「たぬきせんべい」の山ある記

ニフティの「山のフォーラム」が消滅したのでブログを始めてみました

【東 北】秋田駒ケ岳

2009-07-05 09:50:45 | ハイキング
                   駒ケ岳のチングルマ群落

昨年は8月末に利用した6泊7日のバスツアー(田沢湖高原連泊、完全フリー、食事なし)に今年はあえて梅雨の時期に参加しました。月曜と金曜は好天、他の日も朝のうちの雨も昼ごろにはあがり、中5日のうち4日間も山歩きを楽しみました。駒ケ岳の馬場の小路のチングルマの群落がちょうど見頃でした。他にも多くの種類の花が楽しめました。

【日 程】2009年6月28日(日)~7月4日(土)6泊7日
【山 域】奥羽山系北部
【山 名】秋田駒ケ岳(男女岳、男岳、横岳、焼森)、笹森山、湯森山、笊森山、乳頭山
【メンバ】本人、妻
【天 候】6月29日晴れ、30日、7月1日、2日雨のち曇り、3日晴れ
【コース】
29日)八合目(7:50)→片倉展望台→男岳(10:00)→駒池→横岳(13:00)→男女岳(14:10)→硫黄鉱山跡→八合目(15:40)
1日)八合目(13:00)→焼森→横岳(14:10)→馬の背→男岳(15:00)→片倉展望台→八合目(16:35)
2日)八合目(10:30)→焼森→横岳(11:50)→駒池→阿弥陀池(14:00)→片倉展望台→八合目(15:45)
3日)八合目(6:25)→笹森山(7:30)→湯森山→笊森山→千沼ヶ原(10:40)→乳頭山(13:10)→黒湯→乳頭温泉バス停(16:20)
【 花 】タニウツギ、ハクサンチドリ、ツマトリソウ、マイズルソウ、ムラサキヤシオ、ベニバナイチゴ、ショウジョウバカマ、ミネザクラ、マルバイワシモツケ、キバナノコマノツメ、イワカガミ、チングルマ、ミヤマダイコンソウ、ミヤマキンバイ、ゴゼンタチバナ、ムシトリスミレ、ヒナザクラ、シラネアオイ、カラマツソウ、モミジカラマツ、ウラジロヨウラク、コマクサ、タカネスミレ、ホソバイワベンケイ、コバイケイソウ、ハクサンシャクナゲ、ミヤマハンショウヅル、サンカヨウ、エゾツツジ、コケモモ、アカモノ、アオノツガザクラ、オノエラン、ミヤマウスユキソウ、サラサドウダン、イワイチョウ、オオカメノキ、ニッコウキスゲ、ヨツバシオガマ、イソツツジ、ワタスゲ、ウサギギク、ミツガシワ、ミズバショウ、ミネヤナギ、エンレイソウ、ギンリョウソウ

29日(月)は好天の予報で早い時間にバスに乗った。バス道路の脇にたくさん咲いているのはタニウツギのようだ。避難小屋のある八合目に着くとそこらにハクサンチドリが咲いている。登りは西の山腹を巻くように付けられている歩きやすい道を辿った。途中の片倉展望台からは田沢湖方面が望めるはずだが、この日は好天にもかかわらず霞がかかった状態でよく見えなかった。はじめツマトリソウ、マイズルソウ、ゴゼンタチバナなど白い花が多かったが、黄色いミヤマダイコンソウの大群落が現れる。阿弥陀池に近づいて木道となるとチングルマの白とムシトリスミレの紫も混じる。木道の分岐を右へ男岳を目指すとかわいいヒナザクラの群落がある。鞍部から男岳へ往復して馬場の小路(通称ムーミン谷)へ下る。急な下りの途中から出てくるシラネアオイがきれいだ。右へ登る分岐を分けて左へ馬場の小路を行くとちょうど見頃のチングルマの大群落に会えた。

馬場の小路から出ると一転して砂礫地の登りとなり、コマクサとタカネスミレの群落に変わる。コマクサはまだちょっと時期が早めだったがタカネスミレの群落もなかなか良い。この砂礫帯の登りは足元がずるずる崩れて登りにくく、気温も上がってばてている人も見られた。横岳に登って馬の背へ向かい、途中から阿弥陀池に下って避難小屋の前で昼食とした。ザックをデポして男女岳を往復した後、下りは崩壊しているとの注意書きがある硫黄鉱山跡を通る道を選んだ。出だしから残雪が残っていて木道に下る部分で気を使う。木道が終わり沢に向かって下って行くと、がらりと景色が変わり緑の無い荒廃した裸地が広がる。しっとりした緑と花々から砂礫地そして荒廃した裸地へと駒ケ岳のいろいろな姿を見ることができた。

30日(火)は予報も悪く、宿から黒湯へ無料の送迎バスがあるので利用することにした。ところが黒湯に着いたとたんに雨が降り出し、風も強くなったので温泉にも入らずバスの中で1時間ほど待機してそのまま宿へ戻った。ところが宿へ戻ったとたんに天気が回復したので、駒ケ岳に関する展示などがある「アルパ駒草」に行く。アルパ駒草で鶴の湯温泉の無料送迎バスのサービスを思い出し、鶴の湯温泉へ電話してタイミング良くやってきたバスに乗った。鶴の湯温泉でのんびりし、帰りは30分ほど山道を歩き、鶴の湯峡を通って路線バスのバス停にでた。

7月1日(水)は朝のうち雨で宿でゆっくりしていたが、昼近くにはあがったのでまたバスで八合目に上がり避難小屋でお昼を食べてから出発した。今度は東から焼森に登るコースを選んだ。展望の無い樹林帯の急登から始まるが長くはなく、沢を渡る前後にはシラネアオイやサンカヨウの花が見られた。展望が開けるあたりで、昨日は蕾しかなかったエゾツツジが咲いているのを見つけた。焼森手前から砂礫地になり、タカネスミレにコマクサが混じる。横岳から馬の背を歩いた。雲が多くて遠くの展望はないが、左右に阿弥陀池とムーミン谷の美しい景色を見下ろし、涼しくて気持ちの良い稜線歩きだった。再び男岳を往復し29日は登りに取った片倉展望台の道を下った。このあたりのチングルマは早くも散り始めてきていたが、木道脇にミヤマウスユキソウを見つけた。

2日(木)は朝のうちの雨が宿のあたりでは早めにあがったので、またまたバスで八合目に上がると今度は雨に降られてしまった。雨の中にすぐに出て行く気はしなかったので、しばらく避難小屋で様子を見ていた。他の人がみんな雨具を着けて登っていく中、単独で来ている女性がいて、話をしているうちに雨が小降りになってきて、いっしょに行くことになった。雨具を着けて前日と同じコースから登る。片倉展望台からのコースが道としては一番良いが、馬場の小路を前とは逆に歩いてみたかった。エゾツツジやハクサンシャクナゲの開花が昨日よりさらに進んでいる。横岳あたりで雨が上がり、砂礫帯の下りではガスも晴れてムーミン谷がいい雰囲気で姿を現してきた。まだ早かったコマクサがだいぶ咲いてきて露を含んで生気にあふれて見える。上では散ってしまったチングルマも馬場の小路では残雪もあるせいか、まだ元気だった。阿弥陀池の避難小屋前で遅い昼食とし、片倉展望台コースで下ったが、木道脇のミヤマウスユキソウの奥に昨日は気づかなかった群落が見えた。また、ニッコウキスゲの花が一つ二つと開き始めていた。

3日(金)は好天の予報だったので、朝一番のバスで八合目に上がった。まず、笹森山へ向かうとニッコウキスゲがかなり開き始めていた。もう少しすれば一面のニッコウキスゲの向こうに駒ケ岳を望む素晴らしい景色になるだろう。この季節は花々が次々と移り変わっていつ来ても良いようだ。コバイケイソウも咲きはじめできれいだった。誰もいない笹森山の頂上で駒ケ岳を眺めながら朝食とした。笹森山は縦走路から少しはずれ、立ち寄る人があまりいないようだ。国民休暇村へ下る分岐を分けて湯森山へ登る。10数年前の8月上旬に田代平避難小屋に泊まって、今回と逆コースで乳頭山、駒ケ岳、国見温泉と縦走したことがあり、ここから先は一度歩いた道ということになる。このあたりから駒ケ岳では見られなかったヨツバシオガマが急に多く見られるようになった。熊見平あたりに来ると湿原に一面のワタスゲが見られた。緩く長い登りをこなして笊森山に着く頃にはガスがかかって駒ケ岳も乳頭山も見えなくなったが、千沼ヶ原は見おろせて、ざっと百個ほどの池塘が数えられた。千沼ヶ原は二つに分かれていて奥が深く、浅い池塘にはミツガシワが花を咲かせており、湿原にはワタスゲが一面に広がって素晴らしかった。

千沼ヶ原から乳頭山に向かうと大きな雪渓が現れる。このあたりにはミズバショウが見られる。以前、8月上旬に来た時にもここではミズバショウが咲いていて、遅くまで咲いていることに驚いたことがある。笊森山への分岐を分けて乳頭山が近づいてくる。時々ガスが晴れると、こちらからの乳頭山の姿がなかなかかっこいい。乳頭山頂で昼食休憩とし、一本松沢に下るコースを取って一本松温泉跡で湧き出している温泉につかってから、黒湯経由乳頭温泉バス停に出た。


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