人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

原節子16歳の主演映画「新しき土」「河内山宗俊」を観る~新文芸坐

2016年01月23日 07時50分42秒 | 日記

23日(土)。わが家に来てから482日目を迎え、踊り疲れて倒れた白ウサちゃんのために救急車を要請するモコタロです

 

          

           だれか119番して下さい ”転倒虫のサンバ”を踊ったらしい

 

  閑話休題  

 

昨日は、夕食に「鶏もも肉の照り焼き」と「生野菜とワカメと白すのサラダ」を作りました 「鶏もも肉」は醤油と砂糖のタレをかけて焼くとフライパンが焦げ付きやすくなりますね。何とかなりませんかね  娘の食後の感想は「超おいしい」でした

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、池袋の新文芸坐で原節子主演映画「新しき土」と「河内山宗俊」の2本立てを観ました 「新しき土」は原節子がデビュー間もない16歳の時に主演した、ドイツのアーノルド・ファンクと日本の伊丹万作の共同監督による1937年 日本初の国際合作映画です

 

          

 

欧州留学が終えてドイツ人女性ジャーナリストとともに帰国した輝雄(小杉勇)は、ずっと待ちわびていた許嫁の光子(原節子)と父の巌(早川雪洲)に温かく迎えられる 輝雄は子供時代に養父・巌に育てられ光子と兄妹のように育てられたのだった。しかし、西欧で”個人の自由”を学んできた巌は”許嫁”という日本的な慣習に反発し大いに悩む 輝雄の心の変化に絶望した光子は、花嫁衣裳を胸に抱き、噴煙を上げる険しい山にひとり登り始める 実の両親を訪ねたり、日本各地を訪ねたりするうち日本の良さを再発見した輝雄は、光子の失踪に驚き、彼女を追って山に登る

 

          

 

原節子の演じる光子は、典型的な美しい日本人女性です 先日の朝日のコラム「ニュースの本棚」に横尾忠則氏が「原節子の美」について次のように書いています

「原節子の美しさについて佐藤忠男は『純潔さ、まじめさ、健気さ、気高さ、やさしさ』と『永遠のマドンナ 原節子のすべて』でさらりと、しかしズバリとその本質を語る

これ以上、適格な言葉はないかもしれません

この映画では、輝雄とドイツ人女性ジャーナリストが語る背景に、日本の旭日旗やドイツのハーケンクロイツの旗が飾ってあったり、光子の父・巌が日本を紹介するのに「日本は天皇の国です。日本人は天皇家のためにあります」と語るシーンがあったり、「日本は人口の割りに国土が狭い。広大な満州を開拓しなければならない」というナレーションが入ったり、当時の日本を取り巻く世界情勢が垣間見られるシーンが少なくありません

この映画は、山田耕作が音楽を担当しています 全編を通じて「さくらさくら」「荒城の月」などお馴染みのメロディーが流れますが、大阪の街並みを映しているのに「東京音頭」が流れるシーンがあり、思わず苦笑してしまいます 山田耕作がついていながら何とかならなかったのか、と思います

さて、2本目は「河内山宗俊」です この映画は山中貞雄監督による1936年制作の作品です。甘酒屋の可憐な少女・お浪(原節子)を救うため、居酒屋に居候する河内山宗俊(河原崎長十郎)と、用心棒の金子市之亟(中村翫右衛門)が獅子奮闘する物語です ある日、お浪が、不良の弟・広太郎の借金のために身売りすることになったことを知った宗俊と市之亟は手を組んで彼女の救出に向かう。二人は、広太郎を姉のお浪の下へ行かせるため、追手を阻んで自ら犠牲になる

 

          

 

この映画で原節子を見初めたアーノルド・ファンク監督は「新しき土」のヒロインに抜擢したといいます。いかにも”清楚”で”純真”という形容詞がぴったりの女性です

この映画を観て一番驚いたのは、宗俊と市之亟が追手と闘いながら逃走する場面で流れていた音楽です まさか1936年制作の日本映画でチャイコフスキーの「幻想序曲『ロメオとジュリエット』の音楽が流れるとは思いもしませんでした モンタギュー家とキャピュレット家との激しい闘いを表す部分の音楽ですが、これがピッタリはまっています

これだから映画は面白いのです。何が出てくるか分かりません

 

          

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