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今日の筆洗

2020年12月02日 | Weblog

「イタメシでもどうです」と尋ねると相手は「中華料理はちょっと…」と答える。ウン?となる。提案しているのはイタリア料理である▼イタメシという言い方が一般的になった二十年ほど前の話である。相手は日本人だが、海外生活が長く、新しい日本語になじみがなかった。イタメシの音に「炒める」が頭に浮かび、「炒メシ=中華料理」と考えたらしい▼「いやいや、イタリア料理ですよ」と笑わなければよかった。一つの新語を前に深く反省している。新語とは「ぴえん」である▼「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2020』」の大賞に選ばれたそうだ。コラム書きとして恥をさらすが、この言葉をまったく知らなかった。まず、浮かんだのは鼻炎の軽いやつである▼若者の言葉で「軽度の悲しみや落胆」を表現する擬音語らしい。知らなかった悔しさも混じるが、若い世代というのは実にパ行に弱い。かわいらしさを感じるのか、少し前の流行でいえば「タピオカ」「パプリカ」。お菓子にもポッキーやらプッチンプリンやらパ行が多い▼悲しみまでかわいらしくしたいのかと書きかけたが、これはこれで気遣いの表現かと思い直す。悲しくとも、緊張感の弱い「ぴえん」なら聞く相手をさほど心配させない。こんな言葉を使わざるを得ないコロナの年だったのだろう。同じ悲しい擬音語なら「さめざめ」である。


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