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今日の筆洗

2022年05月28日 | Weblog
二〇一六年五月二十七日、オバマ米大統領(当時)が被爆地の広島を訪れた。昨日で六年になった▼謝罪はなかったが、訪問前の共同通信のアンケートでも広島、長崎の被爆者の八割近くが謝罪を求めないと答えた。原爆投下を正当化する意見は米国で根強く、回答では「謝罪してほしいが、求めたら来られない」といった声が目立った。本音を抑え、現職米大統領の初訪問を願った▼来年の先進七カ国首脳会議(G7サミット)の広島開催が決まったが、これと無関係な国を巡る報道も最近あった。広島市は今年八月六日の平和記念式典に、ロシアのプーチン大統領と駐日大使を招待しないという▼例年は核保有国の首脳や各国駐日大使を招待するが、日本政府と相談し、ロシアが出る式に出たくないと他国が考えるリスクを考慮した。プーチン氏本人が過去に招待に応じたことはないが、決定は惜しい気も。ウクライナ侵攻で核使用の可能性を否定しない人こそ来てほしくなる▼地元の中国新聞は六年前、連載『被爆者からオバマ氏へ』で人々の思いを伝えた。八歳で被爆した女性は、平和記念公園ができた所は多くの人が亡くなった繁華街で、園内の原爆供養塔に引き取り手のない約七万人の遺骨が眠ることに触れた。「原爆の恐ろしさ、被爆者の嘆き…。湧き上がる声を感じてほしい」▼モスクワにも届けたくなる思いである。