goo blog サービス終了のお知らせ 

今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

腐ってもローライフレックスの巻

2015年08月11日 22時36分14秒 | ブログ

夏休みに入った方も多いのでしょうね。私も、ちょうどPEN関係のご依頼も一段落したので、バイクのエンジンを組み立てる予定にしていましたが、ボーリング屋さんからシリンダーが届きません。そこで、ご常連の笹原ペンさんから、腕時計とカメラが来ていましたので見ることにしましたが・・うぁ、すごい状態。ローライプレックスのⅢ型ですかね。「所見を」とのことでしたが、いつも厳しい状態の腕時計やカメラを送って頂きますが、今回はまた強烈ですね。機械はどこの部分も可動せずシボ革は剥がれてレリーズボタンのロックを無理に外そうとしたのか、ポキッと折れています。(私の仕業ではありません) 車やバイクの世界で使う言葉で「殆ど土に還る寸前の状態」ですね。これは厳しいなぁ。本来は修理断念でしょうけど、レストアは工数的に不可能なので、意地で動く状態にだけしようかと思います。

シボ革が剥離してから相当の時間が経過ているのでしょう。アルミは白い粉を吹いています。レンズはTesar 73mm 3.5 Zaiss-optomがついていますが、前玉は小キズで曇り気味です。

 

巻上げ側。巻上げも固着気味でチャージがされているのか? シャッターは全く動きませんね。

 

ビューレンズはそれほどひどくは無いようです。しかし、ミラーは汚れと言うよりは腐食で反射していない状態。

 

あまりにも絶望的な状態でしたので、画像を撮影する余裕がありませんでした。チャージをするとシャッターユニットの上、ビューレンズ左のセルフタイマーユニットが同時にチャージされるが、まず、タイマーが動かない。それを改善させても各部の摩耗と作動不良によって、タイマーとシャッターが連動しない。それによって固着状態に陥っているもの。シャッターユニットも油切れにより作動不良とスローガバナーも動かない。一つずつ改善して行くしか方法が無いです。

シャッターは何とか作動するようになって来ました。では、ファインダー関係を分離して清掃します。画像は清掃後ですよ。ピントグラスも多分一度も清掃されなかったのでしょう。真黒で汚れ放題。分離して洗浄しました。

ちゃんと動くようになりましたよ。固着していたレリーズボタンを引っ張りましたらスポッと抜けてしまいました。本来はカシメでしょ。良々観察すると、過去にも抜けてペンチで曲げられています。これは接着をするしかないですね。

この状態でも作動をするというのも流石ローライと言うべきか? しかし、残念ながら本気で修復する状態ではないので、作動状態までとします。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/