しかし、電池液漏れの個体ばかり入って来るなぁ・・。他のカメラでも状況は同じでしょうけど、被害を受ける程度が違うということでしょうね。#3030XXXとドイツ製の初期の個体になるのでしょうか? あまり使用された形跡が無いきれいなブラックモデルです。ご覧の通りしっかり液漏れの電池が入ったままです。この状態で使用されていた(露出計は使わず)のでしようか。その場合でも電池は抜きますよね。さて? 幸い、接点を清掃しましたら、メッキの劣化が起こる前できれいになりました。
トップカバーはレリーズ横にかすかな凹みがありますけど修正をすれば分からない程度。材質はアルミで、梨地を打ってから黒アルマイト処理のみで塗装はされていません。妙にエージング感がなくきれい過ぎますね。
内面は梨地処理はなくアルミ地のままアルマイト処理。メーター窓の接着外れとレバーアテが破損しています。
この頃はまだチャージギヤは金属製。後の樹脂製より歯数が多いですね。樹脂の場合、同じ細かい歯数では強度が出ないのかもしれません。
この頃はスプールのアイドラギヤに塗布されているグリスが変質して非常に動きが重くなっています。巻上げの重さにも影響がありますので洗浄と軽めのグリスを塗布します。
ガラス製のファインダーを抑えるバネは平型からL型に変更されています。
このインジケータープレートは良く接着が外れてクルクル回っています。接着をして組みます。
メーターは回路の整備で何とか作動しています。沈胴の調整とシャッターユニットのO/Hをしてあります。
トップカバーの洗浄後、レリーズピン、レバーアテの熱カシメ、メーターガラスの接着をします。
裏蓋の問題。フィルムカウンター盤の戻りが極端に遅い。今回の原点は大径の割には線径が細く弱いバネが作動している間に絡んでいたため。時間をかけてピンセットで修正をして行きます。
巻き上げダイヤルは樹脂になる前の金属製ですが、非常に回転が重い。金属のためグリスは塗布されていたようです。それが硬化変質して抵抗となっていたため。
まるで新品のような美品となりました。長期的にはこのアルミ黒アルマイトの方が劣化が少ないのかも知れませんが、真鍮塗装と好みが分かれるところでしょう。