人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「クラシック界 変わる『王道』 ショパン・コンクール 多彩な入賞者」~ 朝日新聞の記事から / Netfrixでジュゼッペ・トルナトーレ監督「ニュー・シネマ・パラダイス」を観る

2021年11月06日 19時26分13秒 | 日記

6日(土)。わが家に来てから今日で2492日目を迎え、川勝平太静岡県知事は10月24日投開票の参院静岡選挙区補選の応援演説で、候補者の出身地である浜松市と対立候補が市長を務めた御殿場市を比較する中で、「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない。だから飯だけ食って、それで農業だと思っている」と発言し 100件の抗議が寄せられた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     相手陣営は「浜松市はヤマハとカワイとウナギパイしかない」と言ったかどうか?

 

         

 

昨日の朝日新聞朝刊 社会面に「クラシック界  変わる『王道』 ショパン・コンクール  多彩な入賞者」という見出しによる同社・吉田純子編集委員の記事が掲載されていました 超訳すると、

「話題に事欠かなかった第18回ショパン国際ピアノコンクールは、オンラインが日常化したコロナ禍の世界に、極上のエンターテインメントとして供された これまで限られた人々の間だけで共有されてきた『秘境』の風景が、ネットを通じて一気に万人に開かれた 『順位』という権威を礎にした旧来の音楽ビジネスのあり方にも一石を投じた 著述家の湯山玲子さんは「ユーチューブの定着とともに、コンクールは完全にエンタメ化した。誰もが(ショパン・コンクールの)参加者を、まるでアスリートのように応援していた 権威のある先生に教わり、東京藝大や桐朋学園大を受験し、それからコンクールを受けたり留学したりするこれまでの日本の音楽業界を支えてきたシステムが、バラエティーに富んだキャリアを歩む参加者たちの出現によって突き崩された」と指摘する。そんな地殻変動の象徴的存在となったのが、2位入賞の反田恭平さんだ。演奏家の横のつながりを機動的に作り、オーケストラを結成し、自ら新たなCDレーベルまで立ちあげた コロナ禍で他に先駆け、オンライン演奏会をプロデュースしたのも反田さんだった。本選直前の第3次予選まで進んだ角野隼斗さんは、ユーチューブでも「Cateen(かてぃん)」の名で活躍中で、登録者数85万、総再生回数9千万という世界的なインフルエンサーだ 音大には行かず、東大を卒業。3年前から本格的にピアニストの道を歩み始めた。彼らに限らず、様々な規格外の才能は、これまで既存の業界から『王道(本流)ではない』という不名誉な烙印を押されがちだった しかし、今回のショパン・コンクールでは、彼らの無二の個性はネットを通じ、そうした烙印とは一切無関係に、無数の『観客』に多様なかたちで見出された そして、これまで音楽業界を生き抜くための『印籠』で在り続けてきた順位をはるかに超える強いインパクトを世界に与え、独自の活動の基盤を築くに至ったのだ

これを読んで、へそ曲がりな私は考えます 審査員のみならず世界中の人々を興奮の渦に巻き込んだ上記の2人の実力は認めるにしても、それでは今回のショパン・コンクールの優勝者ブルース・リウさん(カナダ)、反田氏と同じく第2位入賞のアレクサンダー・ガジェブさん(イタリア・スロベニア)、第3位入賞のマルティン・ガルシア・ガルシアさん(スペイン)、そして第4位入賞の小林愛実さんの場合はどうなのか まだ「王道」を突き崩すまでには至っていないのではないか ただ、「『順位』という権威を礎にした旧来の音楽ビジネスのあり方に一石を投じた」というのはその通りだと思います 今回のコンクールでは2位と4位に各2人ずつ入賞していますが、いったい順位付けにどれほどの意味があるのかと疑問が湧いてきます。順位付けしなければコンクールの意味はない、という理屈は分かりますが

 

         

 

Netfrixでジュゼッペ・トルナトーレ監督「ニュー・シネマ・パラダイス」(1988年製作・124分)を観ました この映画は原田マハ著「キネマの神様」(山田洋次監督により映画化された)を読んだとき、作中この映画が「映画愛にあふれた映画」として登場し、是非観たいと思った作品です やっと願いが叶いました。Netfrix はありがたい媒体です

映画監督として成功を収めたサルヴァトーレ(ジャック・ぺラン)のもとに、故郷のシチリアに住む母親から、老いたアルフレード(フィリップ・ノワレ)の死の知らせが届く 彼の脳裏に「トト」と呼ばれた少年時代や多くの時間を過ごした「パラダイス座」の映写技師アルフレードとの友情が蘇ってくる

幼いサルヴァトーレ少年「トト」が暮らすシチリアの小さな村では、教会を兼用した小さな映画館が村の唯一の娯楽施設だった 新作映画が封切られると、村人たちは映画館に集まりスクリーンに声援を送ったが、本来あるべきラブシーンを教会の厳格な司祭がカットさせた箇所ではブーイングを鳴らすのが常だった 映画に魅せられたトトは、何度も映写室に入り込んでいたが、映写技師のアルフレードはトトを叱りながらも親近感を抱いていた トトは見様見真似で映写機の操作を覚えてしまう ある晩、映写中にフィルムの発火事故が発生し映画館は全焼、アルフレードは一命を取り留めたものの失明してしまう トトは新しく建て直された映画館「ニュー・シネマ・パラダイス」で子どもながら映写技師として働き、家計を支えるようになる 青年となったサルヴァトーレはムービーカメラを手に入れ、映画を撮影するようになる 彼は一目ぼれしたエレナとの初恋を経て徴兵されるが、除隊後に帰ると映写室には別の男が座っており、エレナは音信不通になっていた アルフレードはサルヴァトーレに「お前はまだ若い。村にいてはいけない。村を出て帰って来てはならない。人生はお前が観た映画とは違う。もっと困難なものだ」と言い聞かせる。彼はその言葉を受け止めローマに旅立つ。ローマで映画監督として成功し、中年となったサルヴァトーレはアルフレードの葬儀に参列するため、30年ぶりに老いた母親が待つ故郷の村に帰ってくる。そこで彼は「ニュー・シネマ・パラダイス」がすでに閉館し、建物の解体も近いことを知る サルヴァトーレはアルフレードが彼に遺した形見を渡される。そして、ローマに戻り形見のフィルムを上映し 涙する

 

     

 

本作が「映画愛にあふれた作品」であるというのは、よく理解できます    村人たちが教会兼用映画館で映画を観るシーンでは、クラーク・ゲーブル、ジャン・ギャバン、ジョン・ウェイン、チャールズ・チャップリンなどが出演するモノクロ映画を観て、憧れ、笑い、涙する村人たちの姿が映し出されます 映画の先人たちへのリスペクトを感じます

ところで、アルフレードがサルヴァトーレに遺した「形見」は、パラダイス座で上映する際に司祭がカットした数々のキスシーンのフィルムが詰まったフィルム缶でした サルヴァトーレは部下に「フィルムを繋ぎ合わせておいてくれ」と指示し、それを試写室で上映してトトと呼ばれていた幼い頃を、映写技師アルフレードとの交流を思い出して涙したのでした

この映画でもう一つ忘れられない点は、エンニオ・モリコーネの音楽です ストーリーに寄り添った素晴らしい音楽です

なお、Netfrixで上映されているのは「劇場版」と言われる上映時間124分の版ですが、どうやら「完全版」と言われる155分の版があるようです これは、故郷に戻ったサルヴァトーレがエレナに再会するが、なぜエレナが音信不通になったのか理由を聞かされる、というストーリーが追加されているようです これも観てみたいものです


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