大阪の輸出機マニアさんからリコー・スーパーショットというカメラが来ています。この方は度々、ヒコーキの食玩を入れて頂きます。ありがとうございます。あら、中島の九七艦攻ですね。それも発動機が「光」の1号です。
頂いて文句は言えませんが、最近のエフトイズの塗装が荒いのが気になっています。以前の物は精密に塗られていたと思いますが、翼の銀塗装がボツボツです。一度剥離をして下地に黒を吹いてから明度の異なるシルバーで塗り分けたら良くなると思いますがその暇が・・
母艦搭載の海軍機は太平洋戦争に突入する前は九六艦戦なども同様なシルバーですが、これはジュラルミンの無塗装という訳ではなく塩害防止のためシルバーで塗装をしてあるのです。尾翼を赤に塗るのは、海上に不時着した時に発見を容易にするためとか読んだ記憶があります。そろそろ空母に改装した「かが」が完成しますね。
で、古いレンズシャッター(セイコー561)機はシャッター羽根の張付きが問題ですが、この個体はシャッターと絞りの両方ががっちりと張り付いて動きません。前回のキヤノネットも同じですが、レンズ前縁のリングネジは簡単に緩んでくれません。フィルターリングがアルミでリングネジが鉄ですから噛み込んでしまうのと、長い間の固着とフィルターリングの歪なども影響しています。しかし、ここを突破しないと何も始まりません。
何とか突破しました。内部は12時にCdsがあってレンズは前玉回転式。右側にファインダー内に表示されるダイヤフォーカス用のカムが見えます。
画像は正常な位置にセットしてありますが、絞り羽根が固着した状態でレリーズボタンを押したために連動が外れていました。ここは万一、絞り羽根固着の時に連動部分にダメージが及ばないように外れやすく設計されているのかも知れません?
絞り羽根のリターンスプリングが弱い(劣化?)こともあって絞り羽根の制御が不安定ですが、何とか作動するようになりました。
ファインダーを清掃しますが、ヘリコイドと連動する部分と一体になっています。
外れていたのがダイヤフォーカス用レンズ。メーカの解説では「フォーカスリングを回すと菱形の幅が大きくなったり地テサくなったりする。人間の顔の幅に菱形の幅を合わせるとピントが合う」とのことです。なるほどね。
シャッターの清掃とレンズの清掃をしました。前カバーは左右2分割式は面白い。
裏蓋はオートハーフと同じで全面にモルトが貼ってありますね。貼り直しをしますが、普通のカメラよりモルトの使用量が多いです。
トップカバーは単体でもかなり重くしっかりとした作りです。そのせいかへこみもありません。しかし、デザイン的には素敵な電池蓋は親指の腹で回す方式と思いますが、ネジの加工精度が良くないので引っかかって回しずらいです。
ヘリコンドグリスも抜けていましたので当然、清掃の上新しいグリスを入れてあります。
底部はオートハーフと同じです。ゼンマイ巻上げのためセイコーシャッター(561)はセットトルクは軽く設計されているとのことです。
しかし、修理をする時はゼンマイ巻上げは不便です。オーナーさんは本務機の他に必ず予備機を用意して頂いていますが今回は2台の予備機が付いていました。しかし、なるべくニコイチは避けたいので本務機のみで仕上げました。
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)