ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

必要なときに必要なアイデアを作る

2016-10-21 21:36:34 | 日記
必要なときに必要なアイデアを作る

 流行が、すぐに変化する時代です。短いサイクルで商品の盛衰が進みます。ブランド商品が成長期に入れば、販売目標を高めに設定して果実を得るアイデアが求められます。成熟期になれば、その期間をできる伸ばすアイデアが求められます。さらに、衰退を予測し次の商品の開発に取りかかることになります。すると、開発商品のためアイデアが必要になります。アイデアが次々と必要とされ、必要に応じたアイデアを作らなければ生き残れない時代になっています。今回も平賀さんにトット記者が、必要なアイデアの作り方についてお話を伺いました

記者「日本はゲーム大国だと思っていたら、いつの間にか欧米に追い越される立場にいたとは知りませんでした。どうして、こんな事態になったのですか」
平賀「以前は、押しも押されないゲーム大国でした。欧米諸国は、日本の優れたゲームを分析し、その長所や短所をシェア(共有)していったのです。太平洋戦争中日本の零戦が、アメリカによって徹底的に解体分析され、その性能や弱点が暴かれました。零戦に勝つためにグラマンが開発されたことと、同じことが起きたと思って下さい。欧米人は情報を交換しながら、日本のゲームの良さを分析し、乗り越えていったのです」

記者「確かに、日本のやり方は師匠から弟子に伝えていく形式でした。でも、欧米ではシェアしたゲームのノウハウを、みんなが使えるものに変えるプロセスをたどったわけですか」
平賀「はい、ゲームのノウハウは、アイデアのかたまりです。欧米は分析したゲームを、再生産可能な形に変換して、大量生産していったのです。いわばアイデアを大量生産していったともいえます。アイデアを他の人達とシェアできる形にしたわけです。シェアをすることと情報管理を上手に行ったことで、質の高いゲームをたくさん作り出しています」

記者「アイデアは、自分が属する業界のことを知り尽くした上で、異分野の知識を組みあわせて作るものでしたよね。それが、一人ではなく複数で作れるということですか」
平賀「そうですね。アイデアを上手に作れない人は、自分の好みの情報だけを吸収する傾向があります。個人の中で、専門知識と異分野の知識を吸収する人が上手に作れる人です。前にも述べたように、アイデアは突然やってくるものではありません。真剣に考えて脳に入力した情報が、組合せの工程を経ながら、一定の結論に変換して外部にアイデアとして出力するということなのです。経営のトップは、自らの学習に割ける時間は限られています。そこで、自分の知らない思考形式、学問体系、先端知識などを手に入れる仕組みを持っています。考え方が対立する専門家を取り込み、双方の視点を取り入れ、最終的決断を下すことは良くあることです。自分の脳以外の場所で、アイデアを作る仕組みもあるということです。イエスマンだけ回りに集めれば、その会社は危ないことは歴史が示すところです」

記者「自分だけでできない場合、どういうパターンがあるのですか」
平賀「まず、社内の仲間があります。生きた情報は、固定したものではなく、速いスピードで融通無碍に変化していきます。この生きた情報が、なければ質の高いアイデアはできません。他人より速く行動するある特異な人に、情報が集まる傾向があります。情報が集まってくる人と、組むことが大切です。全分野にわたって、専門家になることは不可能なわけです。社内の異分野の人達と有機的に結びつくことで、質の高いアイデアを作ることができるようになるのです。各分野の専門家がミックスしている組織は、それだけいろいろな角度から情報を組合わせることが可能になります」

記者「質の高いアイデアが、一人ではなく複数でできることはなんとなく分かったように思います。それ以外のパターンはありますか」
平賀「最近は、社外の人材との交流が注目されています。成長産業の現場では、商品開発において人事でも営業でも業務の遂行には速い柔軟な対応が求められます。多くの良質のアイデアは、このような成長産業から作り出されます。一般に個人が自分の専門分野に詳しくなればなるほど、新しいアイデアは出にくくなります。その分野に詳しくなるほど、新しいアイデアに否定的になるようです。また、人事評価の記録が重視される企業では、新しいアイデアが出にくいという報告もあります。個人の才能と努力を最大化するには、組織の柔軟なマネジメントが必要になります。個人の才能が社内で発揮されない場合、外部との接触によりその才能を開花させるマネジメントも取り入れられるようになってきました。異業種の企業との人材交流が、コンサルタント会社によって企画されています。盛況ということは、有益な何らかの理油があるのでしょう」

記者「確かに、国内での異業種との交流があることは聞いています。そのほかには、ありませんか」
平賀「外国との交流になりますね。有名なところでは、シリコンバレーがあります。先端の知識との接触により、必要なアイデアを持ち帰る人は多いようです。日本の巨大企業の会長が、シリコンバレー詣でを繰り返していることはよく知られています。映画産業を抜いたゲーム産業のメッカは、モントリオールになっています。ゲームのアイデアを作り出すのであれば、モントリオールでの交流は有意義なものになります」

記者「個人でできないアイデアは、社内の仲間と作ります。社内の仲間とできない場合、社外との交流を生かします。国内でできない場合、外国人の持つ知識と組合わせてアイデアを作っていくということですか」
平賀「はい、そうなります。アイデアを作り出すには、知的文化や知的環境が大切になります。それらの環境を、自分で作り、仲間と作り、社外の交流で作り、はたまた外国の知人と作るということになります。役立つ生きた情報は、ある特定の人に集まる傾向があります。この人物を大事にすることが、アイデア作るときの要諦です。間違っても、今考えていることや進捗状況を報告に来させてはいけません。聞きたいときは、上司が行って聞くのです。得がたい人材に報告の義務など負わせて、彼の貴重な時間を奪ってはいけないのです。義務的な報告の合間に、彼からいくつかのアイデアが消えているかもしれないのです」

記者「必要な時に必要なアイデアを作るということは、アイデアを作り続ける人々の知的文化や知的環境を整えることだったのですね」
平賀「はい、アイデアは一人の人間だけでは作れない高度なものになっています。先端のアイデアをシェア(共有)した者同士が、異分野との組合せを行います。そこからさらにより高みに昇華するするアイデアを作り出していくわけです。アイデアが集まり、アイデアをより高度化していく工程ですね。新しい組合せで経済活動が活発化すれば、それは技術革新になります」

記者「アイデアが求められる理由が、わかりました。企業が求めるアイデアは、一定の論理や必然性があるのですね。何か、簡単にアイデアをつくることが恥ずかしくなりました」
平賀「そうは考えないでください。アイデアを作ることは、頭の体操にもなります。老化防止には、良いトレーニングになります。すき間産業などでは、簡単なアイデアで業績を上げている企業も多いですよ」


ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。