浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ヤン・クーベリック バッツィーニ「ゴブリンのダンス」

2006年07月13日 | 提琴弾き
超絶技巧を聴かせ、同時に歌うところはたっぷりとポルタメントをかけて歌い、テンポも動かす。所謂、昔のタイプの典型的な提琴弾き、ヤン・クーベリックは、有名なラファエル・クーベリックのお父さんだ。ポルタメントはエルマンのやうに甘すぎることはなく、激しくともフーベルマンのやうな荒々しさはない。そんなヤン・クーベリックの素晴らしい演奏がある。

曲はバッツィーニの「ゴブリンの踊り」といふ小品だ。民族的色合いの強く出た激しい踊りで、クロマティックなマイナーのメロディーと中間部の歌いに歌う明るいメロディーの対比、次々と展開していく楽しい曲だ。

101年前のフォノティピアへの録音で、音は良くないが、クーベリックの技術の素晴らしさもはっきりと聴き取ることができて嬉しい。民族的な要素の強い曲で、かなりのクセのある演奏をするあたりは、息子のラファエル・クーベリックの音楽づくりとは随分と違う。時代の違いなのか、親子という感じがしないと思うのは僕だけなのか。

盤は、英国Biddulphの復刻CD LAB033。


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