「たぬきせんべい」の山ある記

ニフティの「山のフォーラム」が消滅したのでブログを始めてみました

【中国・敦煌市】鳴沙山

2005-08-25 20:48:52 | 観光

 家族での観光旅行が目的なので、鳴沙山にはわずかな時間で途中まで登っただけですが、日本には無いまったくの砂山なので面白かったです。沢登りのツメでザレ場などには慣れているつもりでしたが、砂となると全然勝手が違いました。
鳴沙山は敦煌の中心街から車で10分程度と近く、涼しくなる夕方から出かけました。鳴沙山を正面に見ながらまっすぐに続く広いりっぱな道路を行きます。終点はお寺みたいな大きな門。その手前の道の両側にはみやげ物店が立ち並んでいます。思った以上に観光地化していました。
門を入るには一人80元の入場料がいります。門を入るとそこはもう砂の世界が広がります。観光用の駱駝の数が多いのにはびっくりしました。観光客も非常に多く、砂漠のイメージとはほど遠い観光地です。
鳴沙山の長く続く尾根の端から登る人もいますが、大部分は駱駝(往復30元)か車(往復10元)で月牙泉(三日月形の池)の近くまで行って、そこから急斜面に掛けた木の階段を利用して稜線まで登ります。この木の階段の利用賃が30元と高いのですが、途中1/3ほど登った所からの砂橇下りの利用賃も含まれます。木の階段は稜線直下で途切れていて、残りは普通、裸足になって登るのですが、私は運動靴のまま登りました。この部分はすでに傾斜が緩くなっているのですが、それでも登りにくかった。傾斜が急だったら登れそうもありません。稜線に出るとあとは緩やかな傾斜で歩きやすくなります。時間があればどこまでも行きたい気分になります。残念なことに稜線にペットボトルがいくつか転がっていたので、持って帰りました。
太陽が沈むのを待って、下りにかかりました。最後は砂橇に乗りましたが、結構スピードが出てスリルがあります。でも、転倒する人は見かけません。しかしこの砂橇は最後に傾斜の関係か、必ず砂煙が上がって砂まみれになってしまいます。入り口まで戻る途中には暗くなって満月が昇り始め、まさに月の砂漠の雰囲気になりました。
次の日は莫高窟でしたが、その翌日も再び鳴沙山に行きました。この時は珍しいことですが、スコールみたいな雨が降り、虹もかかりました。今度は月牙泉のほとりに建っている月泉閣という建物の裏手の木の階段も無いところから登って行きました。裸足になって斜めに登っていきましたが、やはり砂山登りは裸足に限るとわかりました。しかしこのような砂山がいつまでも形を保っているのは不思議な感じがします。風が下から吹き上げるように吹く地形となっているそうですが・・。ただ、麓の月牙泉(三日月形の池)の水は以前に比べてかなり減っており、枯渇が心配されているそうです。

【日 程】2005年8月18日(木)~23日(火)
【メンバ】本人、妻、長女、次女、母

【奥武蔵】家族と登った谷津川本流

2005-08-11 21:03:45 | 

 家族4人での沢登りは初めて。予定では谷津川の支流、地獄谷を遡行する予定でしたが、出合を見逃して本流を進んでしまいました。沢のハイキングのつもりで途中まではのんびり気分でしたが、本流の連瀑帯を巻くのに大変苦労し、時間も遅くなったので、少し先の登りやすそうな所から左岸の登山道に出て下りました。下る途中で雷雨に遭いましたが、幸いすぐにやみ、白久温泉谷津川館で入浴してから帰りました。

【日 程】2005年8月11日(木)日帰り
【沢 名】谷津川本流(下部)
【メンバ】本人、妻、長女、次女
【天 候】曇り一時雨
【コース】白久駅(9:30)→入渓点(10:30)→終了点(15:00)→林道(16:30)
【参 考】奥秩父・両神の谷100ルート(山と渓谷社)

家族4人の休みを一致させ、さてどこへ行こうかとなったが、この暑いさなかに日帰りでは沢しか思いつかない。長女と次女の沢の経験はそれぞれ一度だけなので、易しい沢で少し変わったところ、そして帰りには温泉に入れるところなどの条件で、前日の夜にガイドブックを見ながら頭を悩ます。ようやく秩父の谷津川地獄谷に決めたが、詳しく調べる余裕がなかった。

平日なので電車も空いている。白久駅で降りたのは私たちだけだった。暑い車道歩きが終わり、登山道に入る。すぐに沢に下る廃道が分岐しており、これを辿って沢に下る。入口にはハイカーが間違って入らないようにテープが張ってあった。ガイドブックではしばらくこの廃道を辿って行くようになっていたが、ここからさっそく沢支度をして入渓する。少し難しそうな滝は巻き、容易な滝だけ登っていく。所々は廃道も使って省略する。4日前の奥多摩と同様、イワタバコの花がちょうど盛りで群落がそこここに見られる。

やがて沢が大きく右に曲がる所で、正面の斜面に猿の集団を見る。小猿が多く、ゆっくりと上部に移動して行った。ここには廃道の朽ちかけた標識が立っていた。この先も沢の中に二度ほど朽ちた標識を見かける。適度に濡れて涼しく、のんびり楽しく遡行して行ったが、ガイドブックの遡行図は本流の部分を簡略に記しているので、現在位置が掴みにくかった。廃道を歩いていた部分もあったためか、地獄谷の出合に全く気づかなかった。後続を確認しながら進んでいるせいで時間がかかる。

やがて左手に水量は少ないが大きな落差のあるきれいな滝を見る。これが七つ滝だった。このあたりではもう間違って本流を進んでいるのだろうと感じていた。本流には二段に見える滝が現れる。上の滝は登れそうもないが、とりあえず1段目は登り左から巻き始める。この巻きはけっこう左に追いやられて、大きく巻いてしまい、途中から右にトラバースしていった。再び滝が見えると上部に何段にも続いている連瀑帯であることがわかった。この場所に標識のようなものもあったが、巻きのルートがはっきりしない。沢へクライムダウンするにはかなり危険な感じだが、上部へ登るのも岩場になっていて危ない。けっきょく少し下って斜面をトラバースして行くルートを取った。全員を安全に導くのに苦労し、時間もかなり取られてしまう。

ようやく沢身に戻れたが、その上に続く滝も容易ではなさそうなので今度は右から巻くことにした。この巻きも危険性は少ないが結構大きい巻きになった。メンバーの消耗を避けるため、途中で待ってもらって、ルートを確認してから呼びに戻るということをしたので、時間もまたかかってしまい、連瀑帯を全部巻き終えて時計を見ると14時半になっていた。時間も遅いし、沢ももう十分という気分になり、左岸に登山道がかなり近づいているはずなので、適当な所から登って終わりにすることにした。

少し進んで比較的なだらかな所から登り始める。すぐにかすかな踏み跡らしきものを見つけ辿っていくとだんだんはっきりしてきた。植林帯なので、仕事道だろう。尾根を乗り越すところでちょうど標識を見て、登山道に出た。これを下っていくとやがて地獄谷を渡る。本来、ここに出るはずだった・・。道は山腹をトラバースして行く。高い樹林がないので見晴らしが良く気持ちいい所。しかし歩く人が少ないのか、道が細く、いばらもあって引っかかると痛い。その上、ゴロゴロと雷の音がしてきた。植林帯に入ってから雨が降り出したが、それほど強くなく、林道に出る頃には止んだ。

谷津川館は入浴料一人1000円。大きくきれいな旅館で、この時間帯に他に一人も入っておらず、貸切状態。温泉で手足を伸ばすと疲れも吹き飛んだ。湯から出て、帰りの電車の時刻を聞いてみると歩いて間に合いそうもない。困っていると駅まで送ってくれるとのこと。有難かった。白久駅から乗った秩父鉄道は他に誰も乗っていなくて、ここでも貸しきり状態。西武鉄道のレッドアローー号に乗り換えてゆったりと帰る。スムースに帰れて、沢での失敗も少し挽回できたようだった。









【奥多摩】倉沢谷本谷(一部)と塩地谷

2005-08-07 23:07:48 | 

 倉沢谷本谷の鳴瀬沢出合から塩地谷へつなげて遡行しました。倉沢谷本谷も塩地谷も水量が多く、釜も深くて、小さな滝でも巻きが多くなり、長丁場ということもあって疲れました。ツメは仕事道を見つけて辿り、下りは棒杭尾根を取って倉沢林道に戻りました。棒杭尾根は急下降ですがしっかりしています。

【日 程】2005年8月7日(日)日帰り
【沢 名】倉沢谷本谷(鳴瀬沢出合から上部)、塩地谷
【メンバ】単独
【天 候】晴れ
【コース】倉沢バス停(8:45)→倉沢谷入渓点(9:10)→塩地谷終了点(13:50)→倉沢バス停(16:10)
【参 考】奥多摩・大菩薩・高尾の谷123ルート(山と渓谷社)
     東京周辺の沢(2000年5月白山書房)

以前、倉沢谷本谷の下流を歩き、ちょうど鳴瀬沢出合あたりで先行する釣り人に追いついたため、じゃまをしては悪いと林道に上がり、途中をパスして長尾谷を遡行した。そこで今回は本谷の残りと塩地谷を繋げて歩くことにした。倉沢バス停で降りたのは私一人。林道を歩いていくが、鳴瀬橋までは記憶より長かった。鳴瀬橋で沢支度を整え、本谷へ下降する。

本谷は水量豊富でゴウゴウ音を立てて流れており、釜は大きく深く、へつり中心で楽しむ。滝の落差は小さくても、巻くことが多い。一度もとの林道に上がってしまうこともあった。やがて大きな石積みの堰堤が現れた。水の流れるトンネルをくぐって通過すると開けて穏やかな感じになる。その先で、倉沢鍾乳洞に渡る橋の礎石を見る。橋のほうは跡形もない。

やがて、林道の橋が見え、その先には魚止めの滝が水量豊富で豪快に落ちている。橋をくぐって、近くまで寄って見物した後、戻って林道に上がる。魚止めの滝を巻くために左手の尾根に上がる仕事道を辿る。仕事道の途中からトラバースして塩地谷に下っていったが、このトラバースはかなり危なっかしかった。ガイドブックに従い、林道を辿って左岸から下るほうが良かったようだ。塩地谷を遡行し始めてすぐに地蔵ノ滝が現れる。右岸上部の仕事道まで上がり、尾根を越えてから下降する。固定ロープが二か所にあり、これを利用して下り、さらにルートを探して岩溝状のところから沢床に降り立つ。

塩地谷も水量が豊富で釜が深い。水流の裏側をくぐれる滝は、その先を登るのが難しそうで左から巻いた。棒杭沢を過ぎて現れる8mの滝は左から踏み後を辿って巻く。傾斜の緩い沢は長々と続いて、水流もなかなか消えない。そのうち、動物の頭蓋骨を見つけた。ネットで見た遡行記録に骨があるとの記述があったのであまり驚かない。さらに上部でも砕かれた骨を見た。水流がようやく消え、ツメになる。途中で右手の植林帯に続く仕事道を見つけ、これを辿って登山道に出た。一杯水より仙元峠寄りですぐ近くに標識があった。

仙元峠方面に向かう途中の道の右手に案内板があり、その裏に棒杭尾根の道が合流している。案内板には小さく倉沢と誰かが書き込んでいた。棒杭尾根の下りは急傾斜だが、道はしっかりして迷う心配はない。長尾谷に下ったところで、キャンプの人が夕食の準備で火を起こしているのを見た。沢の水で顔を洗い、着替えてからのんびり林道を辿って倉沢バス停へ。バスを待っている人が一人いて、お喋りしているうちにバスがやって来た。