元F1チャンピオンのニキ・ラウダ氏が亡くなりましたね。1975年、1977年、1984年にチャンピオンとなっていますが、ちょうどその頃、私はロードレースに熱を上げていた頃でして、部屋を見まわしましたらホイヤーのヘルメット型置時計があるのに気がつきましたよ。当時、あまり都内に出向く用事はありませんでしたが、銀座辺りの時計屋さんのショーウィンドウに飾られていたこの時計が目について購入したと記憶しています。
このヘルメットの形は70年代のデザインと思ますが、いつ頃のヘルメットをモデルにしているのでしょう? 私はニキ・ラウダは良く知らず、ヘルメット型時計の奇抜さが気に入りました。ラウダはAGVヘルメットと契約していたのかな? アメリカのBELLの初期フルフェイス型に似ています。
私は物持ちが良い方で、この時計より古いものが部屋に普通にあります。確か、電池は一度交換した程度で止まってしまったと思いました。久しぶりにホコリをはらって分解してみます。白の土台樹脂がヘルメット縁ゴムに侵されて溶けて固着していました。秒針はいつの間にか(たぶん掃除機)折れて無くなっています。
この頃はクォーツではなく電磁テンプ式だったんですね。そういえば、カチカチ言っていた記憶があります。電池を入れてもテンプは動きませんよ。
このユニットはHEUER製なのでしょうか。記載がありませんが知らないマークは入っています。回路を辿って行くとテンプが動きだしました。緩急は普通の腕時計と同じですね。現在、びっくりするような値段でオークションに出品されていて(新品ですが)意外にお宝かも知れないと思いましたよ。
裏蓋を開けて見ると、懐中時計の大型機械ではなく、腕時計のユニットを流用した後期のモデルですね。Cal.6110Aは61系のセイコー5DX(6106A)から自動巻き機構を取り除いたスカイライナー系の機械のようです。
文字盤にはSECOND SETTINGとなっていますが秒針を止めることが出来ません。分解してみると・・
ピンセット先の部品、秒針規正レバーが入っていませんでした。過去の分解も少し乱暴な感じですので、分解の時に損傷させて組み込まなかったのでしょうかね。規正レバーはファイブDXと共通ですのでストックはありますが、オーナーさんにお願いしてオークションで新品を入手して頂きました。現在郵送中・・・
規正レバーの到着が遅くなりそうですのでストックの5DX(6106A)から調達をしました。規正レバーをセットしてから輪列を組みます。
天真の摩耗はそれほどでもないようです。快調に動き始めましたが、歩度の調整がかなりズレています。
針座が正しくセットされていない状態で文字盤を取り付けたために変形しています。修正をして組みます。
文字盤と針を取り付けました。いつも思うことは、腕時計の機械に懐中時計サイズの針を取り付けてトルクの問題は無いのでしょうかね?
96.1.19にO/Hをされたような記入がありましたが、プロの時計師さんの仕事としてはちょっと疑問が残る組立でした。歩度は大幅に遅れ方向でしたが、これは後でいじられたのでしょうね。10秒進み程度としておきます。
私の所有するクォーツ仕様のセイコー鉄道時計も腕時計用のユニット(タイプ2)が使われていましたよ。どちらも風防はガラス製ではなくプラ製となっているのが少し残念。
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