それは、祭りのあと。
皆で盛り上がり、ひとつになった心。
あのわっしょいを忘れない。
淋しさと共に残った達成感。
どちらかと云うと穏やかにも近い、晴れやかな気持ち。
「勝ったのは俺たち」
「ええ、云うなかれ」
「ただ、へび呼ロイドはいない」
「決壊したのね」
想像は付くわ、と、マツバは立ち上がる。
「うん。それ以上はご想像におまかせしますってやつ」
「はあ、思い出したくもないわ」
うーんと、フワは考えないようにする。
「ちなみになんだが」
アヅチは云う。
「その場合、決壊したのはへびなのか、風船なのか」
「聞くな」
マツバはアヅチを一蹴する。
そして
「行きましょう」
アヅチも頷く。
「そうだな」
砂一族の村へ――!!
「さあ、あなたたち!」
マツバは砂一族を招集する。
これからは砂一族とともに砂漠の横断。
「進むわよ!!」
「「「はいっ!」」」(砂一族数名)
もうわっしょいはいらない。
かくして、南一族と砂一族は砂漠を進みだす。
「暑いわね」
「やばいよ、猛暑日」
「雨の季節があったのかなかったのか」
「水分補給しよう」
「もう一息だから頑張ってよね~」
フワの言葉に、ヨシも頷く。
「うちの村についたらおいしいごちそうを準備しますわよね、お姉さま」
「もちろん♪」
「ふん。やるじゃない、あなたたち」
「たぶん、何か入ってるけどな」
やがて、その姿は遠のくのであった。
砂漠。
強い日差し。
まだ残っている人影。
もうすこし、時間がたって
「はっ!!」
リクイン、トキ、タツキは目を覚ます。
「何時!?」
「ここどこ!?」
「てか、あの南一族たちは!?」
「おはよー」
アマキは手を振り
「もうお昼は越えてるよ。砂漠。南一族は砂一族の村へと向かった。」
全部答える。
「いったい何があったんだっけ?」
首をかしげるリクインを見て
アマキはもはや何も云うまい、と誓うのであった。
「帰ろうか」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「そうするか」
こうして、東一族は東一族の村へと戻るのであった。
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