またまた、笹原ペンさんから来ましたよ。しかし、いつもながら厳しい時計が多いですね。セイコー80年代のLMロードマチック5605-7020です。面倒なワンピースケースが標準のモデルですが、金メッキ側は使用された個体はメッキの剥離によりひどい状態になっているのが普通です。本来は7000系のステンレスケースに入れ換えた方が良いのですけどね。
まず、デッドストックでもない限り、金メッキ側はこんな悲惨な状態が多いです。腕に当たる部分が磨滅して竜頭もチビちゃって・・
ワンピースケースですから機械はベゼルと風防を外して取り出しますが、ベゼルの強度が残っているか・・人の汗と油でベトベト。
風防ガラスも傷が多いですが、幸いプラ製なので研磨をします。
専用工具S-14で取り外しました。機械自体は水気の侵入は無く、程度は悪くはない模様。
勝手知ったる56系。洗浄してどんどん組み立てて行きます。ウィークポイントの揺動レバーはちょっと怪しい感じ。
輪列も組んで行きます。二番車の受石に多少の欠けがあります。
カレンダーは曜日は無いタイプ。
事前の測定よりオーバーホール後は多きく進み方向で振り角も大きくなりました。フリクションが大きかった個体です。少しずつ絞って調整中。
水気が入らなかったために、お約束の回転錘の腐食もありません。25石ですぞ。(23石が多い)
やっぱり、カレンダーを早送りする揺動レバーが弱っていました。4時位置の揺動レバーがスリップして、6時の歯を僅かに遅れない状態。稀に遅れる時もありますけど・・
調整が終わった機械をケーシングで風防ベゼルを圧入します。
上の2点は私所有の7000番ケース。状態の良い金メッキケースは少なくなりました。その内、7000系のステンレスケースを見つけて入れ替えると良いでしょう。