人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ハイドン「”皇帝”四重奏曲」,ベートーヴェン「第13四重奏曲」を聴く~新日本フィル室内楽シリーズ

2012年10月25日 06時58分48秒 | 日記

25日(木)。昨夕、すみだトリフォニー(小)ホールで、新日本フィルの室内楽シリーズ「音楽家たちの饗宴2012-2013」第1回公演を聴きました 今シーズンは室内楽とオーケストラのプログラムに統一性を持たせて選曲されています つまり室内楽公演とオーケストラ公演で同じ作曲家の曲を演奏するわけです.この日のプログラムは①ハイドン「弦楽四重奏曲第62番ハ長調”皇帝”」、②ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第13番変ロ長調」です

7時からこのシリーズの名物,篠原英和さんのプレトークがありました いつものように,にこやかに舞台に登場したかと思ったら,いきなり,

「今期限りでこのプレトークを引退することにいたしました!」

という爆弾発言が飛び出しました.

会場のあちこちで「えっ,本当?」という驚きの声があがります

「7年間続けてきましたが,今期をもって引退することにしました.一つは若い世代に道を譲りたいということ,もう一つは,惜しまれるうちに,ということです(笑).なお,私の後任は決まっておりますのでご安心ください(笑)」

会場は「残念だ」というため息混じりの声があちこちで囁かれていました それから,いつもの名調子で篠原さんのお師匠さんであるアマデウス弦楽四重奏団について,自らの経験を踏まえて紹介,併せて新日本フィルとも関係があるシモン・ゴールドベルクについても,その深い教えを紹介してくれました 新シーズン第1回目ということもあってか,いつものように笑いを取りにいくシーンが少なく,トークに力が入っていたように思います とくにアマデウスSQについて語る時の篠原さんは熱意に溢れていて,思わず引き込まれてしまいました

 

          

 

1曲目のハイドン「弦楽四重奏曲第62番”皇帝”」の演奏者は佐々木絵里子、中矢英視(以上ヴァイオリン)、原孝明(ヴィオラ)、山崎泉(チェロ)です。”皇帝”というニックネームは第2楽章がハイドン自身が作曲したオーストリア国家の歌詞の一部「神よ,皇帝フランツを守り給え」を使用していることから付けられました

新日本フィル第2ヴァイオリン・フォアシュピーラー佐々木絵理子さんを中心に明るく快活に演奏を展開しました 第2楽章のカンタービレでの佐々木絵理子さんのオブリガードは素晴らしかったです 後の楽章にいくにしたがって調子が上がってきたように思います

2曲目のベートーヴェン「弦楽四重奏曲第13番変ロ長調」の演奏者は新日本フィルのコンサートマスター・崔文殊、堀内麻貴(以上ヴァイオリン)、木村恵子(ヴィオラ)、森澤泰(チェロ)です

ハイドンの演奏は第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロという並びでしたが,ベートーヴェンの方は,第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという並びになっています.コンマスの崔さんの考えによるのでしょう

この曲は,ゆったりしていたかと思うと,一転,速いパッセージになったり,目まぐるしい音楽が展開します ベートーヴェン晩年の曲ですが,これが全く耳が聴こえない状態の中で作曲されたことに心底驚きます.とくに第5楽章「カヴァティーナ」の素晴らしさをどのように表現すれば良いのでしょうか・・・・崔さんのヴァイオリンはどこまでも美しく,味わい深く,冴えわたっていました 堀内さん,木村さん,森澤さんとのアンサンブルも見事でした

会場いっぱいの拍手に応えて,第5楽章「カヴァティーナ」を途中から演奏しました

終演後,ワンコインパーティーがあったので参加しました.500円を払って,ワッペンをもらい胸に貼りました

 

          

 

こちらも篠原英和さんが司会をされています.最初に,アマデウス四重奏団とシモン・ゴールドベルクの思い出を話され,次いでこの日演奏されたベートーヴェンの「弦楽四重奏曲第13番変ロ長調」についてお話されました

「この曲は,1826年にシュッパンツィヒ四重奏団によって公開初演されたときは,最後の楽章が長大なフーガになっていました.このフーガは演奏者からも聴衆からも評判が悪かったのです.ベートーヴェンは不本意ながら最終楽章を改作することを決め,フーガを切り離して(いわゆる”大フーガ”),新たにアレグロの第6楽章を作曲したのです

篠原さんの解説を聞いて,あらためて「あー,そうだったな」と思い出しました.その後,この日演奏された3人の方が篠原さんの質問に答える形でお話しされましたが,皆さんあまりトークが得意ではないようです 篠原さんのレベルまで引き上げなくとも,マイクの使い方を考えるとか,間の置き方を工夫するとか,篠原さんに教えを乞うて勉強された方がいいと思います.現代は演奏家もサービス業を兼ねる時代です.演奏は大事ですが,トークも大切です

その後,しばし歓談となりました.篠原さんの近くにいたので会釈すると,これまでの室内楽シリーズのトークを録音した「トーク集」をくださいました.実は,8月11日のクラシックへの扉コンサートの時に,2006年第5回,2008年最終回,2010年最終回,2011年最終回のトークを収録したCDをいただいたのですが,今度は2006年第1回,同最終回,2008年第1回,2009年第1回のトークを収録したCDをいただきました.(後で中のCDを見てびっくり,篠原さんのサイン入りでメッセージが書かれていました.感激です 篠原さん,ありがとうございます

 

          

          

 

その時,篠原さんは「きょうは,りらさんはお出でになっていないんでしょうかねえ?分かりませんよねぇ・・・・」と言っておられました 実は8月11日前後に,このブログに”りらさん”という方が「(トーク集のCD)いいなぁ」とコメントを寄せてくださったのですが,それをご覧になった篠原さんが私のブログのコメント欄に,りらさんにあてて「ワンコインパーティーで声をかけてくれたら,ベスト・トーク集のCDをあげます」と呼びかけていたのです

そんなことがあったので,この日篠原さんはりらさんに差し上げるCDも持参されていたのです・・・・・・残念ながら私も篠原さんも,りらさんと面識がないので声のかけようがありませんでした 

そういうわけですので,りらさん,次回の室内楽シリーズの時には篠原さんに声をかけてみてください.超レア・アイテム「篠原英和・室内楽シリーズトーク集」がもらえますよ

そういうわけですので,篠原様,次回の室内楽シリーズの時にはりらさんのためにベスト・トーク集のCDをご持参くださるようお願いいたします

 

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