人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

アンジェイ・ワイダ監督「灰とダイヤモンド」を観る ~ ショパン「英雄ポロネーズ」も流れる:早稲田松竹

2020年10月13日 07時15分54秒 | 日記

13日(火)。わが家に来てから今日で2203日目を迎え、トランプ米大統領の選挙陣営が最近、米国立アレルギー感染研究所のファウチ所長がコロナについて「これ以上の対策をとれるとは思えない」と語り、トランプ氏を評価したと受け取れる広告を始めたことに対し、ファウチ氏は11日、米メディアで「私の許可を得ていないし、文脈を無視するものだ」と批判した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     支持率で2桁の差を付けられたトランプ陣営は 得意のフェイクで何でもやってくる 

 

         

 

最近、夜寒くなって来たので昨日の夕食は今秋初の「みそなべ」にしました 材料は豚バラ、鳥だんご、キャベツ、しめじ、ネギ、もやし、豆腐です これからの季節、なべ が増えると思います

 

     

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹でアンジェイ・ワイダ監督による1958年製作ポーランド映画「灰とダイヤモンド」(モノクロ・103分)を観ました

時はドイツ軍が連合軍に降伏した1945年5月8日。郊外の閑散とした田舎道で2人の男、マチュク(ズビグ二エフ・チブルスキー)とアンジェイ(アダム・パヴリコフスキ)が礼拝堂の下の草むらに横たわっている。やがて見張りの知らせを受けて2人は起き上がり、マチェクは銃を構え、道を走って来たジープに向かい発砲、乗っていた2人の男を殺す 暗殺の任務を終えた2人はそのまま逃走し町のホテルに入る。バーで酒を飲んでいると 太った男がホテルに入ってくるのに気が付く。フロントで名乗る彼の名前と身分を耳にしたマチェクは顔色を変える 彼こそ、2人が狙っていたソビエトから帰国したシュチューカ共産党地区委員会書記(ヴァ―ツラフ・ザストルジンスキ)だった ワルシャワ反乱軍の生き残りマチェクたちはポーランドのレジスタンスを見捨てたソ連に対し深い憎悪を抱いていたので、その手先であるシュチューカも同罪と考えていた 暗殺に失敗したことを知ったマチェクはシュチューカの隣に部屋を取る。その夜、ホテルではシュチューカの帰国を祝うパーティが町長主催で開かれることになった。ナチスが降伏したこともあり、参加者は羽目を外してバカ騒ぎをする マチェクは暗殺のチャンスを狙いながら、バーの給仕女クリスチナ(エヴァ・クジジェフスカ)と密かに逢引きし、廃墟になった教会で戦争中の思い出を語り合う マチェクは今の仕事から足を洗いクリスチナと人生をやり直したいと思うようになる やがてシュチューカは、幼い頃に手放し、今やマチェクと同様に反ソビエト運動家となっている息子と再会するために外出する マチェクは彼の後を追って外へ出る。シュチューカより前を歩くマチェクは懐からピストルを取り出し振り向きざまに何発もシュチューカに撃ち込む 虫の息になったシュチューカはマチェクに向かって倒れ込み、彼の腕の中で息を引き取る ホテルに戻ったマチェクは血で汚れた体と服を洗い、クリスチナに別れの挨拶をした後、再び外に出て逃亡を図る。しかし、保安隊とぶつかり逃げ出したため、彼らに追われる羽目になる 保安隊の撃った弾が彼の身体に命中した。マチェクは洗濯物の白いシーツが翻る空き地に逃げ込み保安隊から逃れる。傷を押さえながら広いごみ溜めにやってくるが、そこで力尽きて苦しみながら死んでいく

 

     

 

この映画は、イェジ・アンジェイェフスキが1948年に発表した同名小説をアンジェイ・ワイダが映画化した作品です ワイダ監督の「世代」「地下水道」とともに「抵抗三部作」と呼ばれています

この映画は昔、一度は観ているはずですが、映画を観るまでストーリーが思い出せませんでした 初めて観たようなものです

印象的なのは、マチェクがシュチューカを銃殺したあと、突然花火が上がるシーンです この花火は、ポーランドがナチス・ドイツから解放された5月8日を祝う記念の花火だったのです この夜、ホテルでは夜を徹したパーティーが開かれていましたが、最初のうちはウインナ・ワルツが流れていたのに、飲んで上機嫌になった一人の紳士が、楽団に向かって「諸君、わが国の誇るショパンのポロネーズを踊ろうではないか」と叫びます 疲れ果てていた楽団員はしぶしぶ「英雄ポロネーズ」の演奏を始めますが、音程が狂った楽器による不協和音に満ちたポロネーズが流れ、人々はそれに合わせて踊り出します ドイツから解放された記念すべきポーランド復活の日が、疲労感に満ちていたものだったということを暗示しているようです

ところで、タイトルの「灰とダイヤモンド」は、19世紀のポーランドの詩人ツィプリアン・ノルヴィットの詩の一節によります それは、「すべてのものは、みな燃え尽きて灰となるが、それでも、その灰の中に燦然と輝くダイヤモンドが残ることを祈る」という内容です 人違いで殺された2人の男たちは文字通り「灰」になりますが、共産党のシュチューカ書記も、彼を殺したマチェクもダイヤモンドとして残ることは出来ませんでした いったい誰が輝くダイヤモンドとして残ったのでしょうか? この後、世界は米ソの2大強国による冷戦時代を迎えます


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