調」です ②のクラリネット独奏は作曲者のイェルク・ヴィトマン、指揮はシルヴァン・カンブルランです

 

     

 

オケのメンバーが配置に着きます。いつもの並びで、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成です  客員コンマスは現在 神奈川フィルのコンマスでウェールズ弦楽四重奏団メンバーでもある﨑谷直人です。チェロ首席に富岡廉太郎がスタンバイしているのでウェールズSQから2人が揃ったことになります

1曲目はベンジャミン・ブリテン(1913-1976)の歌劇「ピーター・グラウムズ」から「4つの海の間奏曲」です オペラの6曲の間奏曲から4つが選ばれ、それぞれ次のタイトルが付けられています。第1曲「夜明け」、第2曲「日曜の朝」、第3曲「月の光」、第4曲「嵐」です

歌劇「ピーター・グライムズ」は新国立オペラで観ましたが、北海沿いの漁村が舞台で、漁師ピーター・グライムズは粗野な性格のため村人たちから疎外され、周囲との軋轢から悲劇が生まれるという暗い内容です

カンブルランが指揮台に上がります。彼のタクトで、太陽に照らされた海の波の揺らめき、月明かりに照らされて緩やかに揺れる波の様子、荒れ狂う海の波の様子が描かれます 演奏を聴いていて、それらの様子が目に浮かぶようで「絵画的な作品だな」と思いました

2曲目はドイツの現代作曲家でクラリネット奏者でもあるイェルク・ヴィトマン(1973~)の「クラリネット協奏曲『エコー=フラグメンテ』」日本初演です この作品は2006年にバーデン・バーデン&フライブルクSWR響の委嘱で作曲され、ヴィトマンの独奏、当時同楽団の首席指揮者だったカンブルランにより初演されました

弦楽器のスペースを中心にステージが大幅に模様替えされます この曲は モダン(443ヘルツ)とバロック(430ヘルツ)のピッチの異なる2群のオーケストラが 対向配置となって演奏され、独唱クラリネットが絡んでいくという形をとります。向かって右側にバロック群、左側にモダン群がスタンバイし、バロック群にはナチュラルホルンとバロックオーボエが弦楽器と共に配置され、モダン群にはクラリネット群が弦楽器と共に配置されます バロック群のヴァイオリンのコンマスはバッハ・コレギウム・ジャパンの第2ヴァイオリン首席・高田あずみさんです

ヴィトマンが登場しステージ中央で演奏を開始します。曲はクラリネットのあらゆる技巧を披露するかのように、息の長い旋律、極端な強弱の変化や速度転換を伴いながら超絶技巧により進行します はっきり言って、なぜオケをモダンとバロックに分けてまで演奏するのか意味が良く分かりませんでした それはおそらく、作曲者が仕掛けた巧妙な意図に私の脳が反応できなかったからだと思いますが、緊張感を強いられるばかりの現代音楽はどうも苦手です

 

     

 

プログラム後半はブルックナー「交響曲第6番イ長調」です この曲はブルックナーの他の交響曲と違って2つの特徴があります 一つは、多くの作品が完成後に自身による修正や弟子たちによる改訂が施されている(ハース版、ノヴァーク版など)のに対し、この作品は変更や修正がないということです もう一つは、多くの作品が弦楽器のトレモロによって神秘的に開始されるのに対し、ヴァイオリンによる明確な同一リズムの反復で開始されるということです さらに付け加えれば、後期の交響曲が「神」の存在を感じさせる荘重な音楽なのに対し、この曲は極めて人間的な明るい音楽だということです この曲は第1楽章「マエストーソ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「スケルツォ」、第4楽章「フィナーレ」の4楽章から成ります

カンブルランのタクトで第1楽章が開始されます 分厚い管弦楽の波が2階席にも押し寄せてきて、身体に振動が伝わってきます ブルックナーの交響曲はブラスの活躍が期待されますが、ホルンの日橋辰朗をはじめ、トロンボーン、トランペット、チューバの演奏が素晴らしい これは第1楽章に限らず全楽章に言えることです また、フルートの倉田優、オーボエの辻功といった木管楽器も素晴らしい 弦楽器群の厚みのあるアンサンブルは特筆に値します とくに第2楽章「アダージョ」の重厚感溢れる音楽は聴きごたえがありました

こういう大管弦楽曲は、家でチマチマ聴いたり、ヘッドホンで聴いたりすべき音楽ではありません やはりコンサート会場で生の演奏を聴いて初めて作曲家の意図するダイナミズムが伝わってきます 「音のシャワーを浴びる」といった感覚はライブならではです

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