浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ヘンリーク・シュトンプカによるショパンのマズルカ

2009年02月23日 | 洋琴弾き
第1回ショパン競技会で優勝したのは誰だか忘れたが、マズルカ賞を獲ったのはヘンリーク・シュトンプカといふ洋琴家だった。彼は、波蘭の伝統を師、パデレフスキから受け継いだ人である。

今宵もブルーな気分に拍車をかけやうとショパンのマズルカを聴いてゐる。1948年と1959年の録音で、後者はCDでも市販された。作品番号41、50及び67から9曲を収めたLPレコヲドなのだが、シュトンプカは全曲を録音してゐて国内盤としても流通してゐる。

その演奏スタイルは端正で音色も美しく上品である。微妙なルバートも嫌味が無く、万人に受け入れられるものだと思ふ。時代を感じる僕好みのスタイルといふわけでもないが、音楽的にとても気に入った。金属的でない洋琴の響かせ方が何より嬉しい。僕は、作品50番のマズルカ集が特に好きだ。波蘭には、あまり知名度は高くないが非常に音楽的には素晴らしい人財が豊富だ。仏蘭西の洋琴家達が派手に感じるくらいシュトンプカは慎ましやかだ。ショパン競技会の覇者はろくでもない人が多いが、流石にマズルカ賞を一括りに言ふのは間違いのやうだ。珍しく素直に反省すると同時に、マズルカ賞を受賞した人たちに対して少し興味が湧いてきた。

盤は、波蘭MUZAのLP盤 SX2899。


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