今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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オリジナルのPEN-Sブラックなのだが・・の巻

2016年05月26日 20時08分23秒 | ブログ

久しぶりにPENです。みなさんからPENが来ないとUP出来ませんので、よろしくお願いしますね。で、遅れて来たPENマニアさんから。まずブラックの真贋は如何に? とのことですが、オリジナルですよ。#1684XX 1961-4月製造ですが、ブラックモデルはこの月に製造が集中していまして、私のデータベースでは過去に#165327 #167000 #168509などオリジナルブラックは全て同じ月の製造です。外観は塗装剥げ、へこみが多いですが、一定のレベルは維持しているのではないかと・・

  小当たりが多いですね。疑問は過去の同じ月の製造個体は、カニ目ネジは全て、カニ目孔が貫通していないタイプが使われていますが、この個体はそれ以後の貫通タイプですね。たまたま切替の時期だったか、他からの流用か?

ダイカスト本体もへこみがありますね。トップカバー横のネジは、何故か、PEN-Wのような黒塗装ではなく、メッキで正しいようです。

 

吊環部が陥没しています。なるべく修正をしておきます。

 

 

シャッターは低速不調でしたが、完全にO/Hをして復活しています。

 

 

本体は洗浄組立済み。完成したシャッターを本体に搭載します。

 

 

巻上げダイヤルカバーは何故か傷だらけですね。これもなるべく研磨ということで、

 

レンズは意外にきれいなのですが、それが気になるのです。レンズ、ヘリコイド、カム板、シャッターリングなど、一式で移植されているのではないかという懸念。

 

駒数ガラスにクラックがありましたので、折角のブラックなので交換をしてあります。製造初期はゴム系接着剤で接着していることに注意。分解清掃をしたファインダーは、リンクル塗装は本来艶ありで、劣化によって露出部分の艶が引けているのが真相。新品の時はピカピカだったんですよ。

怪しい駒数ネジも新品交換としています。ブラックモデルの製造は1961-4月に集中していますが、この個体はコパルでのシャッターユニット製造は1961-4月ですが、製品完成は1961-5月の可能性もあります。1961年(昭和36年)は私はA級プレーンとプラモデルに夢中な子供でしたが、映画俳優の赤木圭一郎が日活撮影所でゴーカートで事故死したとか、ソ連のボストークでガガーリン少佐が地球を一周したとか、大人から聞いてかすかに記憶してます。考えてみれば、そんなに昔に製作されたカメラなんですねぇ。腕時計の世界では、まだ手巻き非防水の頃ですね。

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