人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

荻原浩著「幸せになる百通りの方法」を読む~笑いとペーソスの7つの物語

2014年09月13日 07時33分45秒 | 日記

13日(土)。周知のとおり、11日夜、朝日新聞社の社長が、東電福島第1原発の「吉田調書」の報道に関して記事を取り消し謝罪しました 下に掲げたのは朝日新聞12日付朝刊の第1面です

 

          

 

さて、同じ紙面の第8面に、有楽町朝日ホールの全面広告が載りました。これを見て私は真っ先に「なぜ浜離宮朝日ホールでなく、古い有楽町朝日ホールなのか?」と疑問に思いました。私の推論はこうです

「当初、この第8面には別の広告主による全面広告が載る予定だった。しかし、朝日の社長の記者会見を見た広告主が、誤報続きの朝日に対し抗議の意味で広告出稿を急きょ取り止めた。スペースに穴が空いたため、急きょ自社関連のホールの全面広告で穴埋めした」

以上はあくまでも私の勝手な推論(推理小説の読み過ぎか!)ですが、普段見慣れない全面広告を見ると「何かあったのではないか?」と穿った見方をする癖がついてしまいました。悲しき習性です

 

          

 

   閑話休題  

 

荻原浩著「幸せになる百通りの方法」(文春文庫)を読み終わりました 荻原浩は1956年埼玉県生まれ。広告制作会社勤務を経てコピーライターとして独立。1997年「オロロ畑でつかまえて」で小説すばる新人賞を受賞しています この本には「原発がともす灯の下で」「俺だよ、俺。」「今日もみんなつながっている。」「出逢いのジャングル」「ベンチマン」「歴史がいっぱい」「幸せになる百通りの方法」の7つの物語から成る短編集です

 

 

          

 

どれもが荻原浩らしい笑いとペーソスに溢れた作品ですが、特に面白いのは、34歳の独身女性が動物園での「お見合いパーティー」に参加する話を書いた「出逢いのジャングル」です 人間観察の面白さとともに、「ペンギンは身体の外に出ている3倍の長さの足を隠し持っている」とか「キリンの最高血圧は260もある」とか、ちょっとした豆知識もあり、面白さ百倍です

もう一つ取り上げるとすれば、会社を解雇されたことを妻に言い出せず、背広を着て毎日公園に”出勤”する47歳のサラリーマンの悲哀を書いた「ベンチマン」です こういうのって「他人事ではない」という人も少なからずいるのではないか、と思います なかなか決心がつかない妻子持ちの会社員の心情が切々と迫ってきます

 

 

コメント
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