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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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フジカ35-MLかぁ・・の巻

2021年06月01日 10時15分00秒 | ブログ

少し前にやりましたけど、中古店様からまた来ましたよ。最近はこのクラスのカメラも販売のアイテムになって来たんでしょうか? 生産年が1958年を考慮すればデザインも含めて斬新なカメラだと思いますけど持病もありますね。この個体は絞り羽根が固着していて、無理に作動させたためかライトバリューの組合せが狂っています。

このカメラのレンズの繰り出しは通常の直進ヘリコイドではなく、中央真鍮製のスリーブ部がピストンの様にスライドして前後させる構造ですが、ここのグリス潤滑が切れると(現存すべて)ガタが発生してレンズを下に向けた時に引き方向で噛み込んで動かなくなるもので、これは構造的な問題ですからすべての個体に発生していると思われます。

問題はシャッターユニットを本体から分離するために裏側のリングナットを緩める必要がありますが、このカメラの場合リングナットが非常にタイトな位置にあって汎用工具ではリングナットの切り欠きに工具をセットすることが出来ません。あ~、仕方ないなぁ、今度はいつご依頼があるか分からないので無駄になる可能性もありますが、例によって専用のレンチを製作しました。急がば回れ、専用工具に勝るものはありません。

で、スリーブ部のメンテナンスをして作動を見ています。ダイヤルを回すとリンケージによりスリーブが前後に動く構造。直進ヘリコイドのような複雑な構造にしないメリットはありますが、長期の性能維持は難しいですね。

 

M型からMLになってライトバリュー式になっています。正しい値になるようシャッター側のラックギヤをセットします。

 

MLのファインダーはプリズム式ではなく、一般的なミラー式です。前面ガラスを取り外して清掃してあります。

 

ファインダーを外すと必ず∞がズレますので調整をしておきます。画像は横ズレ。

 

 

何度やっても忘れる。トップカバーの組立て方。フィルムカウンターレリーズボタンなどをトップカバー側にテープで貼っておくと楽です。レンズを∞にセットして置いてダイヤル位置を合わせます。

 

流石に付属の革ケースは劣化と汚れが激しく年代を感じました。ブラッシングと栄養補給をして完成です。当時のお父さんが遊園地で子供さんを撮影していたのでしょうね。

 

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