人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

古典四重奏団のモーツアルトを聴く~レクチャー付きコンサート

2014年09月28日 07時20分03秒 | 日記

28日(日)。25日の朝日夕刊の「華麗な人」コーナーが指揮者・佐渡裕を取り上げていました「音色の深み 重心から 巨匠を観察 立ち方工夫」の見出しが踊ります 要するに著名な指揮者の指揮する際の立ち方を比較しているのですが、実に面白いのです 佐渡氏の解説によると

「カラヤンは両足を肩幅ぐらいに開き、重心をストンと落とす。前傾姿勢で動かない。カラヤンポジションとでもいうのかな

かつて学んだレナード・バーンスタインは「足の位置はカラヤンと似ているけど、重心を上下左右に柔軟に動かせる人でした

「小澤(征爾)先生は聴衆にあいさつし、パッとオーケストラの方を振り向いた瞬間、足をキュキュッと左右にずらす。足がピタッと止まったら、曲が始まる

「誰かに指揮を教える機会があったら言うつもりだ。『いい指揮者の足を見なさい。足ができたら、ほとんど教えることはない』と」

この記事を見て真っ先に考えたのは、都響を振っている小泉和裕の指揮です 指揮のスタイルとしてはカラヤンにそっくりです。彼はカラヤンと同様、両足を肩幅ぐらいに開き、やや前傾姿勢のまま、足に根が張ったかのように”まったく”動きません 第3回カラヤン国際指揮者コンクールで第1位を獲得しただけあって、カラヤンから指揮スタイルを学び、それを頑固なまでに固守しているのだと思います

 

  閑話休題  

 

昨日、晴海の第一生命ホールで古典四重奏団の「ムズカシイはおもしろい!!~モーツアルト弦楽四重奏曲全曲演奏会2014-1」コンサートを聴きました レクチャー付きコンサートで、プログラムは①弦楽四重奏曲第5番へ長調K.158、②同第11番変ホ長調K.171、③同第23番へ長調K.590”プロイセン王四重奏曲第3番”、④同第17番変ロ長調K.458”ハイドン四重奏曲第3番”狩”です

 

          

 

ホワイエに行く途中のスペースにヴァイオリンが飾られていて、聴衆を出迎えてくれました

 

          

 

自席は1階8列23番、センターブロック右通路側です。会場は・・・・3割くらいしか埋まっていないのでは・・・・・もったいないです 今回のレクチャープログラムは「本当の意味の『パパ』は、レオポルドか、ハイドンか~その2」です

拍手の中、第1ヴァイオリンの川原千真、第2ヴァイオリンの花崎淳生、ヴィオラの三輪真樹、チェロの田崎瑞博が登場します 最初に演奏するのはモーツアルトの交響曲第1番変ホ長調K.16から第1楽章です。演奏後、さっそく田崎がマイクを持ってこの日のテーマについて解説します

「このシリーズは、モーツアルトの弦楽四重奏曲全23曲にアイネ・クライネ・ナハトムジークを加えた24曲を6回に分けて演奏する、つまり、6÷24で、えーと、違った、24÷6で4曲、やっと計算出来た 1回あたり4曲を取り上げます(この人大丈夫か?)。今日のテーマは『本当の意味の”パパ”は、レオポルドか、ハイドンか』です。最初に聴いていただいた曲は交響曲第1番の第1楽章です 父レオポルドの手が入っているであろう曲ですが、クリスチャン・バッハなどの影響が表れています。A-B-Aというソナタ形式が取り入れられています

次いで弦楽四重奏曲K.458「ハイドン四重奏曲第3番”狩”」から第1楽章を演奏します 田崎はモーツアルトがいかにハイドンから影響を受けているかを解説します

次いで同じ”狩”から第3楽章の冒頭を演奏。「これはおかしいです。フレーズが途切れ途切れになっています 私はこれを続けて演奏するように編曲したのでお聴きください」と言って、なめらかにつなげてフレーズを演奏します そして、「どうです。いいでしょう。こっちが本当なのです。モーツアルトの方がおかしいのです」と主張し、笑いを誘います。確かに、途切れ途切れで演奏する積極的な理由は見出せません しかし、モーツアルトは彼なりの必然性があるのでしょう

次いでK.590「プロイセン四重奏曲第3番」から第2楽章を、そしてハイドンの作品33-1「ロシア四重奏曲」第3楽章を演奏します 後者はハイドンが「まったく新しい方法で書いた」と言った曲です。田崎氏の解説によると、「まったく新しいとは言えないのではないか むしろ、それは宣伝文句で、ソナタ形式を発展させたくらいの意味だろう」ということになります

ここで、田崎氏が「我々の演奏するモーツアルトの弦楽四重奏曲のCDは売切れで在庫がありません。喜ぶべきことか、悲しむべきことか、分かりません その代わり、私が新曲を作ったので、そちらのCDで我慢してください」と言ってPRしていました。最後に、モーツアルトに大きく影響と与えたハイドンの作品20-5「太陽四重奏曲」第3楽章が演奏されました

10分間の休憩の後、弦楽四重奏曲K.158「ミラノ四重奏曲」(16歳の時の作品)、同K.171「ヴィーン四重奏曲」(17歳の時の作品)、同K.590「プロイセン王四重奏曲第3番」(34歳の時の作品)が演奏されました もちろん、彼らの前には譜面台はありません。彼らは暗譜で演奏します

15分の休憩後はK.458「ハイドン四重奏曲第3番”狩”」が演奏されます やはりこの日のプログラムの中では、この曲が一番馴染みがあります。モーツアルトは軽快です

モーツアルトは幼児から少年にかけては”パパ”レオポルドから、青年になってからはハイドンから大きな影響を受けてきたようです。レクチャー付きコンサートは勉強になります

 

          

 

コメント
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