相変わらず光り物が良く写らないデジカメです。珍しいタカノですが、ずいぶんときれいですよ。完全オリジナルなのか、途中でケースや文字盤が入れ替えられている個体も多いですからね。タカノのモデルは良く分かりませんがプレッション、シャトー・スーペリオ・デラックスとか書いてあります。
たぶん新品のベルトだと思いますけど、腕に嵌めたわけでもないのに遊革の接着が剥がれましたよ。し~らないっと。気温が高いので接着剤が緩んだようです。
機械は世界一薄いキャリバーと言われたCal.535(21J)。サイズは実測25.95mmぐらい。1960年代初期ぐらいでしょうか。この頃は文字盤の大型化が流行りで、セイコーで言うとスーパーなどと同じで、ケースを大型化したために縁が厚くなっていますね。
機械は前回のクラウンなどとよく似た構成ですので同じような画像になりますね。
摩耗は少なく分解は1~2度ぐらいでしょう。21石ですので香箱受けに石が入っています。
基本配置はセオリー通りですが地板や受けを薄く作ってありますね。
セイコーに慣れていると耐震装置のバネが非常にやりにくかったです。これはスイスの部品なのかな?
裏側のバネはまた違います。これ三か所を同時に押さえないとセット出来ません。専用の工具が無いと苦労します。
まぁ、何とか組立完了。分解前の測定ではゼンマイ半分以下では測定不能になっていました。片振りが大きいですが、みなさん片振り修正装置の無いモデルはどう調整をしているのでしょう?
こちらも異常に状態が良いですね。タカノでも前期のモデルかと思いますが、アンチマグネチック 17J というのかな? タカノのペットネームは良く分かりません。デッドストックか新品の部品組みなのでしょうか?
ムーブメントにTAKANOと記入がありますのでラコーを国産化したしたものでしょうか。コンディションは殆ど疲労していないのですが、リューズの作動や巻上げ感触は良くありません。セイコーで言うとスーパーよりもその前の新10型あたりの感触に似ています。
輪列受けがごつくて特徴的です。例によってアンクル受けや耐震装置が組みにくいです。天輪は古典的なチラネジ付。やはり設計は古いようです。
で、問題がありまして、この個体には筒車の上に載る針座が入っていないのです。なぜか筒車の針座の載る部分に油が着けられていて、文字盤の裏側に筒車が貼り付いていました。ネットで調べてみると、なんと私のブログでドンピタの画像がありました。(本人忘れています)針座はちゃんと入っているのでした。最近、ネット検索をするとうちのブログにたどり着くことが多くなりました。他に書いている人がいないというだけですけど・・https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/ef/d84081534934d026f1c2eba83c200e9e.jpg
入らない機械もありますからね。で、モリス型と新10型の針座を持って来て・・新10型の方を使います。
まぁ、きれいなケースですね。20ミクロン金メッキとなっていますが、部分的に剥離があるのが惜しい。
タカノは現存数は少ないと思うのですが、なぜかこのようなデッド級の個体が出て来るのですよ。オリジナルなのかストック部品で仕上げられたものかは分かりませんけどね。
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