人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

辻彩奈 ✕ 阪田知樹でモーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ第34番」、ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第3番」他を聴く ~ 芸劇ブランチコンサート「名曲リサイタル・サロン 第6回 辻彩奈」

2020年08月19日 07時17分18秒 | 日記

19日(水)。わが家に来てから今日で2149日目を迎え、ロイター通信は17日、米国立気象局が西部カリフォルニア州デスバレーで16日に54.4度の気温を観測したと報じたが、世界気象機関によると、公式記録として確認されれば1931年以来89年ぶりの暑さとなる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     地球温暖化が原因だと言っても 科学無視のトランプは信じない 熱い選挙に期待だ

 

         

 

昨日、夕食に「手羽元の照り焼き」と「生野菜サラダ」を作りました 「手羽元~」は初めて  Rakuten レシピをもとに作ったのですが、手順5に「たれにとろみがつくまで、じっくりとたっぷりの愛情を注ぎながら火を通します」と書かれていて、思わず「料理は愛情じゃなくて技術でしょう」とツッコミを入れてしまいました 間違ってますか

 

     

 

         

 

昨日午前11時から、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで芸劇ブランチコンサート「名曲リサイタル・サロン 第6回  辻彩奈」を聴きました これは当初3月11日に開催される予定だったのが新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け 延期された振替公演です。プログラムは①J.S.バッハ「G線上のアリア」、②モーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ 第34番 変ロ長調 K.378」、③ブラームス「F.A.Eソナタ」より「スケルツォ」、④同「ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 作品108」です    演奏はヴァイオリン独奏=辻彩奈、ピアノ=阪田知樹。ナビゲーターは加羽沢美濃です

辻彩奈は1997年岐阜県生まれの23歳。東京音楽大学卒。2016年モントリオール国際音楽コンクール第1位、併せて5つの特別賞を受賞しています 阪田知樹はリスト国際ピアノコンクール第1位ほか、内外のコンクールに多数入賞している実力者です

新たに会場受付で割り振られた席は2階F列14番、左ブロック右端です    座席は言うまでもなく前後左右に人がいない市松模様配置です

 

     

 

1曲目はJ.S.バッハ「G線上のアリア」です    この曲はヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)が1729年から31年の間に作曲した「管弦楽組曲第3番ニ長調」BWV.1068の第2曲「アリア」を、19世紀のヴァイオリニスト、アウグルト・ウィルヘルミがヴァイオリンのG線だけで演奏できるように編曲した作品です

ブルーのエレガントな衣装を身に着けた辻彩奈が阪田知樹とともに登場し、さっそく演奏に入ります 辻は一音一音慈しむように丁寧に演奏、阪田がそっと寄り添いました つくづく名曲だと思います

ここで、ナビゲーターの加羽沢美濃が辻彩奈にインタビューしましたが、「コロナ禍の影響で約5か月ものブランクがあり、久しぶりの再開となったが、これまでとは違った新たな気持ちで演奏したい」と語っているのが印象的でした 次に演奏するモーツアルトの曲について尋ねると、「一番好きな作曲家がモーツアルトで、K.378は可愛くて明るくてキラキラしています」と答えていました

2曲目はモーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ 第34番 変ロ長調 K.378」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1778年から1781年にかけて(20代前半)作曲した6つの「ヴァイオリン・ソナタ」の一つです 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンティーノ・ソステヌート・エ・カンタービレ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

二人が再登場し、さっそく演奏に入ります 第1楽章は「天翔けるヴァイオリン」と「心弾むピアノ」の饗宴です 辻の伸び伸びと演奏されるヴァイオリンの素晴らしさはもちろんのこと、阪田のピアノが、この曲が一般に「ヴァイオリン・ソナタ」と呼ばれているが 正確には「ヴァイオリン伴奏付ピアノ・ソナタ」であることを思い出させます    阪田のピアノは明快で雄弁です   第2楽章は二人の演奏家の優しい人間性が伝わってくるようでした 第3楽章は喜びに満ちたロンド 辻がインタビューで語っていたとおり「キラキラ輝いて」いました

ここで再びインタビューが入ります 二人はデュオとしては今回が初共演とのことです 加羽沢は「演奏ではどちらが主導権を握るのですか」という いかにも音楽家(作曲)らしい 答えにくい質問を浴びせましたが、二人とも「そちらです」と譲り合っていました モーツアルトに関しては明らかに阪田がリードしていました 次に演奏するブラームスの2曲について訊かれた阪田は「F.A.Eソナタの方は若い時の作品で、若い時の勢いのある情熱を感じますが、ソナタ第3番の方は晩年に近い年齢で作曲したもので、それに相応しい円熟期の情熱を感じます」とコメントし、加羽沢に「まるで巨匠のような解説をいただきました」と驚かれていました。このほか、唐揚げに関する蘊蓄なども披瀝されましたが、阪田知樹というピアニストは外見はおとなしそうに見えますが、実は話好きなのではないかと思います 得がたいキャラクターの持ち主です

 

     

 

3曲目はブラームス「F.A.Eソナタ」より第3楽章「スケルツォ」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1853年に作曲した作品です 「F.A.E」は「Frei  aber  einsam(自由だが孤独)」の略語で、友人のヴァイオリニスト、ヨアヒムがモットーとしていた言葉です ヨアヒムのために第1楽章をA.ディートリヒが、第2、4楽章をロベルト・シューマンが、第3楽章「スケルツォ」をブラームスが作曲しました

二人の演奏で「スケルツォ」が開始されます モーツアルトのクインテットやシンフォニーが「疾走するかなしみ」であるとすれば、このブラームスは「ほとばしる情熱」です 二人の丁々発止のやり取りが凄まじく、手に汗握る迫真の演奏でした

最後の曲はブラームス「ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 作品108」です この曲は1886年から88年にかけて作曲され、1888年(55歳)にブタペストで初演されました 指揮者でピアニストのハンス・フォン・ビューローに献呈されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ウン・ポコ・プレスト・エ・コン・センチメント」、第4楽章「プレスト・アジタート」の4楽章から成ります

二人の演奏で第1楽章に入りますが、「ほの暗い情熱」というべき演奏が展開します 第2楽章はブラームスの”渋さ”が発揮された心に沁みる演奏でした 第3楽章を経て第4楽章は、二人による火の出るような丁々発止の演奏が展開、「ほとばしる情熱」を感じました

二人はアンコールにマスネ「タイスの瞑想曲」をしみじみと演奏し、大きな拍手のなか コンサートを閉じました

今回のリサイタルに当たり、辻さんは室内楽で協演したことのある阪田氏をピアニストに選んだということですが、これ以上望めない人選でしたね この日の演奏を聴けば分かります

 

     

コメント
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