浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

協演者泣かせのエリカ・モリーニ

2006年12月16日 | 提琴弾き
1967年2月に紐育で行われた演奏会で、モリーニとフランチェスカッティがバッハの2台の提琴の為の協奏曲を演奏してゐる。
エリカ・モリーニの協演者泣かせについては、前にもスプリング・ソナタでご紹介したことがある。
blog.goo.ne.jp/tenten_family6/e/4158612def2a1de90a9bb7a1e960d845
今回の被害者は指揮者のフレデリック・ウォルドマンと提琴家ジノ・フランチェスカッティだ。

第2楽章のデュエットでは美しい旋律の掛け合いが回想的で心打つ。ハプニングが起こるのは第3楽章で、冒頭の数小節は、モリーニ、フランチェスカッティ、オーケストラが三者三様のタイミングとテンポで演奏を始め、慌てたフランチェスカッティが何とか合わそうと必死で追い上げ、むきになってゐるところが面白い。とにかく、音はもつれて、何がなんだか分からない状態から始まるので、心構えをされてから聴くと良い。

盤は、米國Arbiter Recording Co.による初出音源 ARBITER 128。


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