人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

キュッヒル・クァルテットでハイドン「弦楽四重奏曲第32番、第60番、第79番」を聴く ~ アンコールに5曲も!:サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン

2021年06月25日 07時21分47秒 | 日記

25日(金)。わが家に来てから今日で2358日目を迎え、香港で民主派支持を鮮明にしてきた日刊紙「リンゴ日報」が、中国共産党の主導で反体制的な動きを徹底的にたたくために作られた香港国家安全維持法により、ついに廃刊に追い込まれた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     7月1日の中国共産党結党100周年を迎える前に 香港最後の言論の砦を封殺した

 

         

 

昨日、夕食に「肉野菜炒め」と「ニラ玉」を作りました 肉野菜炒めは牛バラ肉が余っていたので、豚バラを買ってきて混ぜました。美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホール「ブルーローズ」で「サントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン」の一環として開かれた「キュッヒル・クァルテットのハイドン・ツィクルス  Ⅱ」を聴きました    プログラムはハイドンの①弦楽四重奏曲 第32番 ハ長調、②同・第60番 イ長調、③同・第79番 ニ長調 ”ラルゴ”です     キュッヒル・クァルテットのメンバーは、第1ヴァイオリン=ライナー・キュッヒル、第2ヴァイオリン=ダニエル・フロシャウアー、ヴィオラ=ハインリヒ・コル、チェロ=シュテファン・ガルトマイヤーです

 

     

 

1曲目はハイドン「弦楽四重奏曲第32番 ハ長調」です この曲はフランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732‐1809)が1772年に作曲した6つの弦楽四重奏曲(第31番~第36番)の一つです 表紙に太陽の絵が描かれていたため「太陽四重奏曲」と呼ばれています。第1楽章「モデラート」、第2楽章「カプリッチョ:アダージョ」、第3楽章「メヌエット:アレグレット」、第4楽章「フーガ・ア・クァトロ・ソゲッティ:アレグロ」の4楽章から成ります

日本の聴衆にもお馴染みの4人が登場し配置に着きますが、驚いたことにチェロを除く3人は立奏します ハイドンにしてもモーツアルトにしても初期の弦楽四重奏曲は「ディベルティメント」(喜遊曲)と呼ばれており、当時は立ったまま演奏することもあったということを考慮して、キュッヒル氏は立奏することを選択したのかもしれません ヴィヴァルディやバッハなどの曲で立奏は良く見かけますが、ハイドンの弦楽四重奏曲では初めての体験です

チェロから入り他の楽器とのアンサンブルが展開する第1楽章を聴いて、やっぱりウィーン・フィルの音は違うな、と思いました キュッヒル氏の高音が若干キツイところがあるな、と思いましたが、この楽章だけでした 第2楽章は一転「天翔けるヴァイオリン」という感じで、キュッヒル氏のヴァイオリンが良く歌います 第4楽章冒頭のフーガは面白く聴け、アレグロに移ってからの疾走感がたまりませんでした

2曲目はハイドン「弦楽四重奏曲第60番 イ長調」です この曲は1788年に作曲された3つの弦楽四重奏曲の一つです 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「フィナーレ:ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

この曲は第1ヴァイオリンの演奏が突出しています 特に第1楽章は技巧を凝らした演奏が展開し、他の楽器をリードします おおらかな第2楽章を経て、第3楽章のメヌエットでは踊り出したくなるような楽しい演奏です 第4楽章のフィナーレは心地よい疾走感がたまりません

 

     

 

最後の曲はハイドン「弦楽四重奏曲第79番 ニ長調 ”ラルゴ” 」です この曲は1797年に作曲され、エルデーディ伯爵に献呈された6つの弦楽四重奏曲の一つです この曲は第2楽章の「ラルゴ」が有名でこの愛称で呼ばれています

この曲でもキュッヒル氏のリードは変わりませんが、とくに良かったのは第2楽章「ラルゴ」です メイン・テーマをヴァイオリンが、ヴィオラが、チェロが奏でますが、それぞれ味わいのある演奏で楽しめました 第4楽章の軽快な疾走感はハイドンならではです 圧巻のフィナーレでした

7時開演の本公演はこの時点でまだ8時半頃でした 当然アンコールが期待されます。当然ハイドンです

4人が再登場し、楽譜に向かいますが、第2ヴァイオリンのフロシャウアー氏が、どこを演奏するのか分からないという風に楽譜をめくっていると、キュッヒル氏が彼の楽譜のページをめくって、指で指して「ここだよ」と教えるコントがありました そして1曲目のアンコール「弦楽四重奏曲第57番ト長調」から第2楽章を演奏しました 満場の拍手に2曲目に入りますが、またフロシャウアー氏が迷っています しかしキュッヒル氏は呆れた顔をして「自分で解決しろ」とばかりに傍観しています そして2曲目のアンコール「弦楽四重奏曲第38番変ホ長調」の第4楽章「フィナーレ:プレスト」の演奏に入ります 終結部の部分で、演奏が終わったと思って聴衆が拍手をすると、4人は再び続きを演奏し、今度こそ終わったと思っていると、また演奏を再開し、何度か繰り返してやっと終わります 聴衆はやんややんやの喝采(声が出せないので拍手)です キュッヒル氏は「してやったり」の顔をしています ちなみにこの曲には「冗談」というニックネームがついています キュッヒルのライナー級のホームランで盛り上がったところで、アンコールもこれで終わりかと思っていたら、3曲目に同じ第38番から第2楽章「スケルツォ」が、4曲目に同じく第3楽章「ラルゴ」が、そして5曲目に同じく第1楽章「アレグロ・モデラート」が演奏されました 何のことはない、弦楽四重奏曲第38番の全4楽章をシャッフルしてアンコールに演奏したのです しかし、冷静に考えてみると、キュッヒル・クァルテットは金曜日(本日)に第57番を、土曜日に38番を演奏することになっているので、そのゲネプロをアンコールでやり遂げたとも言えます したかかなクァルテットです

アンコールが30分以上続いたため終演は9時を回りましたが、実に楽しいコンサートでした


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