大阪にはご常連さんが沢山いらっしゃいますが、この方が送ってこられるカメラはどれも非常に程度がよろしい。購入はなるべく現物を見て確認されるそうです。確かな選択眼をお持ちです。今回はハーフが3台来ていますがPENではありません。まず、1台目は、ドイツのアグファ・パラマートと言うカメラ。高級カメラではなく、フィルムの消費促進用クラスですね。特に不具合は無いようですが、レンズの清掃をご希望です。回転の前玉分離は国産の標準は距離リング横のイモネジを緩めるですが、このカメラにはイモネジが無い。では、プレート下にネジが隠されているはず・・プレートを分離してみると、ありました。
抑え用のワッシャーを介してネジ留めされていますが、ネジのスリ割がきたないですね。過去に分解された形跡はないのですが・・この構造だと、ピントの再調整時に必ず接着プレートを分離しなければなりませんね。
レンズを分離して清掃をします。
2枚のレンズの間に絞り羽根がある関係で、密閉されずに外気と繋がっていてチリの混入がし易いようです。
前面の樹脂プレートはレバーが邪魔をしてすんなり入ってくれません。
トップカバー右端にホットシューがありますが、これを分離しないとカバーが取り外せません。こちらのネジ頭もスリ割が荒れていますね。たぶん、未分解の個体だと思うのですが・・
国産かカメラにも同様な構造がある巻上げレバー部のシャッター。巻上げレバーも分離しないとカバーは外れません。
国産と原理は同じEE機構ですが、ノコギリのギザの細かさ、ベースプレートの材質が立派。針標の目盛りは機械加工ですね。手間が掛かっています。
拡大した方が分かり易いですね。ファインダー前面の◯は針の動きによって赤/青に切り替わり、適正露出が分かります。ただし、ロック機構はありません。
ファインダーを分離して清掃をします。
フィルムカウンターは裏面にありますね。復帰は手動で行います。
裏蓋はpENと同じ構造ですが、開閉がレバー式となっています。
やっと全体のお姿。レンズは定評のあるCOLOR-APOTAR1:2.8/30で、シャッターはB、1/125となっています。シャッターボタン(レバー?)は前面にあって、作動はかなり重く1/125では手ぶれの危険性を感じます。ドイツ製らしい大柄にシボ革は白色もあるようで、中央の◯プレートも白となっている個体もあるようです。まぁ、ネジ2本で簡単に交換出来ますけどね。