人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京春祭イタリア・オペラ・アカデミー i n 東京「リッカルド・ムーティ指揮『仮面舞踏会』」を聴く ~ ジョイス・エル=コーリー、ユリア・マトーチュキナ、ダミアナ・ミッツにブラボー!

2023年03月31日 00時45分00秒 | 日記

31日(金)。2022年度も今日で終わりです2023年も4分の1が過ぎてしまいました つくづく 時の流れの速さを感じる今日この頃です

月末になったので、3月の3つの目標の達成状況をご報告します ①クラシック・コンサート=18回、②映画鑑賞=7本、③読書=2冊でした なお①についてはこのほか、公開リハーサルを2回(新日本フィル、東京フィル)見学しました

ということで、わが家に来てから今日で2999日目を迎え、プーチン大統領は「ロシアの失業率は記録的な低水準にある」と述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     多くの若者をウクライナ戦争に動員して 労働力不足が顕著になっている証拠じゃね

 

         

 

昨日、夕食に「シャケの塩焼き」「生野菜サラダ」を作りました あとはキムチといただきもののシュウマイです

 

     

     

         

 

昨夜、東京文化会館大ホールで「東京・春・音楽祭2023」参加公演「イタリア・オペラ・アカデミー i n 東京 ~ リッカルド・ムーティ指揮ヴェルディ『仮面舞踏会』」(演奏会形式)を聴きました 出演はリッカルド=アゼル・ザダ、アメーリア=ジョイス・エル=コーリー、レナート=セルバン・ヴァシレ、ウルリカ=ユリア・マトーチュキナ、オスカル=ダミアナ・ミッツィ、シルヴァーノ=大西宇宙ほか。管弦楽=東京春祭オーケストラ、合唱=東京オペラシンガーズ、指揮=リッカルド・ムーティです

 

     

 

 

歌劇「仮面舞踏会」はジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)がウジェヌ・スクリーブの戯曲「グスタフ3世、または仮面舞踏会」に基づくアントニオ・ソンマの台本を基に1857年から1858年にかけて作曲、1859年2月17日にローマのアポロ劇場で初演されたオペラです 原作の戯曲は、スウェーデン国王グスタフ3世が、ある仮面舞踏会の夜アンカルストレーム伯爵に暗殺された実話が基になっています ヴェルディはナポリのサン・カルロ歌劇場からの作曲依頼を受けて作曲を進めましたが、国王暗殺を題材にした物語は検閲をパスすることができませんでした このため、検閲が比較的緩やかなローマで、舞台をスウェーデンから17世紀末のアメリカに移すことで初演に漕ぎつけました

物語の舞台は17世紀末のイギリスの統治下にあるアメリカ・ボストン この地の統治者・リッカルド総督は今度の仮面舞踏会の招待者リストに、自分の部下レナートの妻アメーリアが入っていることを知り心をときめかせる リッカルドは密かにアメーリアを愛していた。ある日 リッカルドの元に、人々を惑わす女占い師ウルリカを追放してほしいと判事が頼みに来る  そこでリッカルドは、お忍びでその占い師の正体を見極めに行くことにする    驚いたことに、アメーリアがウルリカを訪ねてきて、不倫の道から逃れる方法を尋ねた ウルリカは、深夜に刑場に生える草を摘むようアメーリアに言う。それをリッカルドは物陰から聞いていた 彼女が去った後、リッカルドが自身を占ってもらうと、最初に握手した者に殺されると予言される この時、何も知らないレナートがやってきて握手をする(以上、第1幕)

真夜中の刑場にアメーリアが着くと、そこにリッカルドが現れる 2人はそこで愛を語り合う。そこに急にレナートが現れたので、アメーリアはあわててヴェールで顔を隠す。レナートはリッカルドが反逆者たちに囲まれて危ないことを伝えに来たのだった リッカルドはレナートに、女の顔を決して見ないで町まで連れていくよう命じ、その場から立ち去る。レナートは女の命を守ろうとしたが、反逆者たちが切りかかってきたため、彼女はヴェールを落としてしまう レナートはその時初めて、リッカルドが相手にしていたのは自分の妻アメーリアだったことに気が付き、怒りに燃える(以上、第2幕)

レナートはリッカルドへの復讐を誓い、反逆者と手を組んでリッカルドを殺すことを企む 一方、リッカルドはアメーリアのことは諦め、レナート夫妻を祖国イギリスにに帰すことを決意する 仮面舞踏会の夜、レナートはリッカルドの小姓オスカルから、総督の仮装を聞き出す。アメーリアはリッカルドに近づき、危険が迫っていることを忠告する その時、レナートがリッカルドを切りつける 死の間際 リッカルドは、アメーリアは潔白だと告げ、レナートを無罪とするよう言葉を残して息絶える(以上、第3幕)

 

     

 

自席は1階R7列2番、右サイドブロック左から2つ目です 会場は9割以上が埋まっていると思われます

拍手の中、東京オペラシンガーズのメンバーが入場しステージ奥にスタンバイします そして2日間の公演のために特別に編成された「東京春祭オーケストラ」のメンバーが配置に着きます 弦楽器は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスという並び。コンサートマスターは読響コンマスの長原幸太、隣は4月1日にN響ゲスト・コンマス就任予定の郷古廉です 残念ながら、その他のメンバーで確認できたのは読響首席オーボエ奏者・金子亜未しかいません

大きな拍手の中、ソリストが入場し指揮者の前に横並びでスタンバイします

ムーティの指揮で第1幕が開始されます この楽章で圧倒的な存在感を示したのは占い師ウルリカを歌ったロシア出身のメゾ・ソプラノ、ユリア・マトーチュキナです 深みのある豊かな歌唱で、恐ろしさを秘めた女占い師を説得力を持って歌い上げました 第1幕のカーテンコールでは彼女だけがステージに呼び戻されました

リッカルドを歌ったアゼル・ザダはアゼルバイジャン出身のテノールですが、第1幕では声量が足りず存在感が薄い印象がありましたが、第2幕、第3幕へ行くにしたがって声が良く通るようになり、特にアメーリアとの二重唱では本領を発揮しました

アメーリアを歌ったジョイス・エル=コーリーはレバノン生まれカナダ育ちのソプラノですが、美しい絶妙なピアニッシモからドラマティックなフォルテッシモまで、完璧なコントロールで歌い上げていました 第2幕冒頭のアリアはその最たるものでした

レナートを歌ったセルバン・ヴァシレはルーマニア出身のバリトンですが、深みのある歌唱で聴衆を魅了しました。特に第3幕でフルートとハープに乗せて歌うアリアは素晴らしかったです

オスカルを歌ったダミアナ・ミッツィはイタリア出身のソプラノですが、深刻なストーリーの中で、唯一楽天的な存在の小姓のアリアを楽し気に歌い上げていました

日本人歌手で大健闘だったのはシルヴァーノを歌った大西宇宙です 主役級の歌手陣が指揮者のすぐ傍で歌っていたのに対し、大西は客席からは遠い、合唱の手前で歌いましたが、声が良く通り、素晴らしい歌唱力を発揮しました

特筆すべきは、ムーティの指揮のもと終始弛緩することなく集中力に満ちた演奏を展開した「東京春祭オーケストラ」のメンバーと、迫力ある男女混声合唱を聴かせてくれた「東京オペラシンガーズ」の皆さんです 第3幕でのチェロ独奏も良かったし、舞台上手で演奏した弦楽四重奏のパフォーマンスも素晴らしかったです

今回初めて、リッカルド・ムーティの指揮を比較的間近で見ることが出来ましたが、ムーティの一振りで出るフォルテッシモの迫力に圧倒されました 臨時編成オケであれだけの音が出るのはムーティだからこそだと思いました

 

     

 

         

さて 第1幕では、主要な歌手が歌い終わるや否や間髪入れずに「ブラボー」をかけるブラボーオジサンがいました 同じ人物が何度かブラボーをかけていました    個人的には、ブラボーをかけるのなら歌手が歌い終わって一瞬の間をおいてからにしてほしいと思います 一瞬の余韻に浸る間もなくブラボーをかけられると興ざめします 間がない、つまり間が抜けている、要は間抜けなのです はっきり言うと、いかにも自分は”オペラ通”であると周囲に知らしめしているように見えてうんざりするのです もっとはっきり言うと、近くの席にいたらぶん殴ってやりたいところです   自分のことしか考えていないから こういうベラボーな態度に出ることが出来るのです   誰かが注意したのでしょうか。あるいは誰かがレセプショニストに頼んで注意してもらったのでしょうか。休憩後の第2幕からは同一人物からの「フライング・ブラボー」は聞こえませんでした そうだとしたら良いことです。そういう輩は、言葉で注意しないと、自分が非常識なことをやっていると気が付かないからです

         

今回の公演を観るにあたり、リッカルド=ジュゼッペ・ディ・ステファノ、レナート=ティト・ゴッピ、アメーリア=マリア・カラス、アントニーノ・ヴォットー指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団によるCD(1956年9月録音)で予習しました 少なくとも5回は全曲通して聴きました。お陰でオペラの進行と聴きどころが把握でき、十分に本番を楽しむことが出来ました

 

     

コメント
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