どうしたんでしょうかね? 到着しているカメラを見るとPEN-FTがずっと続くのですね。同じ機種を続けられないですから、途中で他を入れたいとは思いますが、ドラマが無いかぎり同じ作業の繰り返しですので、少しUPの間を開けさせて頂くかもしれません。では、たぶんドラマは起きない後期型の#3437XX (1970年05月製)から始めます。
後期型としては光学系の状態が良くありませんね。ハーフミラーは交換予定ですが、リターンミラーも劣化が進んでいますね。
では、分解洗浄後にモルト貼りから進めて行きます。フィルムレールもきれいな良いダイカストボディーです。
シャッターを洗浄のうえ点検します。後期型ですのでチャージギヤはナットによる組立式となりました。(それまではカシメ)ギヤ軸は地板の孔に嵌っているだけで、ベアリング機構はありませんので、使用により地板の孔が拡大して来るのです。
PEN-Fでは持病のコントロールレバー折れですが、FTでも基本の作動原理は同一のため折れる個体は折れますね。突然、シャッタースピードが変わらなくなります。
シャッター幕の点検。クラックなどが無いか点検します。また、回転軸の抵抗もチェックします。画像が停止位置。6時の位置でアパーチァーギリギリに掛かっています。
メカは摩耗も無く良い状態でしたが、光学系は保管があまり良くなかったようです。
で、この画像は次の個体ですが、偶然にも#3414XXと⇧の個体と同じ1970年05月製です。同じラインを流れていた個体ですので同じ女工さんが組んだ個体でしょう。こちらはもっと保管が良くなかったようで圧板のバネと右のフィルム押えにカビが生えています。これ中々取れないのです。カビキラーなんか良いですかね?
こちらも未分解機ですが、露出計の感度が大きく低下しています。湿気の多いところに保管されていた個体は電気部品が劣化します。同じラインを流れていた個体なのに保管によって状態が変わりますね。
34万台としてはハーフミラーの劣化が進んでいます。プリズムのコーティング面にカビがありますが、拭くとコーティングが剥がれる危険性があります。
スクリーンには表面から何かが接触して黒点になっています。これは清掃では取れませんでした。また、後期型のスクリーンはシンプルな矩形▢になりました。それ以前は上下に位置決めの角が2つあります。製造後期なので簡略化なのでしょう。
この個体はスローが不調で1秒で停止しました。スローガバナーのメンテナンスをして改善しました。↑部分にアンクルとガンギ車があります。
前所有者は乱暴にカメラを置く癖があったと見えて、裏蓋の塗装部分とアイビースに傷が多くあります。軽く研磨をして修正をしておきます。
前回の個体も同じボディーキャップが付いていましたよ。3Dプリンター製のように見えますが、販売されているのでしょうか?
付属のレンズは25mmと40mm X2個が来ていました。どの個体もヘリコイドグリスが流化して絞りに付着していますので分解清掃をします。
40mmの後玉はどれも画像のように黄ばんでいますが、変色したのでしょうかね? カラーバランスは崩れると思いますが・・
これでカメラ本体とレンズが完成しました。まだFTが続きます・・
拝見していて勉強にもなりますので、どんどん更新して下さい!
コメントありがとうございます。
同じ機種が続くと自分自身にストレスが溜まってしまうのですね。内容もマンネリしていまいますからね。