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今日の筆洗

2022年05月02日 | Weblog
<這(は)へ笑へ二つになるぞけさからは>。小林一茶の有名な句で、娘のさとが二歳になるうれしさが伝わってくる。最初の子を亡くしている一茶にはよほどかわいかったのだろう▼さとは五月生まれ。現代の感覚なら誕生月の五月の句と考えたくなるが、文政元(一八一八)年の暮れの句と伝わっている▼当時は生まれた年を一歳と数え、その後は新年を迎えるごとに一歳を加算する「数え年」で年齢を表したので二歳になる正月が待ちきれず年の暮れに詠んだかもしれぬ。この句の数カ月後、さとが天然痘で亡くなっている事実が悲しい▼かつてアジアで広く使われた数え年の習慣がわが国から消えて久しいが、お隣の韓国では今も続いていたことを最近のニュースで知る。韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)次期大統領。この数え年を廃止して国際的に使用される満年齢を基準とする法改正を検討しているという▼韓国では数え年が一般的だが、生まれた年はゼロ歳で誕生日を迎えるごとに一歳を加算する満年齢、数え年から一歳を引いて数える方法と三つの年齢が混在しているそうだ。伝統とはいえ、ややこしいのは確かだろう▼法改正によって、満年齢が基準になれば、数え年の年齢から一つか二つ、若返るという人も出てくることになる。気分だけとはいえ、少々、うらやましい話でもあるか。最悪の日韓関係の方も良い方向に若返ればありがたい。