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今日の筆洗

2022年05月20日 | Weblog
クリント・イーストウッド監督の映画『硫黄島からの手紙』は、太平洋戦争末期の硫黄島での日米の激闘を日本側の視点で描く▼上陸した米軍と比べ、日本軍は兵力で圧倒的に劣ったが、島じゅうに掘った洞窟にこもり持久戦に。負けるにせよ、戦いが長引けば日本本土への敵の攻撃が遅れると考えた▼映画では、渡辺謙さん演じる総指揮官の栗林忠道中将が「我々の子供らが日本で一日でも長く安泰に暮らせるなら、我々がこの島を守る一日には意味がある」と説いた。米軍は五日間で占領する計画だったが、戦闘は一カ月を超えた▼ロシア軍が二カ月以上包囲するウクライナ南東部マリウポリで、洞窟ならぬ製鉄所の地下で抵抗を続けたウクライナ兵が投降し、捕虜になった。ウクライナ側は「任務の完了」と説明した。孤立無援の中でもロシア軍をくぎ付けにし、その間に他の戦線に兵器が補給され、東部ハリコフ周辺も奪還。抵抗に意味はあったのだろう▼マリウポリのウクライナ勢の中核・アゾフ連隊の兵士の家族は救出を求め、政府も捕虜交換を望んでいるが、実現は不透明。ロシアは反ロ意識が強烈なアゾフ連隊を「ネオナチ」と呼び、憎んでいる▼映画では、終戦から久しい硫黄島の洞窟で、日本兵が家族に書いた大量の手紙が見つかる場面がある。遺骨は今も島に眠っている。兵士は家族のもとに帰さねばならない。
 

 


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