コロンブスはなぜ大航海に乗り出したのか。理由ははっきりとしないらしい。ペストの大流行によって荒廃した欧州で、希望を新天地に求める機運が高まったことが、多くの航海者の登場につながった、とも考えられるらしい。歴史学者の木村尚三郎さんの著書に学んだ▼このところ、伝染病、感染症の歴史にまつわる本をひもとくことが増えた。病気の流行がいかに人類の歴史を変え、生活に影響を与えたかを教えられている▼現在の新型肺炎も、世界にさまざまな変化をもたらしている。感染者が増えている国では、感染を避けるため、あいさつに変化が起きているという。フランスでは握手が、ほおを合わせるあいさつとともに減った。海外の通信社によると、イタリア政府は握手の自粛を呼びかけるという▼中東などでも同様のことが起きている。アラブ首長国連邦は鼻同士を接触させる伝統のあいさつを控えるよう呼びかけたそうだ。各国で日常の光景を各地で変えている肺炎である▼新たな握手もあった。中東のニュースサイトが、政治的に緊張関係にあるイスラエルとパレスチナ自治政府が肺炎対策で協力を始めたと報じている。難しさも伴う協力のようだが、政府の専門家が緊密に情報を交換しているという▼「ウイルスは国境を知らない」とパレスチナ当局者が言っている。少しでもいい方向の変化が起きればいい。
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