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今日の筆洗

2024年06月17日 | Weblog
梅雨入りが平年より遅れている。雨にまつわる面白い江戸川柳がある。<黒主はそっとてるてる坊主をし>。黒主は平安歌人の大友黒主(おおとものくろぬし)。なぜ、てるてる坊主なのか。謡曲の「草紙洗(そうしあらい)」と関係がある▼小野小町の才をねたんだ黒主はある日、小町の歌を盗み聞きする。歌合わせの会で小町がこの歌を発表したところで黒主さん、「盗作だ」と騒ぎだす。万葉集を示し、ここに載っていると。もちろん黒主が書き込んだ。小町が万葉集の草紙を水で洗わせると黒主が加筆した部分だけが流れ落ち、小町の潔白が証明される▼だから、あの川柳は草紙がぬれては困る黒主が雨を嫌い、てるてる坊主をひそかにつるすのだと。梅雨の遅れに黒主の腹黒い願いを連想したが、雨がうっとうしかろうと梅雨の季節がきちんと巡り来ないとやはり落ち着かぬ▼平年の梅雨入りは関東甲信地方が6月7日で東海地方が6日。絵描き歌にある「雨ザーザー降ってきて」の6月6日は1週間以上も過ぎている▼アオイの花が咲けば梅雨入りで花が茎の上まで咲けば梅雨明け。そんな言い伝えもあるが、ご近所のタチアオイはもうてっぺんまで咲いている▼梅雨の代わりにやって来たのは猛暑の方で、高校の女子生徒の手には小さな扇風機が目立ってきた。梅雨を飛ばしての急な暑さに体の方がなかなか追いつかぬ。はや「熱中症にご注意を」の季節である。
 
 

 


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