今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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変なPEN-FVの巻

2019年01月07日 09時02分46秒 | ブログ

変なカメラが来ましたよ。PEN-FVかと思いきやセルフタイマーが無い。種明かしはメディカル機ですね。このままでは普通に写真を撮ることが出来ませんので、FV仕様に戻す(改造)して欲しいとのご依頼です。

 

こう言うことね。メディカルはFとFTベースがあって、仕様も少しずつ違うんですね。

 

アンダーカバーの留めネジが変なのが付いています。これはオリジナルではありません。

 

普通のFT(V)と違うところ分かりますか? 「Mバネカケ」の形状(カム開度)が違いますね。

 

 吊環の留めネジの片方が変ですね。これは緩んでいるわけではなくて、工場で組立時にネジを斜めに締めてしまったんですね。

 

反対側を観察すると・・左側のネジが締め付け時に電動ドライバーのビットを滑らせています。新入社員の組立工が組んだのか? 日曜日に遊び過ぎて疲れた体調で月曜日に生産されたか・・

 

すみません。新年早々、目が厳しくなったので更新はゆっくり目にします。観察すると、この個体は工場で作られたままという訳ではなく、途中で手が入っていますね。それによって、どこまで元のオリジナル仕様なのかは不明です。仕上げたシャッターユニットを搭載します。

まず、この個体は通常の生産ライン外で作られたようです。本体は35万台付近の仕様ですが、整合性が合わない部分もあります。巻上げレバーユニットですが、中央付近のネジ頭がスリ割りですね。これは20万台付近の仕様で、35万台でしたら+ネジになっているはずです。

左端上下がメディカルのプリズム。右が普通のFT(V)仕様。これにフレネルレンズが追加されます。

 

前板に組み込みました。

 

 

FV仕様に組立完了。

 

 

本体ダイカストは30万台以降ですね。分からないのは、セルフタイマーは装備していないのに、ユニットを取り付けるネジが差し込まれていて接着で脱落しないようにしてある。そもそもネジはいらないじゃん。

 

リターンミラーユニットのMバネカケは交換しました。そもそも、このユニットも30万台以降のユニットではないですね。中央のネジが大きなスリ割りになっていますが、これも20万台の頃の仕様です。工場のライン以外で部品を集めて組立をしたのでユニットの仕様が時期に合っていないのか、途中で改造をされたものか? じゃあ、わざわざMバネカケをメディカル仕様とする必要もないですね。ファインダーのピント調整をいじられているので、人の手が入っていることは間違いありません。

メディカル機の場合、セルフタイマーが省略されているので、取付けネジはいらないのですが、マウントのネジは体裁面なので付けない訳にも行かないのですね。で、裏からナットで留めています。

 

カメラ側は完成。付属の40mmですけど、絞り羽根が絞られない。当初は絞り羽根の油付着と思いましたが違いましたね。この個体は過去に分解を受けていまして、組み間違いを発見しました。どこだか分かりますか? じつは11時位置のバネが裏表逆に付いているのです。

正解はこのようになります。これでは、いくらシャッターを切っても絞りは動かないですね。

 

基本的にシャッターダイヤルなどもPEN-FVの仕様となりますが、シンクロソケットはM/X切換のFT仕様となっています。

 

 

Medical use の彫刻とトップはPEN-Fになります。

 

 

セルフタイマーが無いと寂しいですかね? Fの花文字を入れたのはそのためでしょうね。メディカル機でも、セルフタイマーの穴加工はされていて、グロメット(メ◯ラ蓋)が付いているタイプもあります。他人と違ったFTを所有したいという欲求は理解出来ますね。メディカル機は消耗している個体は少なく、機械は非常に良いものが多いです。どうせ使われないメディカル機を実用可能にして現役復帰させることも意味があるのかも知れません。過去に何台作り出したが忘れましたけど。

https://blog.goo.ne.jp/tomys800

 

 


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