ご常連の遅れて来たペンマニアさんが、またまた発掘されて来ましたよ。もう何台所有されているのでしょう? 忘れてしまいました。PEN-W #1163XX (1965-5月製)で、未分解機になります。殆ど使用されなかった個体ですが、残念ながら保管が悪く、レンズはカビだらけ、シャッター不動の状態です。まずは、レンズが生きているかの検証です。
前玉、後玉の両方に盛大なカビがありますが、どちらかというと後玉の2枚レンズの前後です。
分かり易いように・・
これだけカビがひどいとコーティングは侵されていますので清掃で剥離するのは仕方がありません。しかし、剥離は少なめで、バルサム劣化は珍しくありませんので撮影は可能です。
オーナーさんはシャッターをご心配されていましたが、殆ど使用されなかったユニットですから問題は無いでしょう。ここのバネ1本で動いているシャッターですよ。
気になったのが、ファインダーの前面ガラスです。やけに薄いですよね。0.85mmしかありません。普通は1mm強ありますので目立ちます。工場で組んだのには間違いありませんが、私も長くやっていますが初めて出会いました。たぶん、納品会社で規格の板厚が欠品して「0.85mmでも良いですか?」「仕方ねぇなぁ、今回だけ特採だ」ということになったかどうかは知りません。
シャッターは全く問題ありません。新品同様です。
きれいなボディーですね。上側のモルトを接着してダイヤルカバーを取り付けます。
ダイヤル類もメッキの劣化がありません。
PEN-WはPEN-Sと違って絞りのクリック機構は板バネによっています。クリック感が乏しいので調整(グリス)をしておきます。
ファインダーの対物レンズは拭き上げではカビ痕が焼き付いて取れません。これは研磨になります。
左が普通のPEN-Sですが、前面ガラスは明らかに薄いでしょ。
部品はありますけど、それも特徴なのでそのまま再使用としました。で、一応完成で調子は良好ですが、ファインダー前面上の塗装ハゲが気になりますか?
では、タッチアップをして完成です。またきれいなコレクションが増えましたね。