人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ダニエル・クワン & シャイトナー共同監督「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」を観る ~ 第95回アカデミー賞で7部門受賞

2023年03月14日 06時51分27秒 | 日記

14日(火)。マスクの着用が個人の判断に委ねられるよになった昨日、岸田首相はマスクを外して官邸入りしたそうです まあ、一応”日本の顔”ですからね、顔が見えた方がいいと思います 一方、外を歩いている人を見ると3分の2の人はまだマスクをしていて、山手線の電車内では100%マスク着用でした 徐々にこの比率が変わっていくのでしょうか 私は「自分の身は自分で守る」という考えから、しばらくの間 コンサート、映画を含め 外出時はマスクを着用する方針です

ということで、わが家に来てから今日で2982日目を迎え、共同通信社は11~13日、全国電話世論調査を実施したが、放送法の「政治的公平」に関する総務省の行政文書について、当時総務相だった高市早苗経済安全保障担当相による「不正確で捏造だ」との説明に対し「納得できない」との回答は73.0%に上った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     かつての部下が作成した文書を「不正確で捏造だ」と断定するんだから 無責任だ!

 

         

 

昨日、夕食に「チキンカレー」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました カレーにはワインですね

 

     

 

         

 

TOHOシネマズ新宿でダニエル・クワン ✕ ダニエル・シャイトナー監督による2022年製作アメリカ映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(139分)を観ました

エヴリン・ワン(ミシェル・ヨー)は、経営するコインランドリーが税務調査を受けて破産寸前、父親ゴンゴン(ジェームズ・ホン)はボケているのに頑固、娘ジョイ(ステファニー・スー)はいつまでも反抗期が終わらない、夫ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)は優しいだけで頼りにならないという状態で、頭の痛い問題ばかりを抱えている 毎日精一杯の日常生活を送る彼女の前に、突如として夫に乗り移った「別の宇宙(ユニバース)の夫」ウェイモンドが現れる 混乱するエヴリンに、「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と驚くべき使命を負わせる そんな「別の宇宙の夫」に言われるがまま、訳も分からず「マルチバース(並行世界)」に飛び込んだ彼女は、カンフーマスターばりの身体能力を手に入れ、マルチバースの脅威ジョブ・トゥパキ(別の宇宙の娘)を相手に全人類の命運をかけた戦いに身を投じる

 

     

 

ひと言でいうと「ぶっとんだ映画」です ごく普通の主婦でコインランドリーを営む中年女性が、いきなり宇宙の別の世界から来た人物から「悪者を倒してくれ」と頼まれ、命を懸けた戦いに巻き込まれてしまうのです 普段は頼りない夫が突然ヒーローになってカンフーアクションで大暴れしたり、エヴリンもその能力を授けられて敵と対峙します エヴリンが「もしもあの時、別の選択をしていたら、そこには『別の自分』がいた」と考えると、たちまち有り得たかもしれない人生の可能性のパターン(歌手、シェフ、カンフーの達人など)を次々と体験していくことになります 映像は「現実の世界」と「マルチバース(並行世界)」を目まぐるしく行き来するエヴリンを映し出します

この映画の肝の一つはヒロインのエヴリンの一家が中国からアメリカに移住した移民で、マイノリティーである彼女が「マルチバース(並行世界)」の危機を救うという設定です もう一つは、母娘の不和と和解です エヴリンは仕事と介護に追われて忙しすぎ、娘ジョイに気持ちを向ける余裕がありません たまに面と向かうことがあると「あなた、太り過ぎよ」としか言えません ジョイはそんな母親に嫌気がさしています 同じ親子でも母親と娘との関係は独特のものがあるようで、その辺の機微がコミカルに描かれています

さらに、岩山の頂上で2つの大きな岩同士の会話シーン(テロップで表示)がありますが、「地球なんて宇宙の中の一つの星に過ぎない。人間なんてその地球の中で生活している小さな存在に過ぎない。毎日の出来事なんて大したことはない」とする考えの一方で、「たとえ小さな世界でも、家族や身近な人たちとの生活を大事にして生きていきたい」という考えが語られます これもこの映画の一つのテーマです

さて、音楽です 「マルチバース(並行世界)」でエヴリンとジョブ・トゥパキとが対峙するシーンでは、ロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」序曲の「スイス軍の行進」が超スローテンポで流れていて、シュールな感覚を醸し出していました   また手の指がソーセージになってしまう並行世界のシーンは、スタンリー・キューブリック監督の「2001年 宇宙の旅」のパロディで、猿たちが骨を空に放り投げる場面でリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語り」冒頭の音楽が流れました   また、ソーセージの指ではピアノが弾けないため、両足の指でドビュッシー「月の光」を弾くシーンが印象的で、さすがは印象派の音楽と感心しました

本作は第95回アカデミー賞で作品、監督・脚本、主演女優ほか同年度最多の10部門11ノミネートを果たしていましたが、映画を観終わって家でニュースを見たら、何と作品賞、監督賞、主演女優賞(マレーシア生まれのミシェル・ヨー)、助演男優賞(ベトナム生まれのキー・ホイ・クァン)など7部門で受賞していてぶっ飛びました ポイントは「多様性」ですね

 

     

コメント
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