持ってる方は持っているんですねぇ。私だって2台ぐらいあるかなぁ? あとはお譲りしてしまいました。3台共オーバーホールですが、どの個体もあまり良いコンディションではありませんね。適当な修理を受けているようです・・
どれからでも同じですけど、#1227XXから始めます。トップカバー横のネジは+ネジになっていて、明らかに後に交換されたものです。
ファインダーですが、殆どの個体はこのような状態です。ちゃんと貼れないものでしょうかね?
ファインダーブロックに付着している古い接着剤を清掃して、対物レンズなども分離清掃をしておきます。対物レンズは不用意に清掃されているため、四隅の墨塗りが剥がれていましたので、新たに墨塗りをしておきます。初期のPENなどでは墨塗をされていないモデルも存在しますが、PEN-Wの頃はすべて墨塗りをされていますので正確に再現をしておきます。
シャッターユニットは分解歴がありますね。コパルでの製造捺印の右部分が消されていて判読が出来ません。本体側にも完成日が記入されているのですが、この個体はそちらも消されています。これはカメラの戸籍ですので、消さないように注意をしたいものです。
因みに私のデータベースから近いシリアルの製造を調べてみると・・
【シリアル№】 【シャッター捺印】 【本体完成】
114470 39.12 (昭和) 5-1(1965-1)
115245 40.1 5-2
118404 40.3 5-3
118983 40.4 5-4
120343 40.5 5-5
122072 40.5 5-3
123048 40-5 4-9
125073 39-7 4-8
126523 39.12 5-3
というような感じで、シリアル№と製造日が必ず整数順に並んでいるわけではありませんので、正確な製造年月の推定は困難ですが、捺印で残された部分からの推定で「40.4」かも知れませんね。本体完成よりシャッター完成が後の個体は、後天的にユニットの入れ替えがなされた可能性があります。(データはすべて私が現認したもののみ)
シャッターはアルミハウジングの腐食が進んでいて保存は良くない個体。モリブデングリスを塗りたくってありますね。
保存の悪い個体はハウジング内側のシャッター羽根と摺動するプレートが腐食していることが多いです。これはシャッタースピードに影響があるので研磨しておきます。
こういう感じ。
ハウジングもピカピカ。この調子で3台続けると、ずぅ~っと下までスクロールしなければならなくなりますので、1台ずつ分けますかね。
毎度同じなんだけどさ。書かない訳にもいきませんので・・汚れと腐食が進んでいるカム板などリング類を研磨してピカピカにしてあります。
豆レンズ。かなり黄ばんでいますね。すべて清掃をして組み立てます。
本体側は完成。予め清掃接着をしておいたファインダーをトップカバーに取り付けます。
カバーもきれいに貼ってあります。
トップカバーを取り付けてみると、巻き戻し側に寄り過ぎます。これはPEN-S/Wの持病で、殆どの個体には調整ワッシャーが接着されていますが、この個体は・・あっ、接着が剥がれてワッシャーはどこかへ無くして来ています。過去にプロのO/Hを受けている個体ですが、観察すると駒数ガラスも交換されていますね。純正ですから、まだ部品が出た頃の修理でしょう。作業はお上手というわけではないですね。
で、サイドのネジはPEN-W純正品に交換しておきます。とは言っても、塗装は無くなっていますけどね。塗るの面倒なので・・
この個体が3台のうちで一番きれいな方かなぁ? 調子は完璧になっています。あとの2台は同じ作業ですので、ネタがあれば部分的にUPすることにします。
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