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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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セイコー・マーベル初期型不動を動かすの巻

2015年02月14日 23時58分44秒 | ブログ

PENが一段落なのでサボってテレビを見ておりました。百田尚樹原作の「永遠の0」のテレビ版が放送中ですね。劇場版を見ていませんので、こんなアラ筋だったのかと思いましたが、現在は良く出来たレプリカの機体が存在してCGの空戦シーンも中々良く出来ていると思いましたが、離着陸シーンは1/3のラジコンの機体かな? しかし、現代の俳優が演じている軍人は、仕方がないとはいえ、私世代から見ても「もう少し演技指導は出来ないものか」と思わせますね。ストーリーは撃墜王の坂井三郎氏著作からヒントを得ているのではと気が付きました。主人公が空戦場から離脱して臆病者と言われるシーンは、空戦中にアメリカの戦闘機が必ず1機上空に離脱して味方機に危険を知らせていたのを知った坂井は、後ろから近づいて一撃で撃墜するのを得意としていて、「坂井の落穂拾い」と言われた。それを味方機の搭乗員に場面を作り替えた? のではと思えましたね。しかし、主人公(宮部一飛曹)は小隊の分隊長ですから、列機を2機従えており、列機は1番機を援護して空戦をするわけで、常に単機で戦場を離脱することなど考えにくいことです。機体の塗装も前半の21型では、台湾に進駐していた台南航空隊のマーキング(V-125は坂井機ではない)ですから、台南航空隊の半数がラバウルに進出して、残りの半分は一度内地帰還のうえミッドウェイで殆ど戦力を消耗したが、坂井はラバウル組としてニューギニア方面(ラエ、ラバウル、ガダルカナル)で奮戦をしたのでした。

で、本題です。初期型と思われるセイコー・マーベルの不動機です。マーベルは1956年6月からの発売で、それまでの機械より精度を向上させた優秀な機械です。初期のモデルはケースのサイズも小さくて耐震装置は装備されていません。それによって、落下による天真折れがあって、この個体も天真が折れていて不動です。

機械を取り出して点検します。天真の上側が折れています。

 

 

天真を交換するためにテンプを分解しところ。マーベルは、この後、ダイヤショックの耐震装置が付きますが、耐震装置の種類によって天真も4種類あります。この個体は耐震なしのタイプ。

 

新しい天真を天輪に取り付けています。ダメージを与えないように慎重に・・あ~、目が見えない。。

 

ヒゲゼンマイを取り付けた後、地板にセットをしてビート位置合わせを確認します。

 

テンプが完成したので、本体の洗浄組立をしていきます。石数は17石です。

 

文字盤の状態は使い込まれて竜頭位置(3時)側が特に汚れと劣化が激しいです。デッドストックも所有していますが、今回はオリジナルで組み立てます。針は軽く研磨をしてから取り付けますが、何故か秒針が少し短いようですね。

軽く研磨をしたケースに機械をセットしました。ステンレスケースですから、意外に劣化は少ないのです。金メッキケースであれば、ボロボロですね。

 

左のマーベルは現在愛用中の耐震装置つきモデル。ケースも少し大きくなってベルトのラグ幅も現在の標準と同じ18mmですが、今回の初期型はラグ幅がなんと15mmですよぉ。ベルトを見つけるのが大変。秒針は手持ちの標準長さのものを使いましたが、ここで問題が発生。針は、かなり文字盤側に押し込み気味にしてあったのですが、それでも風防に接触します。分かった。それで秒針を短くカットしてあったのですね。風防は途中で交換されていると思われますが、当時の純正トキライトはドーム高さに余裕があって秒針は接触しませんが、現在入手出来る汎用風防は高さが少し足りなくて接触をするのでした。左のマーベルで経験済み。だからと言って秒針を切るかね?

まぁ、何とか隙間を調整をして針と風防が接触しないようにしています。15mmのベルトは手持ちがないので16mmを無理に仮付けしてみました。この頃のケースには、製造年の分かる数字が刻印されていませんので、正確な製造年月は不明です。竜頭はスーパーなどに付いている大型の古いタイプのものですので、オリジナルとすれば、かなり初期のものではないかと思います。この頃と同年代が誕生日の方でご希望の方があればお譲りします。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/

 


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