今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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完全O/H済らしいローライ35の巻

2023年06月20日 10時30分00秒 | ブログ

デパートの催事で完全オーバーホール済みとして購入されたローライ35ドイツ #3140XXXです。しかし、撮影をすると露出不足の真黒な写真になります。(プリント添付されました) 例によって点検をすると受光窓を指で塞いでもメーター針は中央から左に戻りません。みなさんはもうお分かりと思いますがCds不良ですね。

大人の事情で詳しくは書けませんが元の素材としては良いカメラのようです。しかし、レンズの汚れ、ヘリコイドグリスは劣化していてメンテナンスを受けたとは思えません。トップカバーを開けようとするとシボ革の一部がトップカバー側について切れていました。ということは分解は受けているということです。ローライ35では、トップカバーとシボ革が接着しているケースは稀にありますので分解された方のせいではありません。

このようなケースでは、本意ではありませんが現状で入手可能なCds素子に交換するしか手がありません。

 

Cds交換はユニットを分離して単体の状態で行います。すでに交換したところ。

 

 

針が左端まで戻るようになっています。

 

 

では、通常のメンテナンスをして行きますが、過去に分解をされた形跡は感じないけどなぁ? あくまでも私の感想です。

 

シャッターユニットもネジのスリ割りもきれいですので分解されていないようにも見えますね。沈胴の調整もしておきます。

 

構造的にチリが混入しやすいので汚れていたレンズを清掃したところ。

 

 

個体によってシャッターユニットの後ろに入っているシムの厚さは異なりますが、この個体は0.2mmのシムが3枚入っています。

 

沈胴チューブとシャッターユニットを組み立ててフィルムレールを取り付けます。

 

 

まぁ、オーバーホールの定義は人によって異なりますが「完全」は余計だったような気がしますね。

ブラックモデルについてはカバーの材質をお書きすることにします。この個体はアルミ製でした。

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