人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

マーク・ウィグルスワース+ジェニファー・パイク+東響でシベリウス「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」、ブルックナー「交響曲第4番”ロマンティック”」を聴く

2018年04月01日 08時08分30秒 | 日記

4月1日(日)。全国的に今日から2018年度が始まります 心機一転、言うこと二転三転、四の五の言わずに新年度も頑張りましょう

ということで、わが家に来てから今日で1278日目を迎え、在来種のカマキリを駆逐するおそれがある外来種の「ムネアカハラビロカマキリ」の卵が 中国産の竹ぼうきに付いて海を越え侵入してきた可能性が高いことが分かった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      箒に隠れて来日するとは超箒的措置だけど 見つかったら権利を放棄してもらう

 

             

 

昨夕、サントリーホールで東京交響楽団の第658回定期演奏会を聴きました プログラムは①シベリウス「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」、②ブルックナー「交響曲第4番変ホ長調”ロマンティック”」です ①のヴァイオリン独奏はジェニファー・パイク、指揮はマーク・ウィグルスワースです

 

     

 

オケのメンバーが配置に着きます。弦は左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります。コンマスはグレヴ・二キティンです

1曲目はシベリウス「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」です この曲はシベリウスが作曲した唯一のヴァイオリン協奏曲ですが、彼はプロのヴァイオリン奏者を目指していただけあって、かなり技巧的な作品です 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ・ディ・モルト」、第3楽章「アレグロ・マ・ノン・タント」の3楽章から成ります

銀のラメ入りの白っぽいドレスを身にまとったイギリス出身のジェニファー・パイクが登場し、ステージ中央でスタンバイします 彼女は12歳でBBCの「ヤング・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるなど、少女時代から頭角を現していたヴァイオリニストですが、2012年にはオックスフォード大学を首席で卒業しているので かなりの才媛でもあります

イギリス出身のウィグルスワースのタクトで第1楽章に入ります。この楽章は、ソリストによっては「北欧の冷たい空気を感じさせる」という”形容詞”が似合う演奏をしますが、ジェニファー・パイクは、むしろ温かみのある演奏をします 全楽章を通して感じたのは「ノーブルな演奏」です その意味は彼女の演奏スタイルがこれ見よがしのところがなく、自然体で音楽を奏でているからです その上、ヴァイオリンから出てくる音はノーブルそのものです ヴァイオリンは非常に美しい音で、プログラム・ノートで使用楽器を確かめたら1708年製マッテオ・ゴフリラーと書かれていました。初めて目にする楽器名ですが、名器であることには間違いないでしょう

ジェニファー・パイクは、会場いっぱいの拍手にバッハの「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」から第3曲「サラバンド」を、これもまたノーブルに演奏し 大きな拍手を浴びました

さて、演奏そのものは楽しめたのですが、第1楽章の途中から第3楽章の中盤まで、1階後方左ブロック右通路側の客のケータイのマナーモードの「ブーブー」という着信音が断続的に鳴り続けていて、うざったいことこの上ありませんでした 犯人は自分であることが分かっていながら音を止めないのが不思議でなりません こういうヤカラは「休憩後は二度と席に戻らない」という不文律がありますが、彼も戻りませんでした

 

     

 

休憩後はブルックナー「交響曲第4番変ホ長調”ロマンティック”」です ブルックナー(1824-1896)はいつも自作に自信を持てずにいるような人でしたが、この曲も改訂に次ぐ改訂を繰り返しています 1873年12月31日に交響曲第3番の第1稿を完成し、翌1874年1月2日に第4番の作曲に取りかかっていますが、1878年には第1~3楽章の改訂を、1879~1880年には第4楽章の改訂を、さらに1888~89年にも改訂を加えています。第1楽章「動きを持って、速すぎず」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「スケルツォ:動きを持って」、第4楽章「フィナーレ:動きを持って、しかし速すぎず」の4楽章から成ります

オケが拡大しフル・オーケストラ態勢になります。ウィグルスワースのタクトで第1楽章が開始されます 弦のトレモロにのってホルンがテーマを奏でますが、この場面は演奏する側はもちろんのこと、聴いている側も緊張します 何とかクリアして一安心します ウィグルスワースはやや速めのテンポで音楽を進めますが、全体を通して流れを大切にした演奏スタイルだと思いました この曲では金管楽器が大活躍しますが、ホルンが若干不安定な箇所が散見されたのが気になりました 木管楽器では甲藤さちのフルートが抜群の存在感を示していました

聴き終わって、つくづく思うのは、こういう曲は家や電車の中でイヤホンを通して聴くような音楽ではない、ということです 「音のシャワーを浴びる」という言い方がありますが、マーラーやブルックナーの交響曲を聴く時はまさに「音のシャワーを浴びる」というのがピッタリです。オーケストラから発せられたパワーが、身体に直接伝わってくるような感覚を覚えます 演奏が優れていれば尚更です

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