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今日の筆洗

2024年06月04日 | Weblog
 ジェームズ・ジョイスといえば、『ユリシーズ』などのアイルランドの作家だが、欧米などではその名前がゴルフのスラング(俗語)として使われるそうだ。意味がお分かりか。パッティングと関係がある▼右に切れるのか左に曲がるのか、まるで見当のつかぬグリーンの複雑なラインをいう。ジョイスの作品を思い出せばピンとくるだろう。独特な表現が難解すぎて「さっぱり読めない」というしゃれである▼最終日の6番ホールは「ジェームズ・ジョイス」だったか。最初のパットはカップに届かず、次はオーバー。そのまた次はカップに蹴られる。プロでは珍しい痛恨の4パットでダブルボギー。ゴルフの全米女子オープンで優勝した笹生優花選手である▼「ダボ」のホールを名場面に挙げるのは気がひけるが、ここが勝負の分かれ目だったか。正確にはその後である。4パットにも心を乱さない、あきらめない。勝利を信じ、がまんを重ね、ついに逆転。技術やドライバーの飛距離はもちろん、何よりも強い心を持っていらっしゃる▼2021年の同大会でも優勝しているが、そこからツアー2勝目が遠かった。ゴルフそのものが難しい「ジョイス」に見えていた時期もあっただろうが、がまんの日々がなにごとにも動じぬ心を育てたのかもしれない▼「ユウカ」。その名前を「耐える」という意味の言葉として使いたくなる。