ファンタジアランドのアイデア

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即席ラーメンの値上がり・健康志向・アムール川  アイデア三題噺 228

2019-04-27 17:27:31 | 日記
 即席ラーメンが、値上がりしています。その中でも、海藻を使ったものが目に付きます。わかめラーメンなどの90品目が、6月に4~8%値上げするようです。この種のラーメンの値上げは4年半ぶりになります。理由は、ワカメの不漁によるものです。特に、人気の三陸ワカメは、前年同期と比べ3割少ない状況です。日本全体のワカメの自給率は、25%まで低下していまます。中国や韓国からの輸入物が、多く出回る状況が続いているのです。中国や韓国でも、健康志向から海藻の人気が高まっています。海藻の値段も、高めに推移しているわけです。結果として、海藻を使う即席麺などの製品価格にも、影響が出始めたということです。
 そこで、海藻、特にワカメの収獲について考えてみました。ワカメは主産地である東北の収穫量は、前年より3割少なく、卸値は2割高で推移してます。岩手県や宮城県のワカメは肉厚で、三陸ワカメとして珍重されています。三陸でも有名な「重茂のワカメ」は外海の激しい潮流にもまれて育つため、肉厚だでやわらかいという評価を得ています。このワカメの成長には、鉄分が欠かせないのです。一般に、魚や貝類の餌になる海藻やプランクトンは、鉄分が必要になります。植物プランクトンは光合成をする際に、鉄がないと葉緑素を十分につくれません。この鉄を供給してくれるお助けマンは、海に注ぐ川になります。川の源は森林で、そこから流れ出す鉄分が海の生物の成長を促すわけです。森から流れ出る鉄はフルボ酸鉄となって、海へ運ばれ、植物プランクトンに取り込まれます。フルボ酸鉄が多ければ多いほどプランクトンも増えます。森の生態系の維持が、海の幸にも必要だと言うことになります。
 余談ですが、瀬戸内海が綺麗になりすぎて、魚やカキが取れなくなったということがあります。行政の指導で、海に有害物質を流さない仕組みを作ったのです。その結果、山から流れていた鉄分やその他の栄養素が、瀬戸内海に入らなくなりました。広島の美味しいカキなどは、ずいぶん迷惑を被ったことが思い出されます。三陸海岸のフルボ酸鉄は、北上高地から太平洋に流れる川から供給されます。でも、これ以上に大切な流れがあります。ロシアの大河アムール川の森林でできたフルボ酸鉄が、オホーツク海へ運ばれるのです。このフルボ酸鉄がアムール川からオホーツク海へ、そして海流に乗り三陸沖に運んできます。いわゆる親潮には多くのフルボ酸鉄が含まれているわけです。南下する親潮と北上する黒潮がぶつかり、潮目を作ります。そこにプランクトンが大量に発生し、そのプランクトンを求めて魚群が集まるという構図です。
 私たち人間は、魚だけに目を奪われがちです。でも、海藻や貝類にとっても、素晴らしい生育の場所なのです。海藻は、健康志向の高まりから世界中で人気のある食材になってきました。その値段も、徐々に高止まりで推移しています。三陸の海を守っていきたいものです。心配は、アムール川にダムでもできた場合、日本の漁業はどうなるのだろうかという点です。でも、これも人間の英知で解決できるとポジティブに考えています。