今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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高くなったフジカミニの巻

2021年07月19日 15時10分00秒 | ブログ

関東地方は梅雨明け三日で暑いです。でもまだエアコンは入れないで頑張るよ。で、いつの間にかフジカミニの相場が上がっていたんですね。1964年9月の発売とのことですから前回の東京オリンピック開催の前月です。あの時は日本中が熱気に包まれていましたが、今回のオリンピックはコロナに包まれて残念です。女性向けとして焦点固定シャッタースピードは単速1/125として撮影の簡便さを狙っていますが、意外にフィルムり装填や巻上げダイヤル、巻き戻しボタンを押し続けないと巻き戻しが出来ない等、あまり操作が簡単なカメラとは言えません。

で、良くあるのが光線漏れ。現オーナーさんがモルトを貼ってありますが、ここではないと思いますね。

 

じゃぁどこなの? これが意外に特定は難しいのです。一番ありそうな場所はファインダー部分です。光線を通してみると・・

 

まぁ、ここが原因とは特定できません。しかし、いつも思いますが、この部分のモルトはファインダー部分で途切れる構造のため、劣化して消滅している純正モルトの貼り方が気になるのです。しかし、殆どやり直されているしなぁ・・

この個体はカメラ市で入手されたそうですが、その時の整備でしょうか軟質スポンジとモルトを重ねて苦労した形跡があります。

 

れはあとの作業で気づいたのですが、裏蓋のモルトはあまり丁寧でなく貼ってありましたので剥がしましたが、巻き戻しボタン部に遮光材がありませんね。ここは軟質スポンジが貼ってあったような記憶です。

 

厚みの適当な軟質スポンジが手持ちに無いのでモルトで作りました。

 

 

特殊なカメラ形状からモルトも簡単な形状ではありません。それを同じ幅の直線で貼ってありました。場所によって微妙に幅が異なります。しかし、これで遮光漏れが解消したかは分かりません。そういうカメラです。

もう一つの大きな問題はフィルムカウンターの進みが規則的でない。

 

 

過去に同じ現象を改善しようとレバーを曲げたり爪の角度を変えたり、最後はバネの形状まで変えてオリジナルの形が分からなくなっています。只でさえ微妙な組立位置でカウンターの動きが変わってしまうカメラですから、ここまでオリジナルでなくされると熱処理が入っている材質ですから曲げの修正をすると折れる確率が高いです。

裏側のギヤの状態も点検しておきます。

 

 

次の問題はレンズの汚れです。60年代のレンズですので汚れています。生きているセレンとメーターASSY を取り外します。

 

するとこのように見えます。シャッターは単速ですから非常に簡便です。バネをはじくだけ。絞り機構はPEN-EEに似ています。

 

分解の部品展開も何となく似ていますね。3群3枚ですからレンズの清掃は比較的楽に出来ます。

 

すべての清掃を終えて組み立てました。このピンをセレンのダイヤル溝で動かします。

 

ガリレイ式ファインダーもPENに似ていますブライトフレームを消さないように清掃します。

 

裏蓋開閉ボタン赤が落ちていますので入れておきます。

 

 

特徴的な前面ガラスの紫系コーティングが劣化しています。本来はフィルターで作り直した方が実写には良いでしょうね。何とか仕上がりました。

 

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