昨日お電話を頂きました。「今週末の娘の修学旅行にPEN-FTを持たせたい」え~今週末~?。お嬢様の思い出作りですから何とかして差し上げたいと緊急で送って頂きました。来て見てびっくり、こんな塗膜の磨滅も無い個体が残っているとは。お電話を頂いたお父様も使用されたカメラだそうです。ストラップも新調されていますね。
使われずに長期保管のため#3166XXと後期の個体ですがハーフミラーは腐食しています。その他、巻上げのゴリツキが顕著に出ています。では作業に入りますが、途中でUPする時間は無いと思います。
フィルムカウンターの復帰が緩慢です。原因はギヤの場合とリターンススプリングの場合がありますが、この個体の場合はリターンスプリングの劣化です。
組立はこれで終了ですが、長期の保管による露出計の感度低下が大きいです。何とか補正をしてありますが、特性にも影響があるかも知れません。
付属の40mmですが、絞りリングの回転が異常に重い。分解をしてみると絞りリングと当たる部分が異常に摩耗しています。たぶん、過去に絞りリングに打撃を受けていて目視で分からない変形があると思います。
指標環の上部が変形陥没しています。やはり打撃を受けているようです。
これで緊急作業完成。このカメラで若い世代のお嬢様が思い出の写真を撮影してくださるのは嬉しいですね。素晴らしく程度の良い個体ですから大切にされてください。(1970年01月製)